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大学を考える



大学の可能性を探る
環境マネジメントシステムの視点から  − 21 −
[FMICS BIG EGG 2006年4月号より]
by  米田敬子

競争的環境下での新しい大学経営 
生き活き環境マネジメントシステム-9

 学生が大学の環境改善に参画できる仕組みつくりは、大学活性化のキーポイントとなる。学生の要望や活動を引き出し、大学環境の改善につなげている事例を紹介する。

 長崎大学では、教育理念の達成に向けた基本目標として「学生顧客主義」を掲げており、このための取組の一つとして,全学生を対象とした学生生活調査を2年に一度実施している。調査結果を受け、平成16年度は『第9回学生生活調査報告書 STUDENT LIFE NOW』を刊行した。学生による学園祭企画「学生と学長との懇談会」(平成16年11月)において、学生の意見を聴き、12月には学長や多数の教職員が参加して「長崎大学学生生活研究会」を開催、調査結果の報告・検討を行った。大学全体として取り組むべき課題を学生委員会において抽出・検討し、学生の声を反映した重点支援方策を打ち出した。

 さらには、平成11年度より学生提案型の大学活性化計画(学生の夢)の実現を大学が支援する「夢大賞」を企画し、毎年募集している。夢実現の支援を通じてキャンパスライフの活性化、学生の自主性・企画力・創造性を養うとともに、学生生活の活性化・充実を図ることを目的としている。

 夢大賞は1件、賞金20万円、準夢大賞は5件、賞金3万円(1件あたり)である。対象は学部学生と大学院生またはそのグループである。審査基準は「(1)キャンパスライフの活性化又は充実に資する夢であるか」、「(2)学生の取り組みが具体的に表現され、実施のための組織が明確にされているか」、「(3)大学等の協力が必要な部分の内容(役割分担する部分等)が具体的に表現されているか」の3点である。審査員は、学長、理事、副学長、事務局長、学生生活活性化専門委員会委員、各学部等学生委員会委員である。大賞を受賞した夢については、大学が実現に向けてバックアップする。
 
平成17年度は、「芸術鑑賞で心にゆとりを〜
ランチタイムコンサートの定例化と拡大〜」教育
学部3年生らの企画が夢大賞となる。準夢大賞は、
「国際協力を学生の手で」、「やるばい!学生!ISO委員会」、「伝統芸能をもっと身近に」、「出前ストリングスコンサート」、「ecoピカ☆キャンパス」、「学生発!HeArtサポーター〜映像祭で長崎を元
気に〜」である。

 平成16年度には、「ここが変だよ,長崎大学! 〜長大生による大学評価プロジェクト〜」が夢大賞となる。このグループは、学生の立場から長崎大学を評価して大学改革を促進するアンケート調査のための資料収集を行い、大学も活動を支援し、学生と大学が連携し、STEP大学改革を進めている。準夢大賞として、「性感染症ってしっとっと?〜エイズのない世界へ〜」は,サークル「STEP」を結成して活動を続けている。他には、「大学構内の廃棄・放置自転車リサイクル」、「石焼窯のあるオープンカフェをつくろう」、「エコキャンパス」、「経済学部発!キャンパスフェスタをひらこう」、「オンラインクーポンを使って学生と地域の交流を」、「地域まちづくりフォーラムの開催」が採択された。
 
  平成16年度までに、準夢大賞「よさこいで長崎に夢を・・・」の企画により結成され、各種イベントで活躍する「突風」、長崎の地域社会に溶け込む「ペーロンサークル」、長崎大学の留学生を組織化した「長崎大学留学生協会」、学生の立場からの情報発信拠点を作った「長崎大学学生情報局」など、7つの全学サークルが結成され、活動している。

 平成11年度夢大賞の「大学にビオトープを」の「ビオトープ」は、平成12年に教育学部中庭に設けられた「おもやい広場」に、「記念プレート」とともに整備された。7年間の受賞内容には、「身近なことから環境保全を」、「屋上に緑を」、「学生参加による長崎大学のISO14001取得を」なども含めると、大学環境改善の提案が2割以上を占めている。

 学生による企画や行動には、大学で実際におこなわれている教育・研究・社会貢献とともに、大学環境の実態、社会背景などが反映される。学生の大学に対する要望や行動は、帰属する大学を映し出すひとつの鏡となり、大学の評価基準の重要な要素となるのではないだろうか。学生の視点からの要望や活動から、大学が求められているものと欠けているものを的確につかみ、正しい対応をすることが大学活性化につながり、学生の帰属意識を高めることにもつながるであろう。
 
引用文献:『長崎大学ホームページ』、http://www.nagasaki-u.ac.jp/chara/cht_kyouiku02.html、2006年4月4日
『夢大賞』募集要項資料


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