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競争的環境下での新しい大学経営
生き活き環境マネジメントシステム- 7
平成17年度の「特色GP]と「現代GP」に採択された3大学での、学生が主体的に授業に参画している事例を紹介する。
鹿児島女子短期大学の「特色GP」を取得した「WE LOVE 鹿児島!プロジェクト」は、「ローカル・アイデンティティ」を「生きる力」とし、学生を「地域活性化の担い手」に育てる取組である。地域に逞しく根を張り、卒業後は職場で鹿児島の過去と現在、未来をも語り、活性化に寄与することのできる人材となるよう支援する。
各分野の専門家によるワクワク授業シリーズは、(1)食文化、(2)産業と経済、(3)芸術、(4)方言と民間伝承、(5)自然、(6)文学、(7)歴史、(8)伝統芸能のオムニバス型講義である。試験はタイトルを「未来の鹿児島と私」とし、地域と生きた絆のイメージを膨らませ、地域と学生の未来図をレポートに描く。プレゼンテーションは自由な発想とオリジナルな表現でレポート内容をパソコンや写真、ビデオや絵画、唄や踊りなどでアピールする。優れたプレゼンテーションには、地域活性化公開シンポジウムでの発表の機会を設ける。
九州工業大学の「特色GP」を取得した、学生と地域から展開する体験型理数学習開発−地域ニーズに応える学生参加型創造力育成プロジェクト− では、学生教育に教育体験型学習を導入することにより、大学教育の新展開と地域学校教育の充実を同時に実現する。
学生が教育者の立場に立って、人に教え・説明する過程で自らの理解を深める学生参加型教育プログラムを自然科学・工学において展開する。学生の力を地域教育に積極投入し、地域・学校と大学の双方向の連携体制を確立し、高等学校教育と大学教育の連続性を確保し、ゆとり教育世代の理数系学力向上を実現することも目標とする。
岡山大学が取得した「現代GP」は、新機軸「学生参画」による教育改善システムである。平成13年度より本格的な学生参画型教育改善を推進し、「学生・教員FD検討会」から始まり、今では学生が30数名、教員が10数名、職員が若干名の「学生・教職員教育改善委員会」がコアの組織となる。相互対話を中心とした恒常的活動を積み重ねる中で、学生提案の新授業科目の実現、学生の視点から新入生に適切なアドバイスをする履修相談会はシラバスの見易さと使い易さ、、回答する学生の立場を考慮した授業評価アンケートの改善は回答のしやすさの成果となる。
教職員委員に対する学生委員のリーダーシップ発揮や一般学生の教育改善活動への参加度の向上という組織レベルにも波及し、学ぶ側の意欲向上が教える側にも変化を及ぼしている。教育改善は、「教員側の問題」ではなく、「学生と教員との双方の問題」であり、内容によっては職員もまきこんだ「大学全体の問題」(広義のSDの問題)だという認識で、学生参画を新機軸とする大学教育改善を推進している。FDからSDへの発展という観点からみると、大学という知的共同体の構成員(学生・教員・職員)が一体となって教育・研究・社会貢献に打ち込むことにより、理想的な大学像を目指している。
大学教育の改善を図ることを通じて、大学全体としての教育・授業の質的向上を目指し、大学教育改善のあらゆる内容について学生の立場・視点からの意見がしっかり議論の俎上にのせられるシステムを構築している。
九州工業大学工学部と情報工学部のオープンキャンパスでのアンケート調査では、志望大学を選ぶ主な理由は、学びたい学科や志望大学があるとの回答が、80%前後である。
愛知県内の私立総合大学の学生を対象にした調査では、教員と授業が充実していると感じられるほど、また、規模が適性であると感じられるほど、事務職員の対応がよくレベルが高いと感じられるほど、大学の魅力が高まるとことが分かった。学生の大学への帰属意識と満足度を高めるにも、授業の充実は大きな要因であろう。上記の3大学は学生を授業に参画させ、学生の視点を取り入れるマネジメントシステムを構築することで、より多くの学生が成果を共有し、大学の存在を地域に浸透させている。
引用文献:
・『鹿児島女子短期大学ホームページ』 http://www.jkajyo.ac.jp/ 2005年12月26日
・『九州工業大学ホームページ』 http://www.kyutech.ac.jp/top/index.asp 2005年12月26日
・『岡山大学ホームページ』 http://www.okayama-u.ac.jp/ 2005年12月26日
・『文部科学省ホームページ』
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/17/07/05071904/004.htm 2005年12月26日
・「大学の魅力を規定する要因」 高木浩人愛知学院大学教授 第46回日本社会心理学会
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