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大学を考える



大学の可能性を探る
環境マネジメントシステムの視点から  − 18 −
[FMICS BIG EGG 2005年11月号より]
by  米田敬子

競争的環境下での新しい大学経営
生き活き環境マネジメントシステム- 6

 平成17年度「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」に採択された福井大学の「地域教育活動の場の持続的形成プログラム」を紹介する。

 福井大学は平成15年10月に福井医科大学と統合し、3学部・3研究科、学生数は、約5000名(学部生約4100名、大学院生約900名)職員数は約1400名(大学教員566名、附属学校教員69名、事務・技術・医療職員約770名)となる。

 地域社会との連携教育に持続性を持たせることを主眼におき、学際的な大学教育と地域とを結ぶ受け皿の場と、学生の主体的な課題解決行動と地域住民との組織を形成する取り組み内容である。

 工学部では、平成16年度から学際実験・実習という科目をつくり学部・学科を超えた学際的な3つのテーマとして「環境問題調査隊」、「知能ロボット製作」「ビデオ製作」を共通科目として開設した。単位認定などの責任は学際実験・実習実施委員会が負い、日常の直接的支援は8学科から集まった教員・技術職員で構成されている3つの懇話会がおこなっている。

 「環境問題調査隊」は学生・教職員・地域住民から寄せられた地域や環境の問題について、フィールドワークを通じて調査・検討を行い解決策を模索する。学生アンケートでは「環境と社会に関する知識」や「プレゼンテーション能力」の向上が認められている。また、「福井大学元気プロジェクト祭り」で、これらの取り組みの教育成果を地域にフィードバックしている。

 事例としては、商店街組合と学生が連携して空き店舗を活用して作った「たわら屋」を通した地域交流。大学の裏手にある「雑木林を楽しむ会」の自然を守る地域住民との連携活動。商店街の店舗及び通りを活用した環境や交通環境調査及びコミュニティづくりの計画。これらの活動は地全国都市再生モデル調査(平成16年度 国土交通省)にも指定されている。

 今後の「環境問題調査隊」の活動は、身の回りの身近な環境からまち全体の都市問題を考える8のプログラム、(1)商店街ゼロエミッション事業 (2)田原町クリーン交通事業 (3)商店街省エネルギー事業 (4)食の安全化事業 (5)生態環境化事業 (6)恒例福祉改善事業 (7)安全安心なまちづくりをテーマに地域の環境改善に直接貢献する体制を整える。学内では、工学部教育委員会、地域環境研究教育センター、ISO企画推進室の各委員会のサポートを得る。

 大学と周辺の街との連携、および大学の教育・研究機能を周辺地域に開いていくことなど、キャンパスタウンへの関心は高い。地方都市においてもこれらの取り組みは難しいが、上記8の取り組みで、大学周辺に教育の場と組織づくりを持続的に形成し、周辺地域とキャンパスが一体となった教育の場の形成にチャレンジする。

 福井大学は平成15年3月に文京キャンパスがISO14001の認証を受けている。電力・地下水・重油使用量の前年度比5%削減、実験廃液の回収,排出水の基準順守,ゴミの排出量の削減と分別排出、環境問題に対する意識の啓発を主な重点目標としている。ハード面の整備としては、廊下・教室の自動消灯装置、トイレの消音装置、重油暖房から電気暖房への切り替え、ペット・空き缶の回収機の設置などとし、大学内の電気・水・紙・重油は使用量は大きく減った。

 ソフト面では、ゴミ分別方式の変更とゴミ箱の配置数の削減,裏紙利用の促進(両面プリンターの購入経費補助),学内リサイクル・リユースシステム(10ヶ月で73件)の実施である。問題点や成果を構成員全員にメールを配信している。自分の部屋から使用可能であるが,不要な物品が出たときにメールで学内に知らせ、そのメールを見た人が欲しいものであったならば、物をリユースするというシステムが人気である。これからの方向性として重要なのは、構成員の意識改革。9割構成員の意識が多様な学生を、どのように啓蒙していくかが課題である。

 学内の環境保全に取り組む学生ボランティアCampus Eco-Groupのメンバーは教育地域科学部と工学部の学生約20人。活動内容は学内のゴミ箱調査、ゴミ分別・アイドリングストップ・エレベーター利用自粛推進ポスター作成・掲示、各家庭の二酸化炭素排出量調査、学内のゴミ拾い、リユース市開催、学生に対する環境保全への協力要請、ISO14001認証維持への協力などである。

 仕組み作りにおいて、人と物と金を効率的に使い、動かし、成果を上げる方策が国立大学法人においてもますます求められる。ミッションは生き残りと活性化、教職員学生のプロジェクトへのパッション、ISO14001での経費削減の仕組みと環境活動を中心とした地域貢献がアクションとなる。仕組み作りは、大学の社会化の一歩でもある。

 

引用文献:
『福井大学大学ホームページ』 http://www.fukui-u.ac.jp/NewHP1002/top.htm 2005年11月30日

『文部科学省ホームページ』
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/17/07/05071904/004.htm 2005年11月30日


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