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競争的環境下での新しい大学経営
生き活き環境マネジメントシステム- 4
平成17年度特色ある大学教育支援プログラムに採択された、鹿児島大学のISOを活用した教育システムの展開−ユニバーサルアクセス時代への展望−を紹介する。
水産学部では、シラバスを「学生と教員との契約書」とみなし、学生満足を追求することを目標とし、教育の「計画、実行、点検、見直し」のサイクルをマニュアル化し、継続的改善を保障するシステムを構築した。教育内容に大学の方針でもある地域的特性を生かせるフレキシビリティを認めたISO9001を最適な規格とした。「学生満足」の詳細を定義・明示した「教育システム運用マニュアル」の開発において、ISO9001の認証取得に至った。
学部の品質マネジメントシステムの文書化(計画)は、「教育システム運用マニュアル」での、ISO9001が定義する「顧客」を「学生」と、「製品に対する品質目標及び要求事項を記載した文書」を「シラバス(授業計画書)」と解釈した。
教育システム運用マニュアルの実行(実行)では、授業実施過程はモニタリングされ、そこで生じた不都合の改善措置もISO委員会とトップマネジメントの承認を受ける。教育実施のモニタリングは担当教員が規定のチェック表を用いて記録し、マニュアルに対する不適合があれば、シラバス、授業方法の改善・是正措置が求められる。必要があれば教育システム運用マニュアルにもフィードバックさせる。
運用状況のチェック(点検)では、「教育システム運用マニュアル」通りの業務が遂行されているか、品質マネジメントシステムが有効に機能しているか否かは、モニタリングで点検し内部監査される。その結果はFD委員会を通して毎年マネジメントレビューで報告され、改善方策を策定するための材料となる。ISO委員会とFD委員会が点検の実施とその分析にあたることとしている。
マネジメントシステムの継続的改善(見直し)では、トップマネジメントは、教育のモニタリング、学生による授業評価、内部監査から得られた情報をもとに、教育マネジメントシステムの見直しと改善を行い、教育システム運用マニュアルをより合理的なルール文書へと改善、現在は第6版である。 マニュアルに従って教育を進める上で、授業日数不足が障害となると、学部教育委員会で時間割を見直し、「見なし曜日」制度を施行し、全科目で15週の授業日を確保できるようにした。
水産学部では、ISO委員会、FD委員会、教育委員会が協力して、教育効果GPA分析や履修放棄・不合格動向の分析を継続的に行う。年度ごとの見直しと改善を迅速・確実に行うために、年度末にこれらの分析結果の速報をマネジメントレビューに提出する。
ISOシステム化が試行され始めた平成15年前後のT期とU期(1年生の前・後期)のGPA平均値の分析では、平成15年度からGPA平均値が顕著
に上昇しているとともに、従来見られたU期でのGPAの低下が見られなくなった。また、学生一人当たりの履修途中放棄や不合格科目数も顕著に低下した。これらは、学生が緊張感を持続して受講していることを示しており、現在の取組の顕著な成果を証明している。
各教員が策定した授業改善策を学部全体で管理する。内部監査には、事務部、技術部職員も教員と対等に参加しており、学生による授業評価では、開講科目のほぼ100%で、学生が授業への満足度を4段階評価で3点以上と評価するようになった。
下記の諸項目は、いずれの学部でも取り組まれつつある課題であり、全学的な応用を図る段階にまで至っている。
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シラバスに含まれる授業内容とその妥当性が、客観的資料に基づき、講座会議等で調整・計画。 |
| A |
シラバス通りに授業が行われたかを、授業モニタリング表をもとにトップマネジメントが確認。 |
| B |
学生による授業評価が学生満足度を測るのに有効であることが確認され、マネジメントレビューを通して次年度の教育目標に生かされる。 |
| C |
学生による評価・要望を分析し、従来のFD活動が「教育システム運用マニュアル」に取り込まれ、独自のFD活動が生まれた。 |
「学生による科目・授業評価」を全授業科目で行い、学生の評価を顧客要求として組織としての改善に直結する仕組み作りは、学生が主人公の機能の一つである。マニュアル化することにより、学生へ目線をむけること、インタラクティブな関係を作ることが活性化されたのであろう。
将来の課題の一つは、システム整備された環境の中で、立場を超えて、主体的に人間味ある行動がなされるようになるかである。システムに動かされないためには、あったかさとおせっかい、ワクワク体感など、マニュアルを超えるキーワードが重要になるであろう。
引用文献:
『鹿児島大学ホームページ』
http://www.fish.kagoshima-u.ac.jp/HP2004/iso_gp/isogp.htm 2005年10月3日
『文部科学省ホームページ』
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/17/07/05071904/004.htm 2005年10月3日
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