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大学の可能性を探る
環境マネジメントシステムの視点から  − 2 −
[FMICS BIG EGG 2004年6月号より]
by  米田敬子

 地球環境の持続的な改善に、人間が果たす役割は重要である。環境への認識を深め、精神的な豊かさを大切にし、主体的に環境配慮行動につなげていけるライフスタイルのあり方も求められる。大学のカリキュラムにおいて、「人間形成」を基礎とし、人文、社会、自然の諸学問を関連づけ体系化している学部もある。また、大学の学部キャンパスへのISO14001導入にともない、環境マネジメントシステム関連科目を配置し、大学でのライフスタイルから環境側面や環境影響をとらえ、ライフスタイルを考える原点とし、環境教育を実践している学部もある。
 ISO14001とは、国際化標準化機構が発行した「14001」番という規格番号である。日本では日本語で表記され、JISの発行している「JISQ14001」である。ISO14001は、環境マネジメントシステムに対する要求事項を述べた規格である。全体的なマネジメントシステムの一部である環境マネジメントシステムとは、環境方針を作成、実施、達成、見直し、かつ維持するための、組織の体制、計画活動、責任、慣行、手順、プロセス及び資源を含むものである。組織自ら設定する環境方針を含め、環境マネジメントシステムを、PDCAサイクルに沿って実行するものである。PDCAサイクルのPlanとは環境方針の設定、影響の評価、組織の目標の設定、環境マネジメントプログラムを定めることであり、Doは実施体制、責任、文書体系の整備、EMSの運用、Checkは環境マネジメントシステムの監査体制の整備、監査規格にもとづき不適合に対する処置を設定、Actionはトップが環境マネジメントシステムを見直す、必要に応じて改定することである。これらのPDCAサイクルを継続的に実施し、再度環境方針に立ち返り、環境負荷の低減や事故の未然防止が図られる。
 ISO14001の認証を受けるということは、PDCAサイクルがきちんと作られて機能しているかどうかの審査を受けて合格することである。「認証(Certification)」とは、これらのシステムが特定の要求事項(基準・標準・規定)に適合している"適合性"を第三者が文書で保証する手続きを指すことである。
 2004年5月までに、41大学が1998年に1件、1999年に1件、2000年には4件、2001年には10件、2002年には5件、2003年は17件、2004年には4件認証取得している。私立大学は29大学、国立大学は9大学、公立大学は1大学である。サイトは全キャンパスが22大学、他は1キャンパス、学部、環境保全センターなどである。登録範囲は教育と研究が26、教育と研究と管理運営や事務管理が12となっている。他は幼稚部から大学(大学院・通信教育部を含む)等の教育及び研究における(1)児童・生徒・学生、家庭及び学園の三位一体の環境教育(2)環境問題に関する研究活動(3)学園内における環境負荷低減(ばい煙・排水・廃棄物)、省エネルギー、省資源及び購入物品のグリーン調達を推進するための環境マネジメントシステム、または、(1)セミナー・シンポジウム等による環境教育及び啓発活動、(2)エコツアー、(3)学外との連携、(4)環境関連情報の共有化、(5)グリーン購入、(6)省エネルギー、(7)省資源、(8)ゼロエミッションなどである。
 人間形成、公共性を養う場でもある大学の環境マネジメントシステムを実務面に活かし、継続的改善につなげていくには大学職員の役割は重要である。ますます高度な専門性と人間性が必要とされる。次回より、実践例を書かせていただきます。

参考文献:黒澤 一 『ISO14001を学ぶ人のために』、ミネルヴァ書房、2001年


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