| 第六章 多摩地域での大学コンソーシアムの提案
(七)
5.大学、企業、中央官庁(官)によるコンソーシアム
1:国際平和維持活動調査研究所
外務省の活動を補完する機能、特に国際平和維持活動の基礎的調査を主体とする。
ノルウェーの応用社会研究所はイスラエル、パレスチナの平和協定の基礎を作り出したノルウェー外務省の陰の存在であり、その基礎調査活動は世界中から関心を集めた。ソ連邦の崩壊によって二大勢力の対立は終焉した。しかし新たに紛争の火種がくすぶり始め、それらは永い年月を経て燃えだした。民族同士の怨念の固まりや宗教対立など、紛争当事者の間では解決の糸口さえ見いだせない状態を続けている。この当事者間に「平和維持」の為のシナリオの基礎原稿を作成する。実際の仕事は現地で対立する双方からの意向調査など地味な、しかし大切な仕事なのだろう。
2:国際貢献支援センター
多摩の知名度を上げる更なるコンソーシアム案として、前記の研究所とともに国際貢献支援センターが自然な形で想定される。
戦後50年、日本は日米安全保障条約のおかげでアメリカの核抑止力を含む強大な軍事力のもとで、平和を享受し経済的繁栄を築いた。その間、在日米軍の軍備費支援とか海外援助等それなりに国際貢献を果たしてきた。PKOやOECDなど人も派遣するようになった。一方、日本の平和憲法は世界で唯一、戦いを放棄しているのである。こうした条件のもとで世界貢献を更に充足させていくこと、すなわちこれまでのように、話し合いの場から閉め出され、「決まったから金だけ負担しろ」式の世界貢献では余りにみじめではないか。日本国民が自ら選んだ積極的な世界貢献をしっかり行い、世界に認めてもらうこと。世界平和はこうすれば維持できるという具体的積極的「知行合一」が、今求められているのではなかろうか。あの北欧の小国ノルウェーが国立オスロ大学付属研究所で行った地道な調査が効を奏してパレスチナとイスラエル和平交渉の糸口、母体を作り上げたことはあまりにも有名だ。現在はあの難しいクルド問題に取り組んでいるという。日本ならばこそ「和平の下ごしらえ」という命題は国民の合意も得やすかろう。またそんな仕事をしたい若者も多くなっている。首都移転で風穴のあく東京に国際的な重要な役割を担う施設を持つことは、東京の地盤沈下を避けるためにも必要だ。かと言って、都市博跡地は駄目だ!大学集積の地−多摩にこそふさわしい!それも大学、企業、自治体、国による一大コンソーシアムとして誕生させるのだ。日本としては、これからも企業による世界進出は続くだろうし日本にとっても必要だ。でも一方で、世界貢献をしっかり行うことも大切だ。それも堂々と胸をはって頑張っていってもらいたい。その支援センターを多摩に作ろう!
日本の国際貢献を多摩地域から全面バックアップしていこう。
6.大学、企業、中央官庁(官)、地方自治体によるコンソーシアム
1:多摩地域地震災害復旧システム
・地震等の災害が起こった時の住民避難誘導システム、災害復旧システム等を充実させる。
カリフォルニアのキューブシステムを参考に、神戸大震災をトレースして理想的な災害時の避難誘導・火災防止・緊急物資配給・仮設宿舎の設置など被災者が安心して生活出来るように「暖かいネットワークシステム」をつくりあげる。役所だけでなく企業や市民の役割分担まで決めておく。さらにボランティアが参加してきたら、何を分担してもらうか、などについても決めておく。
2:法務ライブラリー開設事業(コンピューターによる国内および主要国の法律情報の一元的アクセスサービス)
日本社会がこれまでのもたれあい社会から自由競争社会に変化していくに従って法曹界(裁判官、検察、弁護士)の仕事は多くなる。アメリカのように社会全体が法曹社会になってしまうのはいかがかと思うが、これまでの社会ルールが崩れ、自由と競争、権利と責任が公正に判断されるか否かを求める声が多くなる。社会システムとして最も重要な「法律」の理解と利害の調整にこのシステムは多大な効果をもたらすだろう。
この事業の内容は日本や世界の主たる貿易相手国の法令と裁判例や国などが行う行政実例等の情報を収集、分析し、取り出しやすい状況に加工し、検索や提供に応じようとするものである。
法曹界の業務をネットワーク化、標準化、類別化等使いやすい、価値のある情報にして一般にサービスする。
アメリカでの銀行問題で明らかになったように相手国の法律やルールを理解していないという、考えられないミスが、大蔵省、銀行と双方でおきた。この事業のシステムはこのような事件でも活用できるようなエキスパートシステムとして機能させたい。
日本国内にとっては、行政官がいわゆる「行間を読む」式の分かり難い指導を行ったり、さじ加減とか態度保留等、末端の行政改革を行うために有効な機能となろう。官、学、民、一体的共同作業でなしうる事業だと思う。
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