| 第四章 これからの大学や学生が求める企業の姿 V
具体的に企業の新しいイメージ像をまとめてみると、1〜11のような視点が挙げられる。
1.世界、社会に開かれた会社
閉鎖的、クローズドな仲間同士の間で、不透明、不平等な競争社会を作っている日本型企業社会が世界的非難を浴びている現状から公平、平等の条件の下で透明な企業像、オープンマーケットを世界、社会に開き公正な競争社会へと変革して欲しい。
2.コンセプトが明確でそれにあった活動ができる会社
企業が何を求め何を訴え何を社会に貢献していくのかはっきりと示して欲しい。わかりやすいコンセプトとそれに基づいた企業活動が国内的にも国際的にも優良企業として認められるだろう。
3.発想の原点がユーザーにある会社
ユーザーの為に誠意を尽くし、尽くしている事を社会にアピールしていくことが必要である。
4.日本文化創造等のために貢献し社会還元できる会社
文化事業、福祉事業等に対し理解と協力を深め援助をし、新たなる日本文化創造のスポンサーになり貢献して欲しい。バブル時代の冠イベント(有名な芸術家等のコンサート等)のスポンサーだけでなく、文化や福祉に携わる特に若い人々への支援も必要である。
5.社員個人の個性を伸ばし適正な評価を与えプロフェッショナルを育てる会社
社員個人に責任ある仕事を与え、評価し、ランクづけをし、国際的な個人レベルでの競争力を高めて欲しい。その際、社員の人事評価は多様な面から評価し給与(資格取得者に対する配慮等)面についても留意する。
6.世界に評価される国際的な会社
取引先の相手国の文化を理解し認め、相手国から信頼され、相手国の国民に貢献度を評価して貰える様な国際的な企業に多くの日本企業がなってほしい。
7.大学との交流が深い会社
大学との係わりを深め、人事交流、共同研究、共同開発等多岐ににわたるパートナーシップの関係を築き上げたい。
8.新たな業務領域の拡大に積極的な会社
新しい業務、例えば社会サービス部門、情報ネットワーク部門等の業務の拡大とそれに伴う新たな雇用創出、雇用形態(在宅勤務等)に積極的にチャレンジして欲しい。
9.女性の能力を積極的に活かし男女平等を実現させていく会社
女性の能力の特徴を充分に活かし、能力開発、職域拡大に努め、男女格差による評価を改善していって欲しい。(能力の特徴:優しさ、他人への思いやり、真面目さ、責任感、データベースの構築とメンテナンス能力、女性ならではのアイディア等)また、育児問題(育児後の職場復帰、託児所の設置等)等、職場環境の改善に積極的に取り組んで欲しい。
10.環境、時代の変化に対応出来る会社
環境、時代の変化に応じリストラやリ・エンジニアリングを積極的に行うと共に環境、社会に対する責任と貢献度(環境衛生、資源再生等)を明確に示して欲しい。
11.ベンチャー企業を育成するインフラ作りに協力する会社
ベンチャー企業や非営利組織などを出来るだけ簡単に発足出来る社会システムを望みたい。若い企業家志願者達にとって多くの規制やルールに縛られた日本社会はベンチャー企業や社会的福祉やボランティア組織の認知とか創業の機会を著しく閉ざしている。これからの日本社会の相当な部分はこれら若者達のチャレンジ精神による新しい職域開発に期待するところ大であるからである。
ところで、日本システムの改革は「欧米の社会ルールの模倣しかないのか」。日本及び東洋の文化的基盤は欧米のそれとは全く異なっている。本来その国の社会ルールは歴史、伝統、文化を基本とし、長年にわたって育まれ熟成されて形作られるものである。古来日本は古くから海外の文明を移入し咀嚼し独自の文化を築き上げてきたが、民主主義や自由主義更に自由至上主義経済等の社会ルールは日本を含む東洋には根付きにくい側面を持っており、19世紀後半から日本に押し寄せてきたこの大きな波に対し、我々は独自の解釈によってルール化しようとしてきた。けれども今やその鎖国的防御は崩れかけようとしている。
特に政治経済の分野では世界的共通認識、ルールが大きな文明のうねりとなって日本や東洋に押し寄せている。所謂グローバルスタンダード(世界的標準)なるものがそれである。新しい21世紀の日本はこれを受入れ、新たなる日本文化の創造へと船出したいものである。
|