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大学を考える



大学再生の可能性をさぐる  
  大学コンソーシアム − 18 − [FMICS BIG EGG 1997年6月号より]
by  鈴木健夫
第三章 これからの社会や企業が求める大学の姿

 具体的な提案(つづき)

5.具体的な新しい教育システム・方法

(1)国内、海外への旅行・体験を単位として認める
旅は人生にとって大きなカルチャーショックを与える。
6ヶ月〜1年位の長期旅行を自ら企画し、資金手当を行い(特別ローンも可)、その体験をレポート、討議することにより単位を与える。
評価軸としては、いかにオリジナルな企画やテーマであったか。そしてそれをいかに実行したか。何を体験として自分の中に受け入れたか。

 更に情報をそのテーマに合わせてどうやって入手したか等。最後にレポートはうまくまとまっているか、説得力があるかを評価する。当然旅行中の危機管理についても同様に評価する。

(2)海外(主に中国中心)に姉妹校を持つ

これからの日本にとって中国は大切なマーケットであり、偉大なパートナーでありたい。今後、互いに過去に捕らわれず新しい道をつくりあげる時代である。中国語圏は、東南アジアのほぼ全域がカバーされるので、日・中のつながりをしっかり築き上げれば、東南アジアとも連携が強まる。日本の将来は極東ブロック経済の確立に大きく依存していくことになる。
中国に日本語学部、企業経営学部をつくり、日中の親善をつくりあげる。
現在までに多くの中国人が日本で学んでおり、その人々を中心に再教育を行い、中国に日本語学部や、企業経営学部を発足させ、スタートさせる。
中国の大学と交流を深め交換学生、教職員、大学院生の交換教育をする。

(3)少数教育を充実させる
・私学であれば学費は割高であっても学生数の少ない授業、ゼミを商品化すべきであろう。
・学費はローンを組んで支払いやすくする。
・企業・団体との共同研究で資金を集める。

(4)24時間、365 日オープンの図書館サービス
・研究レポートをつくらせることに主眼をおいた教育を進める。
・留学生にとっても必要な制度となる。
・いつでも図書館が利用出来ることは、生涯学習者にとっても有難い。

(5)研究と教育をはっきり区別する

(6)教育については、しっかりしたテーマ、コンセプト、内容、プログラム、グレード別評価基準を持って実施する。
評価レベルではっきりとその差が現れるカリキュラム体制を整え、それにより、博士、修士、学士号を与える。
社会に送った後のフォローをしっかり行い、必要に応じて生涯学習として受け入れる。

(7)研究については、レポート、論文の数と質を評価の中心に据える。
社会的評価、学会での評価、また現時点では受け入れられない評価(実はこの分野が大切、後の世が評価するケースが多い)についても留意する。
共同研究を奨励し、資金調達を図る。

(8)学生自らが単位、カリキュラムをつくって学ぶ
4年間でやりたいテ−マを選び、その進め方は教職員からアドバイスを受け、卒業まで自由に勉学し、決められたチェック時期とチェックレベルで中間毎に評価を受ける。
4年間でトータル卒論を提出、発表を行う。中間発表、最終発表では痛烈なディスカッションを行い、ブラシュアップする。
大学のみで指導・評価出来ないテーマは行政、企業等の専門家の協力を求める。

(9)スポーツ教育を通じて、自己形成を行う
スポーツは自らをコントロールし、ルール、マナーを守り、他人に気を配る等、自己形成に多くの利点をもっている。したがって、社会人として自立の精神を育むため、従来の体育授業及びクラブとは異なる形でスポーツ教育を行う。
《例》アマチュアゴルフのためのゴルフ教育
しっかりとしたインストラクター、コーチ、責任者、更に附帯施設としてゴルフコースを持つことも(共用でも可)必要となる。
ゴルフが国民から正しく受け止められるためのあらゆる研究、啓蒙、教育を行う。
教養学部のゴルフ学科としてゴルフ学を位置づける。その内容はル−ル、エチケット、プレ−実技、理論、人間工学、人体生理、セルフコントロ−ル、健康と保健、マネ−ジメント等により構成される。

 以上の様に新しい今後の大学像は果てし無き要望となってしまう。とてもこれまでの大学だけで対応出来るものではなさそうだ。そこで、大学が企業、自治体など、取り組むテ−マによって最適なパ−ナ−を選んで共同体、即ち、大学コンソ−シアムによって大学改革を模索することが、本稿全体における私の提案なのである。


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