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大学を考える



大学再生の可能性をさぐる  
  大学コンソーシアム − 16 − [FMICS BIG EGG 1997年4月号より]
by  鈴木健夫
第三章 これからの社会や企業が求める大学の姿

 具体的な提案(つづき)

3.企業及び社会から求められる教育内容

(1)自然科学の発展的充実
 今後の日本が科学技術の更なる発展進歩に後ろ向きであってはならない。環境問題や自然との共生等21世紀には世界の人口が100 億に達すると言われている。日本から先駆的発明発見が次々と世界に発信し得意の応用研究や開発研究によって食料、エネルギ−、地球温暖化、廃棄物問題に新たな文明を拓いていかねばならない。科学技術の深耕なくして日本の将来は有り得ない。その為の専門教育と研究的学問教育の充実が期待される。社会人がテ−マを持って大学の研究室に自由にアプロ−チ出来て研究者として数年間学問研究に打ち込める魅力ある研究室が多数望まれる。

(2)哲学の普及と充実
 21世紀にはこれまでになく哲学、倫理が各学問分野で必要とされる時代となる。社会システムにしても科学技術にしても根本的、根源的な部分が欠落していては何もならない。全ての学問研究は「哲学」なくしては有り得ない。

(3)語学教育の充実
・IB-A(世界共通の語学力検定システム)をしっかり教育できるシステムの充実
・実用語学教育の早急なる普及。

(4)ボランティア教育の充実
・ボランティア活動を生活の一部に出来る人間性と人をもてなすホスピタリティを持つ心を養う。

(5)コミュニケーション教育の充実
・自分の意見を述べ、相手の話を理解し、合意点を築き上げる能力の育成。

(6)情報の収集、分析、意見の確立、表現、発表、実行、評価が出来る教育の充実。

(7)産業の領域区分を新たに認識し、発展させる教育の充実。
・従来の産業区分から新たな産業(第4次産業や第5次産業)や中間領域の産業区分の職域が、リストラ等により生まれる時代となるため、それらに対応できる教育が必要となってくる。

4.これからの日本における大学像 (上)

(1)国際化を追求・発展させるための大学
 これからの日本は、ますます国際化の波をしっかり受け止めてリードしていかねばならなくなる。
そのため、多様な民族の研究、国家の歴史と現状の認識、そこから発生する紛争の火種など国際的な基礎的研究等大学の係るテーマは多い。

(2)言語、風俗、歴史、哲学、芸術などの人文科学、及び制度、法律、経済、社会現象など社会科学の研究

(3)国連大学の充実(国連大学の充実に向けて日本としての役目を果たす)

(4)海外の大学との講座交換、交流

(5)留学生や海外からの優秀な教員を多く保有するための宿泊施設の充実

(6)国際的な交流、学会やコンファレンスの開催

(7)情報化に対応する大学
 世界的な情報化の波は大学においても大きく影響を受けることになる。 情報化のメリット、デメリット、社会の歩む方向などを正しく教育する必要がある。ハイビジョンやマルチメディア、さらには衛星通信や光ファイバーの普及により情報の質や伝達の方法が、経済的にもたやすくつくりあげることが可能になってきている。その中でこれからの大学は、メディアの嵐の中で孤立するのか、あるいは活用して波に乗るのかを選択する時が来ている。                

(8)ニューメディアの活用による既存大学(国内・海外)とのネットワーク化
 例えば、青山学院大学の新しい情報環境と国際共同教育は参考となるだろう。

多様に多彩に繰り広げられる図書館、学術研究論文など研究室毎ののネットワーク化
講座やゼミなどの切り売り、バラ売りの自由市場制度の手段としてのネットワーク化(どれだけ多くのFAX、電話、ニューメディアアクセスのアプロ−チが海外や全国からあったかが研究室の評価に直結することとなろう。)
講座は海外、国内の有効な人気講座を相互にメデイアを活用して受講出来る。

(9)地域経営の核として自覚・推進していく大学
 これからの日本はますます知識集約化、高度情報化していくことが予想される。その時大学は中央官庁、地方の行政、地域住民を知識、情報の面でサポートし、企業と共に地域発展に寄与できるように変革、推進して欲しい。

単に理工系だけでなく人文科学(感性の部分)や社会科学(社会システムの部分)の分野も地域経営の核となる必要がある。

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