| 第二章 大学(教育)をとりまく諸問題
日本にもエリート教育が必要だ(下)
日本でも欧米並みのレベルのエリート教育を行い、また欧米の優秀な教育を受けた若者を日本の社会が種々な場面で受け入れ、そうして生まれたエリートがリーダーとして成長を続けていけるなら(社会システムの一部をとりかえることを前提とする)日本の将来は明るい。なぜならそのような社会はこれまでに培ってきた日本的物づくり社会にプラスして欧米流知恵づくり社会に近づいていると思われるからである。もちろん、最終的には、日本的知恵づくり社会を確立し、世界に認められるように実績を築くことである。
先頃の大和銀行ニューヨーク支店問題なども各支店員に欧米の教育を受けた人たちがしっかり組織づくりできていたらと思うし、大蔵省にも欧米留学のエキスパートが銀行の不祥事をチェックしていたらと悔やまれる。いずれもこれから是非とも改革が必要な分野の典型である。自由化を進めれば、当然世界的普遍的ルールやシステムで行わないと大きな誤解や摩擦を生むことになる。明日の日本をリードする人たちを育てるためのエリート教育手法の一つがIBシステムである。
ジュネーブに本部を置くこのIBシステムは世界各国の言語で共通レベルの教育を行うことができ、世界の大学受験のためのエキスパートシステムの一つであると言う。何故か日本だけがこの国際化の中でIBシステムを取り入れていない。わずかな高校や大学ですら行われていない。一方、IBシステムを取り入れているインターナショナル校は日本にあっても日本政府からは何の補助もないが、また何の制約も受けていない。私費で賄うのが前提だから、当然小学校から高い授業料となっている。しかしその財産はすぐれた教育システムーIB
システムなどに支えられている。
生徒の一人と話してみると考え方がしっかりしていて日本の子供と比べてはるかに大人である。教育方針の違いは、憶えさせる教育と、考えさせて自分なりの意見をつくりあげる教育にある。
最近、東大は世界の大学ランキングで77位であるという発表があったようだ。このままの教育を続けていたら日本沈没は免れない!日本の皇族にも欧米のエリート教育を受けた「オヨメサン」が必要だと宮内庁は認識しているのに何故文部省は理解できないのか。政治が一点突破せねばならないところに来ていると思う。21世紀の日本を明るく展望するなら、世界一の物づくり(ロボット化の普及)社会に加えて知恵づくりでも欧米に敗けない社会でありたい。
IBシステム導入後の具体的イメージを描いてみると
| 1. |
世界中どこの国からもIBシステムの日本語教育を受けた学生が、日本の大学に新たなテストを受けることなく入学出来るようになる。例えば国内の国際校からもIB日本語のレベルに応じて評価され入学できる。 |
| 2. |
IBシステムを導入した高校や大学からストレートに世界の大学や大学院に入学することが出来るようになる。もちろんハーバードやオックスフォードであれば、それなりのIBレベルを持っていないと無理な話ではあるが。 |
| 3. |
日本の大学が学生選抜にIB−日本語、IB−英語システムを導入すれば、現在の教育問題のかなりの部分が解決するだろう。IBの評価システムは毎週、毎月の学校でのテストやレポートを基にしていて、評価基準が統一されている。結果として、今のような入学試験そのものが無くなり、生徒から大学に送られる書類により選抜が行われるからである。 |
このように日本だけがいつまでも教育的鎖国をしていないで、世界各国と同じレベルまで市場開放、規制緩和せねばならない時代であることを早く皆が認識することである。
どこの国も教育は、その国の文化の最も基本的な問題である。だから教育内容を無理に変える必要はない。そうかと言って日本は日本以外の教育システム、レベルを認めないというのは貿易不均衡と同じで許されることではない。
|