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ホームセミナー:セミナー報告総合学習セミナー:中村学園三陽版デジタルアースの世界



先日福岡の中村学園三陽中学高等学校で、慶應義塾大学SFC研究所で開発中の「デジタルアース」というGIS(地理情報システム)技術を使った実験授業の報告プレゼンテーションセミナー「総合学習セミナー2000」が行われた。

■ デジタルアースに秘められた可能性

 半年間に及ぶ実験授業の研究テ−マは「福岡市におけるヒートアイランド現象の研究」。あらかじめ仮説をたてた上で、生徒たちはそれに沿っていくつかのチームに分かれ、あるチームはヒートアイランド現象について、またあるチームはそれを解決すると思われる保水性セラミクスについて、というようにそれぞれデジタルアースを使い研究を重ねたという。地球上の人口や気候などの緻密な地理データを編集したデジタルアースは様々な条件をシミュレーションでき、彼らの研究を効率的に進めたようだ。

 しかしデジタルアースは単なる地理データではない。「GISノートを用いた身近な地域の調査」というテーマで生徒達のプレゼンテーションに先立って話されたセミナースピーカーの一人、慶應義塾普通部の太田先生は、授業の様子の紹介とともに「地図学習」の可能性についてこんな話をしている。

 普通部で実際に行われたフィールドノートというモバイルGISを使った学習。まず生徒は街を歩いて色々な情報を集め、画面に記入してゆく。例えば、ある子供は街の段差や放置自転車の数を、又ごみ問題に興味がある生徒はカラスの分布を、というように。そしてそのようにして集められた全員の生徒のレイヤーを重ねる。すると次のように情報が全く別の意味を持って浮き上がってくるのだ。

 「カラスが多い地域の周辺には、生ごみが多く、そしてそこには若者がたむろしていることが多い。近くにはコンビニがあり、放置自転車の数も多くなる。」

 生徒達はそこに隠されていた意味を、大きな驚きとともに知ることになる。自らがデータを入れ身近な環境を地図化することによって、コミュニティの成り立ちや性格を学べるこの授業は、単なる地図学習を超えて、パラダイムシフトのための新たな視点を子供たちが得ることになるのだ。

 そしてもちろん今回中村三陽で行われたデジタルアースを使った授業も例外でない。
ヒートアイランド現象を引き起こしていると見られる様々な原因を地図に起こし重ねることで、人々の生活をからめて問題を多角的に捉えられたようだ。
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