Workshop Report
教師のための自己表現セミナー&ワークショップ


13:45 自己表現実習

今まで、すべての実習をペアになり1対1で行ってきましたが、いよいよこのセミナーの最終目標、全員の前での自己表現、「30秒プレゼンテーション」です。このセミナーではじめて参加者全員で輪になって行います。

佐々木:皆さんはじめる前に今までやってきたこと、良く思い出して下さいね。「伝える」ことと「伝わる」こと、どうですか大丈夫ですか?さぁ!それでは、ここにいる全員で大きな輪を作りましょう。さぁ、皆さん移動してください。

椅子を持って移動し16人全員で部屋全体に広がる大きな輪を作ります。輪ができ、皆さんが席について落ち着くといよいよ開始の合図です。

佐々木:それでは30秒プレゼンテーションをはじめましょう。順番は自由です。もし次の人が出ない場合は盛大な拍手を続けなければいけないというルールです。拍手の意味というのも大きいのですよ。では、時間を意識しなくては行けないということで、まずは私から30秒プレゼンテーションをさせていただきます。それでははじめます。

盛大な拍手の後、「全員起立!」と佐々木講師から声がかかり、皆さんが立ち上がります。「20秒間黙祷!」しばし沈黙の後、「はい、プレゼンテーション終了。」と佐々木講師。皆さんふいをつかれて驚きの笑い声があがります。時間の長さの体感と共に緊張がほぐれる佐々木講師ならではのプレゼンテーションでした。

続いて再度盛大な拍手の後、勇気あるお一人目の方からお話が始まります。このセミナーの感想を語られる方、ご自身のお仕事について語られる方、学校教育について語られる方、ご家族について語られる方、大好きな詩を朗読する方、人と同じように1つひとつ自己表現の形は違います。プレゼンテーションは拍手をはさみ次々と途切れる事なく続いていきました。
皆さんの自己表現の一部をご紹介します。

Aさん:「教員をしております。言葉で引っ張っていく教師です。長男が中学の時すごく苦労しました。でも今は立ち直って医者としてがんばっています。今回はいっぱいの成果をいただきました。ありがとうございました。」

Bさん:「最近少子化で子どもが少なくなっているんですが、私は4人作りまして、なんとか学校を救おうと思っています。今後ともよろしくおねがいします。」

Cさん:「私は中学生の時いつも顔が怒っていると友達に言われました。これはいけないなと思って、それかはら笑顔でいて皆さんに元気を与えられたらなということを心がけています。そんなわけで笑顔で終了させていただきます。」

Dさん:「ずっと人を意識する仕事をしてきました。そのために自分自身を磨くということ、そのために何が必要なんだろうと思ったとき、ある人から自分を信じるという意味の『自信』という言葉をいただきました。」

Eさん:「こんにちわ!生きることって幸せな事ですよね!」

Fさん:「私は運動が得意ではないのですが、実はフルマラソンに2回程参加したことがあります。今年もまた申込み期限に間に合いそうなので参加したいと思っています。その時には是非お声かけますので応援に来てください。」

Gさん:「わがままな参加の仕方でしたが温かく迎えていただいてありがとうございます。昨年も来させていただいきました。私も自己表現なかなかできないのですが、子ども達にとっても難しい事。今日私がしていただいたように助けていきたいと思います。」

Hさん:「昆虫が好きなのですが、実は昆虫よりももっと好きなものがございまして、それはきのこなんです。でも昆虫よりもきのこよりも実は下ネタの専門なんです。あんまり変なヤツだと思わないで受け入れてくださいよ。」

Iさん:「今私の隠れたマイブームは、はにわ作りです。何千年前の人が作ってきたはにわを何で私にはうまくできないのかと悩んでいるんですけれども、作品が11月に焼きあがるので楽しみにしています。」

ここにきて30秒がとても短く感じられます。伝える事、伝わる事、それぞれの表現手法をもって挑んだ30秒プレゼンテーション。通常ならはじめに自己紹介で自分の事を語るのですが、このセミナーでは最後にはじめて自分の事を語ります。皆さんとても話したくてしょうがなかったのでしょうか、終わった方の中には、やっと話せてスッキリした、そんな表情さえ伺えた気がします。
「自己表現が苦手」という意識から苦手か得意かではなく、「自己表現がしたい」という大きな心の変化が生まれているようでした。
 
参加者全員で輪になっていよいよ30秒プレゼンテーションのはじまり。 まずはじめは佐々木講師自らプレゼンテーション。
大好きな詩を朗読してのプレゼンテーション。 聞く側も興味津々に真剣に聞き入ります。
ギャグを交えた自己表現に笑い声がひびきます。 自分の得意分野について紙を見せながらプレゼンテーション。


14:15 レクチャー 「“かけがえのなさ”の自覚から“表現”へ」

佐々木:実習を行ったら講義という形で進めてきました。ここでも講義をさせていただきたいと思います。この実習→講義という事、経験して理論ということはどういうことかというのも考えてみてくださいね。

さて、いつも私が講演をした後、最後にお話させていただいている話があります。最近よく流行りの言葉で『ナンバー1よりオンリー1』という言葉がありますが、実はこれ10年くらい前からずっと言われてきているんです。さて、資料を見てください『「かけがえのなさ」の自覚から「表現」へ』というタイトルがついていますね。この「かけがえのなさ」を考えていきましょう。

いままで語られてきている『ナンバー1よりオンリー1』的考えでは、ナンバー1を否定していますが、佐々木講師はナンバー1は否定するものではなく、『オンリー1なきナンバー1』からの脱却が必要なのだと語ります。比較の中の1番という意味だけで未来へ従属する近代的教育観の象徴である「ナンバー1」ではなく、かけがえのない自分、未来ではなく今ここにいる自分を見据えた「オンリー1」教育、<自己実現>的教育観への転換が必要だと訴えます。

そして「オンリー1」教育のポイントとして、従来の教育方法で培われてしまった、自己否定から始まる学習の動機から発想を転換し、自分自身を直視して自分自身を愛する事ができる力『自己肯定力』を育む事。現代の情報化社会で子ども達から失われている五感を取り戻し、五感をフルに使ったコミュニケーション能力、『他者感受力』を育む事。さらに、かけがえのない自分を持って自分のために一生涯、学びつづける意欲と態度、そして習慣を持つ『一生涯学習力』を育む事の3つを挙げられました。

さらに、このことは従来の教育観で育ってきた我々大人も今だ「未完成存在」だと自覚し、「大人こそが自己変革する時代」である。かけがえのない自分「オンリー1」をまず大人である自分達から実践して子ども達に見せてあげて欲しいと参加者全員に語りかけレクチャーが終了しました。
 
実習の後はレクチャーです。 『ナンバー1なきオンリー1』教育への転換を熱く語ります。


15:45 自己紹介/挨拶  終了/解散

レクチャー終了後、もう一度参加者全員で輪になり一人ひとり感想を話します。時間制限が無いせいか、先程の30秒プレゼンテーションよりもよりリラックスした状態でお話が続いていきます。全員のお話しが終わると1泊2日のセミナーはその幕を下ろしました。
終了後、参加者の方々は誰からともなく中央にかけ寄り、握手を交わして「ありがとうございました。」と声をかけあっていきます。1泊2日という短い期間でしたが、自己表現という課題を通してひとつになり、非常に濃い心の交流があったことを物語っているようでした。
 
 
今回のセミナーの感想を一人づつ話していきます。  
終了した後、誰ともなく皆さん握手をし合い別れを惜しみました。 非常に濃い心の交流がされたことを伺わせます。
     
   


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取材:NTS教育研究所




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