Workshop Report
教師のための自己表現セミナー&ワークショップ


13:00 野外フィールドワーク 「命と五感」

午後からはツインリンクもてぎ内の施設、ハローウッズで野外フィールドワークを行います。自然案内のプログラムリーダーを努める、ア野隆一郎氏が案内して下さいました。
ア野氏は、約1ヶ月間の「ガキ大将キャンプ」の真っ最中で、この日も子ども達と太平洋を目指して歩いている途中に駆けつけて下さったのだとか。


ア野:このハローウッズには、どんぐりのなるクヌギやコナラなどの雑木林が拡がってり、森では、豊かな生命と交流のドラマが繰り広げられています。自然を通して子ども達、大人達が人間として語り合う色んな形の中で、今日は皆さんに我々が普段やっている事、またこれからやっていく事のいくつかご案内させていただこうと思います。目で見、肌で触れ、匂いをかぎ、生き物の声を聞き「五感」でありのままの自然を体験していって下さい。では、さっそく森の中に入っていきましょう。

ア野氏のご挨拶の後、さっそく森の中へ。森を散策しながらたくさんのポイントで自然や生命にまつわるエピソードが語られていきます。ここでは、その中からいくつかをご紹介します。

クヌギの木
ここに生えているクヌギは、何もカブトムシが多く集まるようにと植えられているのではありません。昔、ここで炭作りが盛んだった頃、炭としての価値が高かったためクヌギが多く植えられたのだそう。すべて経済という観点で森はなりたっているのだとか。昔は、学校でもクヌギの苗木を育てそれを森に埋めており、学校も経済と社会の一旦を担っていたのだそうです。

萌芽更新(ぼうがこうしん)
60年位になる木だそうですが、あまり大きくありません。それは萌芽更新によって世代交代しているからだそう。この世代交代の際、はじめは母樹が腐った養分を吸い新しい樹は生きていくのですが、その後に自分で根を張って養分を吸う努力をしなくては枯れてしまうのだとか。人間と同じく森も世代交代、そして自立を繰り返しているのです。

きのこの菌糸
きのこは、目に見える部分は本体ではありません。木に打ち込んであるほんの小さな菌糸が本体なのです。人間が生きていく際にも目に見えない所に本体がある事は往々にしてある事です。目に見えない本体にいかにして気付くかが大事であると、きのこの菌糸を通し子ども達に話すのだそうです。

斜めに立つ木
斜面に対して斜めに複数の枝を出しながら立つ木があります。この木は、木の成長と共に上の枝の重さでだんだん斜めになっていくのだとか。それを修正するために新しい芽が出てまっすぐ立とうとするのだそう。生き物すべて工夫しながら生きていっている、このように風景にはすべて意味があり、説明できない理由の無いものはないとお話しは続きました。

微生物で分解する森のトイレ
微生物で汚水を分解しているトイレがあります。微生物といっても一種類では無く、大勢の菌が入っているのだとか。学校で言えば出来る子もいれば出来ない子もいるのですが、その全てがいないと様々なものが含まれる人間の汚水は分解できないのだそうです。1人1人では成し得ない事も群れでやれば出来る事があると微生物から学ぶ事が出来ます。

この他にも、「ぐるぐる広場」やカエルの沼、棚田などを見学しました。先生方も野生の山椒やミヤマクワガタを発見しながら楽しく森を進みます。
最後にア野氏からこんなお話しがありました。


ア野:今、「ガキ大将キャンプ」で子ども達と1ヶ月間共にし感じる事があります。それは、今の子ども達は、自分のカラを出ないし、出ようとしないという事。僕達が子どもの頃さんざんやったケンカもしない。自分の事しかできないのではなく、しないのです。裏ではああしたら良い、こうしたら良いと思っていてもリーダーシップを取ってみんなに伝えられないんです。もっとカラを破って何でもやってみて欲しいと願っています。

約2時間、色々なお話しを交えながらハローウッズを散策した後、再びホテルに戻って休憩します。
 
ハローウッズ
ハローウッズを案内して下さった、ア野隆一郎氏。
コナラや赤松、クヌギが茂る森を歩きます。道脇には、しいたけの苗木も。 もぐらを集める実験中でこの枠の下にはミミズがたくさんいるのだそう。
森のトイレ。この中で複数の微生物が汚水を分解しています。 三角形で構成された観察ドームにはたくさんの昆虫が集まっています。
自然にマッチするという三角形で構成された空中に浮かぶ円形のツリーハウス。 はしごを使って中に入るとこの様になっています。ア野氏曰く、「思考するタマゴ」。
「ぐるぐる広場」。童心に返り、上からと下からで競争しました。 ミヤマクワガタのオスとメスを発見。先生はとてもうれしそう。


16:00 実習&レクチャー「自分探しと自己表現」

ホテルに戻りしばし休憩した後、会議室に戻ってレクチャーが再開します。

佐々木:では、さっそくですが実習をやってみましょう。ワークシート1をお配りましたが、今欲しいもの、今ここで欲しいものを率直に書いていただきたいんです。正直に書いて見てください。最低5個以上、出来るだけたくさん書いてください。

ワークシートには、『 〔  〕は、〔    〕が欲しい。』という文字がたくさん書かれています。スラスラと書かれている方もいれば3つ位で止まってしまい悩んでいる方もいらっしゃいます。
ある程度皆さんが書き終わった所を見計らって、佐々木講師からその中で1個だけ選ぶようにと指示が出ます。

佐々木:それでは、今ここで24時間あなたを監禁します。この部屋に24時間監禁されたあなたが欲しいものは、今選んでいる物と一致しますか?きっと違いますよね。昔、午後1時台におこなった時は「睡眠」が多かったのですが、午後5時台になると「食べ物」が一気に増えます。だいたい欲求というのは、次の3つに分けられます。
[ To have(持つ) → To do(する) → To be(なる) ]
まず「〜を持ちたい」という欲求があって、それが満たされると「〜をしたい」に変わってきます、またそれが満たされると「〜になりたい、〜でありたい」というように、「欲求」とは段階を経るものという考え方なのです。

ここで資料が配られ、マズローの欲求階層論についてレクチャーします。


マズロー:「欲求階層論」

マズローの欲求階層論は、参加者の中でも知っている方も多く、有名な物ですが、これを単なる知識として持っているだけではなく、きちんと自分の体験と結びつけて考えて欲しいと佐々木講師は続けます。また、欲求というのは段階で経るものであり、その段階は、「悩みの段階」であるとします。

マズローの欲求階層説を体験として理解した後、その欲求の段階を踏まえ欲求からくる人の「活動の形態〜入力・出力・交流〜」に移ります。



佐々木英和:「生涯学習の活動形態 〜入力・出力・交流〜」

ここから、たくさんの実習に取り組みます。配られたワークシート2には、『 〔  〕は〔   〕。』という文字が並んでおり、自分について書き込んでいきます。皆さんのワークシートには、「私は、サラリーマンだ。」「オレは、よく食う人だ。」など記入されています。書き終えた後、記入した事が「過去」「現在」「未来」どの時点の自分なのか、それが「+」「−」「0」の内容なのか確認していきます。

次のワークシート3には、『〔  〕と見られたい。』、『〔  〕と見られたくない。』 2つの事柄について記入します。
多くの実習に取り組む中で、自己認識をチェックしていきます。

自己認識をチェックした後は、なるべく知らない人とペアを組み、互いの印象について話し合います。また、それが終わると再度ペアを組み、今度はその人の人生を想像し話し合います。
まだ知らない部分を探り合うこの実習は、笑い声が絶えず、互いのコミュニケーションにもなりすっかりほぐれた空間になっていきます。


この後、人は、「パブリックな部分」(自分が分かっていて他人も気付いている)、「プライベートな部分」(自分では分かっているが他人は気付いていない)、「盲目の部分」(他人は気付いていて自分では気付いていない)、「潜在意識」(自分も他人も気付いていない隠された部分)という4つの側面を持っているのだという「ジョハリの窓」のレクチャーを通して、自分にしか見えていない自分と、他者から見えている自分など様々な角度から「自分」というものを見つめ返していきました。
 
すぐにワークシートに取り掛かります。 欲求、人の行動を解説します。
自分の欲求を周囲に見せ、どちらの欲求が上か、勝ち負けを決めるゲームを...。 ワークシートで自分を見つめ直したら他者からの自分を体感します。
面と向かってまずは印象について話し合います。 実習→講義、実習→講義のスタイルで進行します。
名前もまだ知らないのに、相手の人生を想像し話します。笑い声が絶えません。 「ジョハリの窓」が登場し、自分と他者についてもレクチャー。


17:50 実習&レクチャー「自分史と向きあう」、チームづくり

ワークシート4が配られます。
◆ワークシート4
過去
現在
未来
昔の〔  〕は、
〔    〕だった。
今の〔  〕は、
〔    〕である。
未来の〔  〕は、
〔    〕だろう。
〔    〕だった。 〔    〕である。 〔    〕だろう。
〔    〕だった。 〔    〕である。 〔    〕だろう。
〔    〕だった。 〔    〕である。 〔    〕だろう。

これまでの実習で、自己認識チェック、他者からの自分の印象、他者と自分を体感した後、もう一度深く自分を見つめていきます。先程までの賑やかなムードとはうって変わり、皆さん黙々と静かに記入していきます。

佐々木:「一番古い記憶は何歳の時のものですか?」、「子ども心をいつ失いましたか?」、「サンタクロースはいつまで信じていましたか?」
佐々木講師から、
過去を振り返るきっかけとなる様々な質問が投げかけられます。

子どもの頃を振り返った後に、自分史そのものであるとも言える、『名前』を明かしていきます。互いに自分の名前の名付け理由や名前への想いを自己表現していきます。その後、相手の名前を誉めあうという実習を行いました。
とことん自分に向きあい「自分の大切さに気付いていきます。

実習の後、ここでいよいよチーム分けを行います。パートナーを自由に探しペアになって2人づつのチームを作ったら、まず初めのチーム作業としてチーム名を決めます。

各チーム名は、下記のように決定!
A
ドリームペアー
E
B
マリリン
F
マキコとムネオ
C
ムーミン谷のゆかいな仲間たち
G
あんパンマン
D
松たけ
 

その後、まだ内容は明かされていませんが、明日行われるプレゼンの発表順を人気投票で決定し1日目は終わりました。

実習&レクチャーを終えたら、参加者の方と講師が直接コミュニケーションの取れる夕食の時間です。この場もプログラムの一部として位置付けられており、社会教育ならぬ「酒会教育」として皆さん大いに交流を深めていらっしゃいました。
 
休憩の後、今度は1人じっくりワークシートに取り組みます。 ここでついにお互いの名前を明かします。
チームのペア探しにウロウロ...。 チームとチーム名が決定し、1日目は終了です。
     
   


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取材:NTS教育研究所




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