「時間」の体感とともに、参加者の皆さんの自己紹介やアイスブレーキングを兼ねた出会い実習の後は、再びレクチャーに移ります。
佐々木:「伝えること」「伝わること」のお話しなんですが、コミュニケーションって難しいんだなと思っている程、実は、うまくコミュニケーションができるんです。難しいって事を前提にしてないときちんと聞けないんですね。「高度情報化時代の自己表現」というお話しに移りたいと思います。
少し前でも学校では大人しいが、家に帰るとうるさいというような環境による人格の変化はありました。最近では、それに加え、普段話さない子がパソコンの中ではとてもおしゃべりになるというように、新しいメディアによって人格が変わるという現象がおきていると佐々木講師のお話しは続きます。
新しいメディアが続々と登場し、コミュニケーションが多様化しているのだと、コミュニケーションの形と特徴が挙げられました。
|
話を聞くこと
|
本を読むこと
|
|
耳を使う
相手のペースに合わせる
1回限り
|
目を使う
自分のペースで
反復可能
|
|
話をする
|
文章を書く
|
|
口を使う
1回限り
|
手を使う
反復可能
|
|
コンサート
|
レコード
|
|
体を使う
1回限り
集中
|
耳を使う
反復可能
ながら
|
|
舞台
|
映画
|
|
1回限り
|
反復可能
|
|
最近の学生は、話すことや聞くことよりも、文章を書く事の方が得意になってきているのだそうです。
こうしたメディアを、佐々木講師は、大きく会話型メディアと手紙型メディアに分けて考えています。ここで佐々木講師から質問が飛びます。
佐々木:みなさんは大切な事を相手に伝えなくてはいけないとき、何で伝えますか?
直接会う方、電話をする方、手紙を書く方、携帯で電話をする方、メールを書く方、携帯でメールを書く方、と順々に聞いていきますが、ほとんどの方は「直接会う」に手があがります。しかし、学生に同じ質問をすると「携帯電話のメール」が圧倒的に多く、近年大きな変化が見られる点だそうです。
佐々木:携帯電話は人間の人格を根本的に変えてきています。携帯電話とは、いつでもどこでもだれとでも繋がると言う事。いつでもどこでもだれとでも交換できちゃうということなのです。容易に交換できてしまうということは、自分がいつ交換されるかもしれないという恐れや警戒心があります。コミュニケーションの主体が携帯電話になってきて「つながり依存症候群」という状態の今の子ども達は、自分がかけがえの無い存在だということを実感しにくい状態だということを意識して欲しいんです。
この後、つながりを実感したがる子ども達の「つながり依存症候群」の具体的なエピソードを交えた、佐々木講師流の言葉が数多く登場します。
佐々木:最近の学生をみていると恋愛現象が二極化していることに気付きます。まず1つ目は、「タコ足恋愛」。ひとりになるのが怖いので、保険を置いておき、いつでもどこでもだれとでも繋がってなきゃいけないと思っているんです。恋人と友達の区別がつかなくなったなんて相談を受けたりもします。これは、1割位なのですが、では残りの9割はというと、「他の男としゃべったら浮気でしょ?」などと言うくらい、独占的な関係の「タコ壷恋愛」。とても女性は器用だと思うのは、この「タコ足恋愛」と「タコ壷恋愛」を同時に進行しちゃう人もいますね。
さて、話しは変わって、電車に乗りますよね。そうすると私の前にうら若き乙女が座っている訳です。すると鏡を出しました。皆さんも良く見た事があると思いますが、何をするかと思えばお化粧をはじめちゃったんですね。僕なんかの考えではお化粧って人前でやるものじゃないですよね。しかし、彼女にとっては、周りの私たちは、風景に過ぎないのです。その彼女も途中で知り合いが乗ってきたらパッと隠すようにお化粧をやめました。これはどういう訳かというと人間とモノの区別がつかない。自分の知らない周りの人は、彼女にとってモノなんですね。「モノ感覚」なんです。この感覚というもの色々考えなくてはいけないのです。この基本は5感です。ここで少し、5感を感じてみましょう。
この後、聴覚を使うため目をつぶり耳をすませて部屋にある音がいくつあるか指折り数えたり、視覚を使って部屋にいくつの色があるのか数えたり、臭覚で臭いを感じる等、体感ワークを全員で行いました。
体感ワークを行った後、ペアになりここまでの感想を30秒ずつ話し合います。「伝え方の方法がたくさんある事に気付いた」、「色々な話しを聞くうちに自分がとても偏っているうちに気付いた」等の感想が出ています。
1度感想を言い合った後、再度感想を言い合うのですが、今度は電気を消し真っ暗闇の中で話しをします。
佐々木:さて皆さん、どちらの方がやりやすかったですか?暗闇ではやりにくかったですよね。気付きましたか、コミュニケーションというものは自動的に全身で5感でアピールしてるものなのです。今、やりにくさを感じたその5感をすべて奪われた状態でやるのが、今の情報化時代のコミュニケーションなのです。どんな状態で今の子ども達がコミュニケーションしているか分かりましたよね。だから、体感することは重要なのです。
体感ワークで情報化時代のコミュニケーションを実感し、レクチャーは終了しました。この後、昼食をとりツインリンクもてぎ内のハローウッズで野外フィールドワークを行います。
|
|
|
|
|
| 出会い実習で肩の力が抜けたらレクチャーです。 |
学校でも重要なコミュニケーションについてのお話し。 |
|
|
|
| ホワイトボードに次々とキーワードが並んでいきます。 |
部屋の中にある色を指折り数える体感ワーク。 |
|
|
|
| ペアになりここまでの感想を言い合います。 |
暗闇でも同じように会話し、5感を失う状況を体感しました。 |
|