Workshop Report
教師のための「真の学力」のベース作りを考えるワークショップ


11:00〜 セッション(4) リラクゼーション体験

途中15分間の休憩をはさみ、次のワークショップがスタートしました。

亀口:粘土を使って物・形を作るということから、今度は自分自身にイメージを向けてリラクゼーションのイメージを体験していただこうと思います。一回家族から離れて、みなさん集まってください。

参加者の皆さんは椅子を持ち寄って円を作り腰掛けます。

亀口:みなさん楽にして下さい。目を閉じてしばらくそのままです。呼吸に注意してください。普段呼吸を意識する機会はあまりないと思います。腹式呼吸をゆっくり繰り返して下さい。息を吸って〜、吐いて〜。ゆっくり繰り返します。

会場に参加者の「すーっ」「はぁー」という呼吸が広がります。続いて全身をリラックスさせ体の緊張を解いていきます。亀口先生のソフトな語り口に皆さんかなりリラックスされてきたようです。

基本的な「リラックス」をつかむ感覚が体験できたので、次はリラクゼーションを体験することになりました。動物の家族が登場してくる、「動物リラックス」を行います。亀口先生がゆっくりと話し始めます。

亀口:自分の役割に入って、例えば母親だったら、母親の役割になってリラックスしてみてください。

草原に動物の家族がいます。
草をはんだり寝転んだり。リラックスしています。
のどかな風景です。
すると、上から檻が落ちてきて閉じ込められてしまいました。
動物達は驚いて慌てています。
なんとかしようと動物達は動き回っています。
そこに一箇所出口が見つかり、みんなそこから出て行きます。
ホッとしました。
解放されて草原に出て行きます。

それでは、目を開けましょう。3、2、1


パンッと亀口先生が手を叩いて、リラクゼーションが終了しました。その後、何を想像したのか参加者同士で話し合いをします。

「何を想像しましたか?」
「草原といわれた時に、アフリカのサバンナを想像してしまいました。」
「僕はライオン。」
「私はウサギ。」
そのほかにも、鹿・馬・キリン・牛・リス・オランウータンなどさまざまな動物を想像していたようです。

「出口が見つかったときに、誰が最初に出て行くのだろうと考えました。出口を通るとき、“まず奥さん、次に子供達”と考えた。そこにはおばあちゃんはいなかった。危機的状況になったとき、奥さんを助けるのかなと思った。何ででしょうね?」父親役の方の意見です。

亀口:多分、みなさん初めての体験だったと思うのですが、動物がイメージできなかった方はいらっしゃいますか? 時々何も思い浮かばなかったという方もいるんです。同じ体験をしても、人はそれぞれ好き勝手に思っています。精神的な活動にはいろいろなバリエーションがあるということがわかりました。
 
初めて行う「リラクゼーション」を、亀口先生は優しく説明してくださいます。 みなさん、かなりリラックスしている様子です。
みなさんの「はぁ〜」という呼吸の音が響きます。 草原にいる動物をイメージします。
自分のイメージを他者と共有しました。 初めての体験だけに、いろいろな質問が飛び出しました。


13:00〜 セッション(5) 夢の構想発表・講義・まとめ

お昼をはさんで、後半のワークショップがスタートしました。

亀口:まず、家族の問題について話し合ってください。今回は役割になって話し合うのではなく、その役の気持ちを本来の自分に戻って代弁してあげてください。

「娘としては、気持ちをわかって欲しい。この家は他に比べて縛りがきついと思う。」(チームC)
「この家は父親が公務員、母親が学校の先生と堅い仕事の家。祖母はそこを中和するバランスの良い息抜き的な存在なのかな。」(チームC)

役から少し離れて、家族を客観的に見つめることで、いろいろな問題が見えてきたのでしょうか。世代や役を超えて問題を解決しようと活発な意見交換が行われました。

亀口:家族の問題がある程度出て確認できたところで、今度は家族の夢を考えてみましょう。そしてその夢を模造紙に表現して発表してください。

それぞれの家族のテーブルにマーカーやクレヨン、模造紙が配られ、家族全員で夢をイラストにしていきます。描き終えたら、発表します。

《チームA》
父親が家族全体を支えていて、母親は一家の中心ということで、りんごで象徴。おばあちゃんはみかんでりんごを支えている。中学生の長女は自分の夢を発見しようとしています。高校生の長男は、カメラマンになるという夢があるので、父親の支え家族の支えで夢を達成しようと。
山田家の問題ってなんだろうという話しになったとき、父と母のコミュニケーションが成り立っていないというのが問題だろうということになりました。でも、やはりお父さんはあまり家族の中に入れない。それなので、お父さんはイラストのお皿の支柱のように「家族の夢を支える」のが夢かなと思ってこういう風にしました。

《チームB》
「独立心が芽生え始めた孫達と、面倒を見つつ、母親と父親の役をやっているお母さん。離婚したので老夫婦の家庭に飛び込んできた。」というシチュエーションでした。
問題としては、お母さんにみんな遠慮していること。子供達は自立心旺盛なのですが、お母さんに気を遣うところがある。お母さんが自分の生き方ができるようにしたほうがいいのではないかと。家族としての共生と個人の自立ということを考えて家を建て替えたらどうかということで、みんなで考えました。「コミュニケーションのバランスが取れる家がいいね。」一つの解決策として提案しました。

《チームC》
このチームの問題として出てきたのは「家族であまり話し合いがない。お父さんは養子に入ってイニシアチブがとれない。
お母さんも小学校の先生という仕事があるので、家族とはすれ違い。息子は進路で悩んでいる。娘は中学校で少し家庭から離れ気味。おばあちゃんは家に居場所が無いので外に出歩いていて寂しい。」ということ。
家族で話し合う時間が取れればいいのかな。それだったら家族旅行に行きましょうということで、おかあさんの好きなスペインに行こうという夢になりました。


最後に、亀口先生が教鞭を取っておられる東京大学附属高校で実施されている「キャリアカウンセリング」の実施例の紹介があり、1泊2日のワークショップは終了しました。

 
自分達の家族の思い入れが強くなったのか、問題点がバンバンでます。 一つ一つの質問に対し、真剣に考えて答えている姿が印象的でした。
問題点がクリアになったところで、家族の夢を考え、表現していきます。 個性溢れる表現方法ですが、うまいぐあいにまとまるのです。
チームBは夢を下書きしてから模造紙に書き込むという綿密さ。 各自の部屋はそれぞれが書き込んでいきます。
各チームの発表を楽しそうに聞かれていました。 各チームの発表を聞き、現代の家族の問題点や夢の一端が垣間見れたと思います。
     


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取材:NTS教育研究所




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