Workshop Report
教師のための「真の学力」のベース作りを考えるワークショップ


9:00〜 セッション(2) ファミリーロールプレイ

2日目のワークショップが始まりました。会場は昨日と同じホテルツインリンクの会議室。昨日作った家族単位で席につきます。

亀口:今日は始めに、非常に短いイロールプレイをしましょう。昨日作った家族の役割で、合図をしたら始めてください。設定は、日曜日の朝、ご飯を食べ終わった後にしましょう。5分間ロールプレイを始めてください。

朝一番から、ファミリーロールプレイをします。1回ロールプレイをしたからでしょうか、スッと役割に入っていく人もいれば、まだまだ悩んでいるように見える人も見受けられます。

娘:
おはよう。渋谷にいくからお金頂戴。
母:
お小遣いがあるでしょう。お小遣いで足りないのだったら家で勉強しなさい。
娘:
だって友達と約束しちゃったんだもん。

このチームは、子供達が日曜日に買い物に行きたいが、お金がなく、親にねだっているというテーマで話しが進んでいきます。母親は毎週毎週遊びにいっている子供達に不満があり、父親は仕事で疲れているので子供のことは妻に任せる、祖母は孫が可愛いので私がお小遣いをあげようとするロールプレイでした。

ロールプレイが終わりチーム内で感想が交わされました。

「展開が読めないですよね」
「でも昨日よりは家族っぽいのではないでしょうか?」
「私は女性なので、娘の気持ちはよく判ります。今回は父親役でしたが、自分が娘だったらこういうだろうな。こう言われたら親は太刀打ちできないなと思いました」
「本来の自分じゃない分、言いたいことがいえなくなる」 
さまざまな内容の感想が飛び出します。

亀口:短いロールプレイを行いました。チームCから『課題も何もなく、普通にロールプレイと言われて、意見が活発に出ず、なかなか会話ができずに困った。昨日の段階で、【この家族にはこういう悩みがある】という宿題を出してもらえれば、朝活発にロールプレイができるのではないか? 英語の授業のロールプレイの時は"課題"がでてそれに沿ってやっていくのですが』という質問がでました。ファミリーロールプレイの場合、【話したくないのだが、家族と一緒にいる】というシチュエーションもあり、日常の家族というものを体験してもらったわけです。また、『ロールプレイ中に素に返ってしまう』という質問もありました。【素に返る】ということは、演じている自己を発見しているのです。発見した自分と、この5人の家族という枠の中である役割を果たしている。役割を演じている自分と、本来の自分を比較することで自分探しをしているのです。別の性や年代を演じているので、そうでない自分がリアルに浮かび上がってきます。
 
一夜明けて、もう一度ファミリーロールプレイを行います。 昨日よりも自分の役に入れたという感想が多かったです。
言葉だけでなく仕草なども、役に見合ったものになっていました。  


10:00〜 セッション(3) 粘土で自分の夢を表現

亀口:今度は粘土を使って家族の夢ということをテーマにして、ファミリーロールプレイしながら【役割としての自分の作品】を作ってみましょう。場面としては、いつもと同じ日常の風景です。

粘土が一人ずつ配られ、各自作り始めました。ロールプレイをしながら作品を作るのですが、作り始めると意識が粘土にいってしまうのでしょうか、無言になっていきます。なんとかロールプレイをしながら、作品ができあがりました。

亀口:それでは、出来上がったところから【自分がどういうつもりで作ったのか】説明してください。

「家を作りました。この父親は、婿に来たいわゆるマスオさんです。家をまとめたいという気持ちが役の上では非常に強いので家を作りました。ただ、気持ちは大きいけれど現状はまとめることができていない。たとえば今日も、どこに座っていいのか判らなかった。役割を演じながら、お母さんにまとめて欲しいという気持ちもあるのですが・・・。」(チームCの父親役)

「中学2年生のよしこちゃんです。自分のことしか考えていない。かわいい。かわいくお花が咲きたい。本当は「自分も太陽に向かって咲きたい」ということでひまわりを作りたかったんですけど、立たなかったのでチューリップにしました。ひまわりを作ることよりも、花を立体的にして立たせたい気持ちのほうが強かったです」(チームCの長女役)

「小学生の長男です。何を作っていいのかわからなかったので、粘土をちぎってました。これは、ちぎって集まってできたものですが、特に意味はありません。「作った」のではなく「できた」。会話を考えたのですが、彼は昨日から会話に違和感を持っていたのであまり会話に入れませんでした。」(チームBの長男役)

全体の作品を参加者みんなで見て、亀口先生からお話しがありました。

亀口:チームBは、母子家庭の複雑さがすごくリアルに出ています。初日のぎこちなさもそういう意味ではリアルですね。皆さん無意識に作っているということですが、共通項があって、丸だったり円だったり塊だったり。チームCは全員立体的な作品で高さがあります。パワーがあるんですね。一人ひとり個が生きている感じがします。不登校児に粘土で夢を表現させた時はこんな風にパワーがあって立体的なものは出来上がらなかったです。この粘土の作品については、技術的な面を評価するのではなく、作品に出ている気持ち〜どうしてこういうものを作ったのか〜を読み取ってあげることが重要です。作品評価ではないことをお忘れなく。

今回は粘土を使って「夢」というキーワードはありましたが、自分の作りたいものを個別で作ってもらいました。個人単位で作って、話して、お互い認め合うことができました。次は、一つのテーマに沿って、家族で分担して「家族の夢」を表現するというのをやってみましょう。合同制作です。

 
童心に帰ったかのように、みなさん楽しそうでした。 自分の家族でしょうか? 人形を作っています。
中2の長女役の方は、かわいいものとしてキティちゃんを作ります。 いろいろな表現方法があります。
一つ一つに亀口先生のコメントがありました。 机を囲んで、作品の説明を聞きます。
作品を展示する位置にも、個性が見られます。  
     
   


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取材:NTS教育研究所




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