Workshop Report
教師のための「真の学力」のベース作りを考えるワークショップ


10:10〜 自己紹介・挨拶

会場となる、ホテルツインリンクの会議室。今回は講義形式のセミナーではないため、参加者は、大きな机を囲むように座ります。机の上には、色鉛筆・クレヨン・マーカーが置いてあります。

亀口:みなさん初対面でしょうから、自己紹介をしたいと思います。まずは、紙に自分の紹介を書いてください。名前や所属などなんでも結構ですのでとにかく書いてみましょう。

何を書けば良いのか悩んでなかなか書き出せない人、さまざまな色を駆使して自分をアピールするイラストを描く人。参加者一人ひとりの個性溢れる紹介図が出来上がっていきます。全員がだいたい書き終わったころを見計らって、「全員机から離れて円になって腰掛けましょう」と声がかかりました。
いよいよワークショップのはじまりです。まずは亀口教授よりご挨拶がありました。


亀口:生徒自身が持っている夢について、何かが邪魔をしており、生徒が夢に向かって動かないことがあります。その『夢』に対する障害物をどういうふうに取り除けば良いのか。ちっぽけな夢をどうやって膨らませていくか。はっきりとした夢を持っているのにどうすれば実現できるのか。そのための工夫や技術について、この1泊2日の限られた時間の中で集中的にセミナーをやっていこうと思います。

今回のセミナーは、普通の研修とは少しちがい、このような丸い座席で行います。私には四角いルールに縛られている学校の文化を変えたいという提案があります。形だけではなく、お互いの気持ちがどういう風に向かっていけば、新しい学校ができるのでしょう。日本は、明治時代あたりから四角くなってきました。それ以前の日本は「丸い」とか「わっか」とか「輪を持って尊しとなす」という思いを持っていました。円形になっていくというのは、人の集まりという点では凄く大事なのです。その輪(=円形)をまとめる【カナメ】が必要なのです。

そしてこのあと、森に行きます。外にはいろいろなものがあります。普段は見逃していて、いろんなものが点在しているだけなんですが、目を凝らしてじっと見てみるとそこに何かびっくりすることが見えてくるでしょう。町の中に消えてしまった小動物や昆虫もいると思います。手始めにこのすばらしい環境の中に行ってみましょう。このツインリンクもてぎというフィールドは、自然もあれば最先端の科学技術が集まったものもあります。自然と科学技術という異質のものを楽しんで頂いて、皆さんの目で普段は見逃しているであろう何かを探し出していただきたい。それを素材にして何をこれからの学校でやるのかということを皆さん自身で発見していただきたい。発見するお手伝いは私がしたいと思っています。


亀口教授のご挨拶のあと、先ほど書いた紙を使いながら、参加者の皆さんの自己紹介が始まりました。

「田舎の学校から参りました。自分の子供はまだ小さいので、夏休みは毎日プールに連れて行ったり、スイカなんかを食べたりして、エンジョイしています。そういう意味でここに絵を書きました。学校に戻りますと、コンピュータに追いまわされています。こういう書類やデータを作らないといけない。趣味と家族と学校のベクトルが引き裂かれそうです。」

自己紹介が進んでいきます。自分の勤務先である学校を含めて自己紹介する先生、プライベートな趣味について紹介してくれた先生など、いろいろな自己紹介のプレゼンテーションがありました。円を作って1人ひとりが紹介をしていくことで、随分雰囲気がやわらかくなったそうです。


亀口:それでは、みなさんのお名前がわかったところで、3グループに分かれていただきます。お互いほとんど初対面に近いので、性別も年代もバラバラに組んでみました。5人ずつにまとまって行動していただければと思います。
 
会議室にて、自分の紹介を書きます。 勤めている学校でしょうか。クレヨンを使って書いています。
彼女は今の自分のイメージをピンクの象に例えています。 みなさん、円になり、亀口教授からの挨拶を聞いています。
みなさん、自分をアピールしようと懸命です。 いろいろな自己紹介の表現方法があります。
お互いのことをよく知ろうと、みなさん耳を傾けています。 亀口教授もこれからの2日間が楽しみのようです。


10:30〜 施設見学

それぞれチームの皆さんと挨拶を交わしつつ、ツインリンクもてぎ内の施設を見学しました。

まず始めに、「ハローウッズ」を見学し、スタッフの崎野さんの案内で約1時間、森を歩きます。森とレース場がとても近く、バイクの排気音が聞こえます。しかし、それに負けないくらい、蝉も大きな声で鳴いていました。歩きながら「森の歴史」「最近の親子の関係」「昔の人の世代に対する考え方」「木から見る子供の親からの自立」「子供にどうやって森について説明するか」などについてディスカッションを交えながらお話しがありました。

お昼をはさんで、「ファンファンラボ」の見学です。「ファンファンラボ」の館内は、環境・安全・交通・NEXT・ファクトリー・ものづくりの6つのラボで構成されています。先生方は「生徒たちに教える環境問題」について何かヒントがないか、Hondaの新技術やクルマを取り巻く環境への取り組みを熱心に見学されていました。

最後は、「ホンダコレクションホール」を見学します。ここには、収集、復元してきた二輪、四輪、汎用製品、そしてレーシングマシンなど約490台のHonda製品が展示してあります。先生が子供の時に夢中になった車や、若い時に乗っていたオートバイなど、目を輝かせながら見学されていました。




ツインリンクもてぎの施設をまわり、参加者はいろいろな興味・関心を芽生えさせてホテルに戻ってきました。

亀口:ごく短い時間ではありましたが、自然の宝庫である里山【ハローウッズ】と最先端の技術がある【ファンファンラボ】と【ホンダコレクションホール】を回ってきていろいろな体験をしました。これから、自分の感想を思いつくまま、チームの皆さんに話してください。

「どんなところに連れて行かれるのか判らなかったので、最初にハローウッズに連れて行かれてびっくりした。自然について、研究し、いろいろなことを実践されている崎野さんにお会いし、お話が伺えるとは思ってみませんでした。そのあとのコレクションホールなどは、自分の想像していたホンダ像通りのものでした。」

「普段、都会のど真ん中で夜が無いところに生活しているので、最初の里山。今まで体験やるという時に自然にこう作ったものを与えていたけども、そうじゃないのかもしれないなと思った。いろいろなところで発見をさせてあげるのが大事なのかなという気づきがありました。もし、体験といったときに、原点に戻って、自然というものについて考えさせないといけないのかなと痛感しました。」

「ファンファンラボやホンダコレクションホールの最新技術の展示を見ながら思ったのですが、子供たちは多分こっちのほうが好きなのかなー。技術も大切だけど環境の方も大事なんだよと言いたいけれど、両方面どうやってモチベーションをあげていけばいいのかと考えました。」

「一番楽しかったのはハローウッズなのですが、あんな体験は都会にいてはできないし、自然がそのまま残っていて、こんな体験のできる今の小学生がとてもうらやましく思いました。しかも、絶対親だったら安全を重視して柵とかを作ったり、近づいちゃ駄目だよというところを、あえて柵を作らずにあるがままの自然を体験しようという姿勢がいいなと思った。」

「今日はじめて、里山に人間が手を入れてあげると、植物も生きてくるんだ。ということを教えてもらって自分としては驚きがありました。またファンファンラボで思ったことは、やはり人間の夢っていうのは自然だけでなく「早く移動したい」というようなものから切り離せないとおもうんですね。それを融合させていくのが、これから子供たちに託していくのだろうけれども、その辺も自分たちもわかっていかないといけないのかな。きちんとしたことを知って、子供たちに理解できるように伝えていけないのかなと思った。」

「崎野さんの説明のお話や全体を通して感じたのは、本当の愛情とか一流の技術とか、【本物】についての重みというか。先ほどの柵の話は本当の愛情だと思うんですよね。とりあえずの愛情ではなく。そういうものを追求していれば、気づいてくれる子供もいるのだと再認識した。」

「私はみなさんとは違って、やっぱりバイクや車なんですよね。ホンダコレクションホールで自分が昔乗っていたバイクだとか、昔プラモデルで作った車やセナが乗っていたF1カーを見るだけで、なんかこう胸にくるものがありました。」

それぞれいろいろな視点から、ツインリンクもてぎを体験していただけたようです。

 
大きなテントの下で一休み 森を例としてあげ、親子の関係を説明してくださいました。
童心に帰って、カブトムシやクワガタを探しました。 クラブハウスに戻り、最近の子供達についてディスカッションがありました。
環境ラボで、最新のシステムの車について説明を受けました。 CMでおなじみのASIMOショーも、見ることができました。
オートバイのシュミレーターで楽しく交通安全が学べます。 スタッフから、館内の概要を説明していただきました。
これが、内燃機関を搭載した世界初の2輪車です。 hondaのレースにかける思いをスタッフの方に教えてもらいます。
ホテルに戻って、チームで施設探索の感想を共有します。 自分が感じたことを周りに伝えようと、身振りを交えて説明です。
     
   


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取材:NTS教育研究所




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