21世紀を目前に控えた今、情報化・グローバル化する社会、2002年の『総合的学習の時間』導入など、教育をとりまく環境がめまぐるしく変化し続け、あちらこちらで新しい教育の在り方を模索する試みが生じています。そしてこの度、高い技術力や広範なネットワークを有するホンダと、中等教育の様々な試みの企画をお手伝いさせていただいているNTS教育研究所がそれぞれの「知」を融合させ、新たな教育の試みを共同で探求していくことになりました。今回の「21世紀の教育を考える知の編集セミナー『総合的な学習の新しい取り組み』」も、その一つの試みであり、「21世紀の新しい教育」について先生方と一緒に考えていくチャンスをつくらせていただきたいと思っております。
インターネットが各家庭に普及し、学校では教室にパソコンが導入され、今は情報のバブル期ともいえます。そんな中、一番求められているのは、必要な情報を的確に選び、組み立て、発展させ、表現につなげていく「情報編集力」です。また様々な情報や人とのコラボレーションの中で、情報の価値を生み出していく「相互編集力」、これもまた欠かせません。
そのような視点から見ると、「総合的学習の時間」導入は、その能力を身に付けるのにまさにうってつけといえるでしょう。しかし、実際に行われる試みは従来の「体験学習」と大差ない、そんなケースも大いに予想されます。またマスコミの報道などによる「学力低下論」に惑わされ、学力偏重の度合いを益々深めるような試みであっては台無しです。今本当に必要とされているのは、 知識を身に付けるだけの学力でなく、「知の編集が出来る『メタ学力』」なのではないでしょうか。
今回のセミナーでは、「相互編集力」の重要性を時代に先駆けて提唱し、今時代を最もリードする松岡正剛氏にご講演頂き、21世紀の教育についてご提言頂こうと思います。また一つの試みとしてホンダの新しい施設「ツインリンクもてぎ」における教育プログラムの試みも提案させて頂き、そしてお集まり頂いた先生方との「相互編集」によって、新しい知の編集文化を築き上げるための第一歩となる場を創造したいと思います。
ぜひ今回の私ども主催の「21世紀の教育を考える知の編集セミナー」をそのような場としてご活用して頂きたいと思います。
本田技研工業株式会社 北舘 瑞彦
NTS教育研究所 本間 勇人