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所長
講演内容【本間勇人】

■総合的な学習のパラダイムシフト
   └--- [ 1 ]総合的な学習のポイント
   └--- [ 2 ]学校のトータルな知とツインリンクもてぎの場
   └--- [ 3 ]日本の教育行政における現状
   └--- [ 4 ]トータルな総合的環境を作り上げるために

・ホンマノオト
 

[ 1 ]総合的な学習のポイント

 NTS教育研究所の本間と申します。総合的な学習をバッシングするだけでなく、ちょっと一歩前に出て考えてみようじゃないかという思いから、今日はお話したいと思います。
 まずは総合的な学習を考えるポイントを2つ。一つは「知を誘う総合的な場を子供達に提供できないか」ということです。石ころ一つを見てもいろいろな勉強ができるとは言いますが、これまでは全ての子供たちが100人の子供がいたら70人は楽しめて30人が楽しめなかった。色々なことは大概そうだと思いますが、これからはできる限り100人が100通りの楽しみ方を考えられる場を創ることが必要かな、と思います。
 それから二つ目は「触発された知を編集する技術」が必要になるということ。100人が楽しんで触発され、それが互いに編集されて豊かな知を編み出すことが出来ないだろうかと思います。
 総合的な学習というときに「自主性」や「思考力」という言葉がよく出てくるのですが、「自主的にやりなさい」といわれて行動してもそれは自主的ではありません。その場にいたら自然に出来てくる場はないだろうか、そしてそれを編集する技術はないだろうか、そんなことを考えています。
 それをイメージしたものが右図です。私も娘がおりますが、こんな色々な知の誘いがある場があれば飽きずに学校に通ったり勉強したり本を読んだりするのではないかと思います。そうはいってもこんなパワーがある場は一体どこにあるのかと考えると、やはりトータルなものを持っているのは学校だろうと思うわけです。
 

[ 2 ]学校のトータルな知とツインリンクもてぎの場

 ここで学校のトータルな知というのはこんな風にできているんだろうな、と仮説をたててみました。一つは「エコ環境」。僕は個人的にも庭園が大好きなのですが、学校には庭園と施設を通じた教育があります。そして次に今流行の「ITネットワーク」。そして「シラバス」と「部活」がある。これがばらばらでなくて、理念にもとづいて有機的につながって、そこで色々なものを感じることができる。
 「目に見えるカリキュラム」と「目に見えないカリキュラム」という考え方がありますが、施設やITネットワークからは、あまり意識していない「暗黙知」みたいなものが誘われ、シラバスなどでは目に見える形で誘われ、そしてこれらのものから他の学校にはないその学校独自の「ブランド知」ができると思います。知を形成するときに大事なのは「編集知としてのコミュニケーション」ではないでしょうか。
 私もツインリンクもてぎにいってみましたが、エコ環境はあります。ITネットワークもあります。シラバスといったものは協力してやっていますが「最先端学習プログラム」というものがあります。国際交流は、当然「国際レース」が行われていますからあります。それからホンダには、夢を見るだけでなく夢を実現するのはもっと楽しいという「理念」があります。ということから、ここは学校にまことに似た環境だな、と思うわけです。違うところは、学校は子供達にとって(相対的にですが)日常的な空間ですが、ツインリンクは非日常の空間だということです。ここに行くことによって学校のよさを取り戻し、日常の空間を捉え直すことができるのではないかな、と思います。
 

[ 3 ]日本の教育行政における現状

 ところで総合的な学習が本当に必要な場面というのはどんなところにあるのでしょうか。確かに日本の教育行政はPCネットワークを入れて補助金をがんがん出して部活やイベントをやらせたりしていますが、ちょっと厳しいですが、知は断絶して、コミュニケーションも断絶して、希望もない。村上龍も「希望の国のエクソダス」で書いていますね。しかし先ほどの松岡先生のお話にあったように、編集は不足から生まれると考えると、このように不足したところはチャンスであるわけで、総合的な学習が行われる必要性というのはこんなところにあるのかもしれません。
 

[ 4 ]トータルな総合的環境を作り上げるために

 しかし一人の力では、一つの学校の力ではなかなかこれは難しいかと思います。(先ほどご説明した学校のトータルな知の図を上から見るとこんな図になりますが)ですから今日お集まりの学校の先生方、そして実は今日はソニーの方ですとか色々な企業の方もいらしていますがそのような脱日常の力、そして松岡先生の編集工学研究所の編集術、そして私達もNTS教育研究所もおせっかいと思いつつ(笑)、このような関係をみなさんで協力して作り上げれば、創造的で双方向的な環境を作り上げていくことができるのではないかなと思います。
 「21世紀の教育を考える知の編集セミナー」というのは、今日だけではなくて今後続けて更に考えてゆくものだと思っております。そのためにもぜひきっかけをいただけたらと思います。本日は本当にありがとうございました。

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