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ニュージーランド・オークランド 学校見学レポート(2)


Baradene College of the Sacred Heart
バラディーン・カレッジ
http://www.baradene.school.nz/

オークランドのダウンタウンから車で東に15分、緑の多い閑静な住宅街の中を進むとBaradene College of the Sacred Heartが見えてくる。Baradene College of the Sacred HeartのあるRemueraは、オークランドでも高級住宅地で知られている町で、イギリス式の住宅が立ち並んでいる。

このBaradene College of the Sacred Heartは、私立の女子校で、Year7(日本の小学6年に相当)からYear13までの女子生徒が通っている。名前からもわかるとおり、聖心系のカトリック校で、約930名の生徒が学んでいる。1910年に創立された歴史と伝統のある学校で、敷地内の中央に立つ校舎は、まるでヨーロッパの城のような建物だ。

この学校は「エンジ色」をスクールカラーとしており、エンジ色のブレザーと足首まであるチェックのロングスカートが制服となっている。また、学年が上がるとチェック以外に黒いロングスカートの着用が許されるようで、一目で上級生だとわかる。また、制服を着ている生徒たちは、Baradene College of the Sacred Heartで学んでいることをとても誇りに思っているように感じられた。

見学した授業は、Year12のMathの授業である。グラフを使って「平行」と「交わり」を学習していた。授業のテンポは驚くほど速い。先生は、一度説明したことを復唱することはなく、ホワイトボードには要点をどんどんと書いていく。生徒もそのスピードに負けることなく、わからない時はスッと手を挙げて質問し、疑問点は授業中に解消していた。どの生徒も、ものすごい集中力があり、見ていて気持ちのいい授業であった。

ニュージーランドではアメリカなどと同様に、各教師がそれぞれ教室を持ち、生徒がそこへ移動して授業を受ける。この教室はDirector of MathematicsのParmer先生が使っており、壁には数学にまつわる公式やグラフなどに混じって、「関数電卓の使い方」や「マオリ語での数字の数え方」などのポスターも貼ってあり、難解な数学という授業を少しでも楽しく受けられるような雰囲気を作り出していた。

一番前の机には、生徒に貸し出すための関数電卓が置かれていた。「海外の授業では電卓を使うことがある」と聞いてはいたが、実際にどのように使って指導しているのか、初めて見ることができた。

まず、「平行」という概念について先生が黒板を使いながら説明し、それを実際に証明するためにグラフを書くことになった。ここで、関数電卓の出番。1人一台ずつ手にとり、先生の指示通りにキーを押していくとグラフが画面に表示される。生徒たちも使い慣れたもので、先生の指示を待たずに、てきぱきと使いこなしている生徒もいた。そして、先生は関数電卓の画面を使って生徒に説明をし、さらに「交わる」ということについての説明に入っていった。

授業終了後に、何か質問は? とParmer先生に聞かれたので、「日本では、電卓を使わずに手でグラフを書いて勉強します。授業で電卓を使うのに驚きました」と感想を伝えると、グラフを手で書くことに対して、逆に驚かれてしまった。

先生によると、手でグラフを書かせて考えさせると、グラフを書く時間が余分にかかる。それよりも、電卓を使って短時間でグラフを表示させ、余った時間で「なぜそうなるのか」を生徒に考えさせた方がよいと考えている。とのことだった。

計算をしたりグラフを書いたりして「答えを出すこと」に目的をおいているのではなく、「何でこうなるのかということ」を考えさせたり、発見させたりすることに目的をおいているのだなと、今回の授業を見学して感じた。



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