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白梅学園清修中学校 EU短期留学プログラム講演会

2005年11月15日
by 石井 麻美

 来年4月に開校する白梅学園清修中学校で説明会が行われました。高校1年の夏、フランス・アルザス地方へのフィールドワークを目的とする短期留学を予定している同校は、10月15日の説明会に、フィールドワークおよび宿舎の両面にわたって協力を得ることになっているCEEJA(欧州日本学研究所)より所長のアンドレ・クライン氏を招き、講演会を開催しました。 
 現在ヨーロッパにおける日本学研究の最前線に立って日欧友好を促進されているクライン氏は、アルザス開発長官を歴任するなど、多くの日本企業や日本領事館のアルザス地方への誘致を行われた実績を持っています。はるばるフランスよりいらした同氏の講演会ならびに説明会の様子をレポートします。

●CEEJA アンドレ・クライン氏より

【アルザスについて】
 アルザスはフランス東部に位置する小さな地域で、中世の面影を残す町並みやブドウ畑の広がる大変美しい土地です。ドイツやスイスとの国境に位置しており、その地理的な要因から、歴史的にフランスとドイツの狭間にあって様々な影響を受けてきた結果、多様な文化が混在しています。
 そのため、新たな文化、例えば日本の文化なども非常に受け入れやすい土地柄となっています。
 また、地理的にEUの中心に位置することから、中心都市のストラスブールには欧州議会などの機関が存在し、EU政策の中心地になっています。

【アルザスと日本の関係について】
 地理的には非常に離れていますが、歴史的には明治維新の頃から関係が築かれていました。アルザスから多くの宣教師達が日本を訪れ、また、アルザスが当時繊維産業の先端地方であったことから、ビジネス上での関係も出来始めていました。
 近年において新たな関係をむかえたのは、80年代のことでした。アルザスが日本に常設のオフィスを開設し、多くの企業がアルザスに投資しました。それらの企業が現地に雇用を生み出し、さらに日本人の家族が数多く移り住んだことで、日本人社会の発展をもたらしました。これらのことによってアルザスと日本には、非常に強い人間的な関係が結ばれました。また、86年には成城学園がアルザスに建てられ、20年近くにわたって多くの日本の若者達がアルザスで教育を受けました。彼らは近くの村祭りなどにも参加し、見事にアルザスの社会の中に溶け込みました。ヨーロッパの中で、これだけ日本と共生を行なった土地は他にないと思います。

【欧州日本学研究所について】
 CEEJAは、今から4年前に設立されました。この研究所では、「アルザスの人々に日本の文化を伝える」ことと、今まであまりなされていなかった「日本学の研究の確立」という2つをテーマに活動しています。CEEJAはアルザス地方のオーラン県の出資を受けた公的な機構であり、日本学に関するセミナーや、日本に関する展覧会・コンサートなどを開催しています。

【キンツハイムの施設について】
 この施設はコルマール市の近郊に位置し、二つの国際空港にも近い交通の便の良い場所にあります。葡萄畑に囲まれた風光明媚な土地柄です。もともとは小さなお城でしたが、19世紀にミッションスクールになり、宿泊施設のある学校になりました。建物の中には、多くの教室や図書室・食堂などがあります。男子用と女子用の二棟の寮があり、合わせて200名のキャパシティを持っています。日本式の風呂などの備わった、非常に使いやすい施設です。また、当施設は日本人には無料で提供することが決定しています。

【日本人を迎える用意について】
 ここまで紹介してきたように、アルザスと日本の間には20年間の協力関係があります。現地には日本文化に慣れた住民や、日本語の話せる住民が数多くおり、欧州の歴史や文化・地理などを日本語で教えることが出来ます。また、隣国との接点の多い地域であり、欧州を学ぶ上で最も日本人に適した土地であると思います。

【言語について】
 最後になりますが、皆様には英語とヨーロッパの言語に関する問題を問いかけたいと思います。
 日本では英語を中心にした言葉を勉強しています。もちろん英語を勉強するのは大事なことですが、皆様に知っていただきたいのは、英語はヨーロッパでは中心の言語ではなく、マイノリティの言語であるということです。90%のヨーロッパ人が英語は国際語ではないというアンケートの結果も出ています。アングロサクソンの言語とイタリアやフランスなどの言語は、文化に関してもまったく違うものです。
 これから先、日本にとってヨーロッパは、経済的にも文化的にもより重要な地域になると思います。若い人たちが、直接ヨーロッパの文化や言語に触れるのは、非常に大切だと思います。子供達がしばらくアルザスに滞在し、実際に文化に接していただければ、ヨーロッパに関する様々な知識を得られると思います。ヨーロッパというアメリカとは別の文明に注目していただくことが、本当の意味での国際化というものに発展していくと考えています。

 クライン氏の具体例やエピソードを交えた講演に、保護者の皆様も非常に興味をもたれていたようでした。講演後の質疑応答では、やはり子供を預けるということで、施設へのアクセスや治安に関する質問が保護者の方から出ていました。

Q.施設への具体的なアクセスと、地域の治安について教えてください。

A.アクセスに関しては、まず飛行機に乗って11〜12時間になります。直行便がないため、フランクフルト、チューリッヒ、パリのいずれかを経由することになり、フランクフルトであれば、そこから飛行機なら40分、特急電車なら2時間ほどです。
 次に治安に関しては、コルマールという市街地から10キロほどの場所となり、歓楽街などもなく、住宅街やワイン畑の広がっている地域のため心配ないと思います。中心地のほうに行っても、女性が一人で買い物しても問題ないようなところですので、治安的には安心できると思います。

※最新情報:現在フランスでおきている暴動についてCEEJAから情報が届きました。2、3日前にアルザスの中心都市にあたるストラスブールの市外で小さな暴動があったそうです。

ですが、ストラスブール市内およびCEEJAがあるコルマール、キーンツハイムでは暴動は起きていません。現在は落ち着いて、暴動も沈静化の方向に向かっているようです。

 

●中学設置準備室室長の柴田先生よりカリキュラムについて

 中学1、2年は基礎固めと考えています。6年間を考えると、中学の1〜2年で築き上げる信頼関係が何よりも大切だと考えています。教員と生徒、そして生徒同士が互いの違いを認識し、理解し合っていくために、最初の2年間の時間はとても重要です。情操教育についても、そのきっかけはまず、教師と生徒のコミュニケーションと考えています。日ごろの言葉遣いや立ち居振る舞いが、子どもの豊かな情操を育む大切な一歩だと考えています。
 中学3年〜高校2年では、勉強のやり方も確立されてきますので、どんどん進んでいき、高校3年では、自分の将来を見据え、受験などの対策に力を入れていきたいと考えています。卒業までに必要な勉強を高校2年までに終わらせることができれば、高校3年では柔軟に対応ができます。なおかつ中学1年からつくってきた自学自習の態度が育っていれば、柔軟な将来選択が可能になると考えています。
 また、6ヵ年を通じて論理的な文章作成能力を育成するために、出来るだけ多くの文章を書く指導をいたします。特に海外研修後は前後のカリキュラムと連動する形で論文を作成します。数学については、高校1年生の時点でセンター試験の範囲を終了します。その他の科目については、高校2年でセンター試験の範囲を終了し、高校3年では、国公立2次や私立対策を行っていきたいと考えています。

*  *  *

「EUの海外研修がきっと実りあるものになり、生徒もグローバルな感覚を身につけて帰ってこられるようなプログラムを本日お越しいただいたクライン氏と一緒に実現していきたいと思っています。教員一同、熱意を持って子どもたちを預かる用意をしています」と秋田校長先生は保護者の方々に向けて力強く語り、説明会が終了しました。

●講演を聴かれた保護者の方々から
「アルザスと日本の関係が非常に良好で、距離は遠いが人と文化の交流がさかんだということがわかりました。学校の熱意が伝わり、ぜひわが子を入学させたいと思いました。」
「クライン氏のお話は、非常に興味深かったです。娘と一緒に私も研修に行くきたい!くらいでした。」

これらの感想からも、白梅学園清修中学校の新たな取り組みや、CEEJAや学園の先生方の熱意が伝わった説明会となったことがわかります。最後に入試問題傾向について記します。

 

〈入試問題の出題分野及び各教科の留意点〉

◆国語 50分 100点満点
【出題分野】 (1)漢字の書き取り (2)語句・文法 (3)長文読解
【詳細】 長文読解に関しては、まず説明的な文章で論理的な理解力や思考力を問います。それから文学的な文章で話の展開や登場人物の心情をつかむ力を問います。
【留意点】 語句・文法については、日ごろからしっかり問題をこなしておいてください。長文問題に関しては、文章を的確に読み取ることが出来るかと思考力と感受性のバランスが取れているかに関して、記号選択・書き抜き・記述で判定します。

◆算数 50分 100点満点
【出題分野】 (1)計算問題 (2)一行問題 (3)図形問題 (4)グラフ問題
【詳細】 計算問題は四則混合計算です。一行問題に関しては特に割合、例えば原価と定価・食塩水の濃度などを練習しておいてください。図形に関しては平面図形と空間図形がありますが、平面図形に関しては面積、角度や長さに関する問題を出題します。グラフ問題は資料を読み取る力とそれをもとに思考力を問う問題を予定しています。
【留意点】 計算力はもちろんですが、文章をしっかり読み取れるかが鍵になります。問題文の内容がわかれば難しく考えなくてもすぐに解ける問題もあります。聞かれていることは何かを常に意識しながら、問題を解いて下さい。また、答えを出すまでの途中式や自分の考えを残すような習慣をつけておいてください。実際の入試では問題用紙や解答欄を大きめに設定し、場合によっては部分点も考慮に入れます。

◆理科 30分 50点満点
【出題分野】 (1)生物 (2)星・太陽・月の動き (3)化学について (4)力・電流・光
【詳細】 生物では人体や動植物のつくり・働きの幅広い知識を問います。化学に関する問題は、水溶液や気体の燃焼など物質の変化に関する問題で、実験・グラフ・表などの資料をもとにした考察力を問います 。
【留意点】 一つ一つの問題は解けるまでにさほど時間のかからないレベルです。ひねりのない問題となっていますので、日ごろから基礎力の定着に重点を置いて問題の演習を繰り返してください。また、理由や結果を文章で答えさせる問題もあります。

◆社会 30分 50点満点
【出題分野】 (1)地理 (2)歴史 (3)公民
【詳細】 地理分野は、日本の姿に関する問題で、日本地図に指定された都市・県名が答えられるか、その産業・歴史・自然環境を答えられるかを問います。歴史分野は、明治時代以降の歴史に関する問題です。出来事の順序・原因と結果などを理解しているかを問います。また、歴史上の人物に関して、業績やその時代の様子が答えられるかを問います。公民分野では、政治のしくみに関する問題で、国会・裁判所・内閣、選挙、日本国憲法などを中心に問います。
【留意点】 基本問題は確実に正解できるよう、日ごろから問題演習をして基礎力を養ってください。基礎力の中には、全て漢字で書けるということも含めていますので、漢字の書き取りも練習しておいてください。

 

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