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東京女子学院
第1回コットンローズミュージカル
『サウンド オブ ミュージック』

2005年3月26日(土)14:00〜15:30

2005年4月1日
by 山本 真美

■ 桜の開花日も迫ったあたたかな土曜の午後、東京女子学院の第1回コットンローズミュージカル『サウンド オブ ミュージック』が華やかに開催されました。
 西武新宿線の武蔵関からはほんの3分。線路沿いの桜並木もグラウンドの桜も入学式の頃には満開なのだろうなあ・・と思い描きつつ、通りから校門までの少し坂になったアプローチを進みます。背の高いプラタナスが並び、だんだんと校舎が見えてきました。右手には本日の案内板、左手にはたくさんの花をつけたコブシが、まるで、「ようこそ」と迎えてくれているようにやさしく咲いています。花壇にもたくさんの花があり、「わあ、きれい!春ねえ!」と皆さんひとしきり花を愛でたり噴水を楽しみながら会場へと進んでいきます。正面玄関の大きく印象的な「芙蓉」のタイル画も温かく迎えてくれました。

■ 校舎に入ってまず驚いたのは、ピカピカに磨き上げられた木の床、木の壁でした。「スリッパですと滑りやすいのでお気をつけください」というアナウンスまでいただき、まずはそのまま歩いてみるとなんとなくあったかいのです。壁もさわってみると手に馴染むというか、やはりあたたかな感じがしました。特に床暖房や壁暖房??というわけではないと思うのですが、これが「木のぬくもり」に違いないと思い、すっかり嬉しくなりました。

■ 控え室ではオーケストラ担当の皆さんが最後の練習をしたり、抱き合って励ましあったりしているところでした。「がんばろうねッ!!」「すっごくドキドキしてきた・・」「どうしよう・・」「大丈夫、大丈夫!!」というようなドキドキわくわくが伝わってくる言葉が飛び交っています。なんだかこちらまでドキドキしてきてしまいました。

■ そのころ、会場では開場前の準備、最後の点検などが刻々と進められていました。幕を揚げたり降ろしたり、照明やマイクの調整をしたり、観客席に座ってみて「ちょっと暑いんじゃないかな??」など、担当の生徒さんたちがどんどんと自分から動いているのがわかります。そんななか、楽器たちは静かにその出番を待っているといったところでしょうか。

■さあ、いよいよ開場です。5分もしないうちに1階後ろの階段席がいっぱいになってしまうくらいの盛況ぶりです!!在校生のご家族の皆さんに加え、4月から入学される皆さんや受験を考えている皆さんがご家族連れでたくさんいらしているようです。開演5分前にはほとんどの席がうまってしまいました。そして、オーケストラの皆さんが静かに入場してきました。

■それぞれ、自分の楽器を手にし、軽く音を出したりしていますが、実に静かです。ピリッと引き締まった生徒さんたちの様子につられるかのように、会場全体も自然と静かになりました。

 

●酒井校長先生より

 皆さま、ごきげんよう。
 今日は、東京女子学院の第1回目のコットンローズ・ミュージカルということで、本当に「手作りの」と言っていいと思うが、こういう学校なので、多くの方々のご縁によって今日を迎えることができたと思う。生徒は4月にこの企画が決まり、そして暗中模索で本当にどこから手をつけたらいいのかというところから始まったわけだが、その間、多くの方々にご援助いただいた。今日お見えいただいている方全部と言っても差しつかえないと思う。ご案内のところにも書かせていただいたが、生徒が一人ひとり、自分の役割を果たそうということで、それぞれが役割分担をした。見えないところで活躍している子もたくさんいる。オーケストラの子は皆さんの目の前で演奏させていただくわけだが、舞台裏の見えないところで活躍している子どもたちもいて、主役も陰の力で支えられているということを本当にこの行事を通して知ったと思う。
 今、さかんに「脳科学」ということが言われ、脳を十分活性化させて能力を開発していこうというものだが、その根底には「助け助けられることによって初めて脳が活性化する」ということも言われている。実は、この行事も本当に「助け助けられて」できあがったものだと思う。そういうことで、今日は各方面からお出ましいただき、はげましをいただき、こんなに幸せなことはない。どうか、素人の集まりで、普通科の中高なので音楽科があるわけでもないが、そういうところから子どもたちがたったの1年間ではあるが、共同作業をすることによってこのような力が出てくるということを見ていただければ幸せと思う。
 本当に一人ひとりが素晴らしい能力を持っているとつくづく感じる。ご存知の通り、人間の持っている能力のうち、使っているパーセンテージは3〜5%と言われているが、そのありあまる、ほとんど使っていない能力をどうにか引き出すことができないかということで、東京女子学院では、中学校でも「弦楽器」を指導してみたり、また、日本の伝統文化の一つである「華道」を導入したり、コミュニケーション能力の基本である「礼儀作法」を導入している。また、これからの世界で活躍する子どもたちなので、世界共通語であるところの「英語」もただしゃべるというだけではなく、「英語の文化」をもとにした英語教育をしていきたい。そして、「英語を英語で」ということで今、子どもたちは励んでいる。その一端を今日は『サウンド オブ ミュージック』の中で、皆さまにご披露する。アンケートには、お感じになったことを率直にお書きいただきたい。先程来申し上げているように素晴らしい能力を持った子どもたちが、なお一層能力が発揮できるような教育をしていきたいと思っている。また、今日初めてお出ましくださった方も、「世の中にはこういう学校もあるんだな」ということを知っていただければたいへん幸せだと思う。私立学校というのはご存知の通り、一校一校が特色のある教育を行っており、同じ学校は一校もないはずである。あえて私共はより一層特色を発揮していきたいと思っている。今日を契機に、また東京女子学院をご理解いただき、皆さんとともに次代を担う子どもたちを育てていきたいと思う。

<ここからは、プログラムより引用をさせていただき、ミュージカルの様子をお楽しみいただきたいと思います。>

ご挨拶

 本学院の特色教育である、先進的な英語教育(英語圏でない生徒に英語を英語で教える指導を習得したネイティブ・スピーカーによる)、右脳を活かす弦楽器による感性を育てる教育、腹式呼吸を活かした健康教育、コミュニケーションの基本である礼儀作法等日頃の学院生活を発表する機会はないかと、英知を結集し、検討を重ねてまいりました。紆余曲折のすえ、生徒全員参加による最もふさわしい行事として決定したのが、本学院の教育を具現化した総合芸術としてのミュージカル「サウンド オブ ミュージック」です。
 実施にあたり、生徒一人ひとりが役割を分担して出発したのが昨年の4月でした。週一度の連絡、調整を含めた放課後練習という限られた時間の中で、創意工夫、無我夢中の一年が過ぎ去りました。
 今日を迎えられたのは、献身的な努力をいただいた国立音楽大学付属中学高等学校長岡部徳三先生をはじめ、鈴木明子先生、前田寛先生、ご指導くださった諸先生方、関係各位にこの場をお借りして深甚なる謝意を申し上げます。

 

ごあいさつ

生徒実行委員長

 ミュージカルを、全校挙げて公演するというお話が届いたのは、去年の4月のことでした。大好きな「サウンド オブ ミュージック」を独自にアレンジして、舞台を創るということは、経験の無い私たちにとって、不安いっぱいのスタートとなりました。以来、限られた時間と予算の中で、話し合いを重ねながら創意工夫し協力して、一生懸命取り組んで参りました。
 主人公マリアがトラップ家の人びととの出会いを通して、愛情豊かな素敵な女性に成長していく姿を、観ていただけたら幸いです。私たちもこのミュージカルを完成させる過程の中で、さまざまな困難に遭遇し悩むことがありました。しかし、学年を越えた交流の中で、知恵を出し合い助け合いながら、表現することの喜びを味わい、友情を育むことができました。
 最後になりましたが、ご指導くださった諸先生に感謝申し上げます。また、本日ご来場の皆さまの、温かいご声援をおねがいいたします。

 

東京女子学院オリジナル
「サウンド オブ ミュージック」

 修道女志願のマリアに修道院長は、トラップ家の家庭教師の仕事を紹介する。マリアはその道に同意し、トラップ家を訪ねた。そこで主人トラップ大佐から7人の子どもたちを紹介されたが、彼らは規律を重んじる厳しい父親に育てられていた。そんな父親を畏れている長女リーズルは、恋人ロルフ(郵便配達員)と密かに逢っている。
 ある夜、落雷の音に怯える子どもたちがマリアのもとへ集まってきた。子どもたちは、マリアの明るさと優しさに惹かれ徐々に親しみを深めていった。マリアも子どもたちを愛し、彼らを喜ばせるために、明日山へ登ることを約束する。
 翌日、山頂にはのびのびと遊びに興じ、また、マリアお得意のギターで楽しく歌う子どもたちの姿があった。マリアが、許可なく山へ連れ出したことに対してトラップ大佐は怒り、契約違反であるから今すぐ修道院へ戻るようにと言う。ところがそのとき、彼の前に現われた子どもたちは、彼が今まで見たこともないような明るい笑顔で、楽しそうに歌っている。大佐は、子どもたちに誘われるままに、輪に入って歌っているうちに、やがて自分の非に気付き、マリアに詫びて、ここに留まってくれるようお願いした。
 そんなある日、トラップ家でパーティーが開かれた。その折、リーズルは恋人ロルフの存在を父親に気付かれ、交際を認めてくれるように頼んだ。しかし、怒った大佐は取り合おうとしない。そこでリーズルは、マリアに助けを求め、彼女の仲裁によって、大佐もやむなく二人のことを認めることとなった。パーティーも佳境に入ったとき、子どもたちはマリアから教わった歌を披露し、大佐もご満悦の様子である。子どもたちの就寝時間が告げられると、「おやすみ、ごきげんよう」の挨拶を歌いながら、子どもたちは一人、二人と順々に去っていく。
 やがてパーティーの広間には大佐とマリアの二人だけとなった。大佐は、マリアが自分たち一家を幸せにしてくれたことを感謝し、この幸せをいつまでも共にしたいとプロポーズし、愛を誓う。
 子どもたちと遊んだあの美しい山の上には、マリアに捧げる花々を摘む子どもたちの、喜々とした姿があった。みんなに祝福された二人は、山の上で慎ましくも幸せに満ちた結婚式を挙げた。こうして、マリアを家族に迎えたトラップ一家の、希望に満ちた新しいあゆみが始まって、幕は閉じる。

 

■いよいよ、東京女子学院オリジナルのミュージカル『サウンド オブ ミュージック』の開演です!! 音合わせに続いて、鳥のさえずりに合わせるように静かに最初の曲が始まりました。主人公マリアは舞台そでからではなく、なんと観客席脇の扉から登場です!!のっけから圧倒された皆さんのどよめきが聞こえます。明るいオーケストラの演奏に明るいマリアの歌声が響き渡り、見る見る引き込まれてしまいました。

●SCENE1 <山の上>  曲:「サウンドオブミュージック」

 

●SCENE2 <修道院の中庭>
●SCENE3 <トラップ家の居間>
 

 

●SCENE4 <トラップ家のテラス> 曲:「もうすぐ17歳」

 

●SCENE5 <トラップ家の居間> 曲:「私のお気に入り」
曲:「サウンドオブミュージック」

 

●SCENE6 <山の上>  曲:「ドレミの歌」
●SCENE7 <トラップ家の居間> 曲:「エーデルワイス」

■なかでも、トラップ家の子どもたちとマリアのドレミの歌は秀逸でした!!観客の手拍子に乗って二手に分かれ、曲に合わせて楽しく歌い、行進しながら舞台から客席へと降り、また舞台へと戻っていくという、まさに客席を巻き込んだプロさながらの演出には驚いてしまいました!!会場全体が一体となってド・レ・ミ♪♪と歌っているのです!!本当に全員が楽しめる演出には感動しました。

 

●SCENE8 <パーティーの序曲>  曲:「メヌエット」中学生全員による弦楽演奏

■中学生全員による弦楽演奏もとてもステキで感動的でした!!ゆったりとした美しい調べに乗って、お人形さんのような二人がクラシックバレーのようなバロック風の舞踊を見せてくれたのにも驚きました。

 

<パーティー会場> 曲:「パバーヌ」 曲:「ひとりぼっちの羊飼い」
曲:「ワルツ」  曲:「さよなら、ごきげんよう」

 

●SCENE9 <山の上> 曲:「すべての山に登れ」

■パーティーや結婚式のシーンでは、マリアと大佐の結婚を皆で喜ぶ姿が大いに表現され、楽しいハッピーエンドとなりました!!客席の皆さんからの大きな拍手で会場がうめつくされ、幕となりました。

■カーテンコールのあとにスタッフ全員が舞台に上がると、さらに割れんばかりの盛大な拍手が送られました。ここで、生徒実行委員長より、些細なことでもめたりしたこともあったが、限られた時間のなかで全校生徒が一致団結して想いをひとつにまとめ、今日まで練習を積んできたこと、つらくて投げ出したくなったことが何回もあったが、最後にこうして全校生徒が集まり成功させることができた、という喜びの言葉と先生方や多方面から支えてくださった方々、そして本日の参加者の皆さんへの感謝の言葉がありました。

これを受けて、生徒指導部長の平野先生より、「おつかれさまでした。素晴らしかったです!!本当にこの一年間、勉強、クラブ、行事、ミュージカルの練習と、忙しいなかよく頑張りました。毎日毎日工夫をこらして時間をつくりだして頑張ってくれました。本当に今日はステキでしたよ!!」という労いの言葉がありました。そして、今日の舞台を観て「生徒の力がすごい、誇りに思う」「途中苦しかったけれども、あきらめずに続けていれば、必ず成功する」「力を合わせればこんなにすごい力になるのだ」という3つのことを確信したというお話と、4月には新入生を迎え、この団結に新たな力を加えて一層結束を強めて学校生活を充実させていきましょう!!という言葉、参加者の皆さんへの感謝の言葉がありました。


<感想>
 大げさでなく、感動して涙が出そうになってしまったというのが、本当のところです。「ここまでやれるんだ!!」という驚きとともに、そこから熱いパワーをもらえたことが嬉しくてたまりませんでした。一人ひとりの頑張りがどんどんと大きな力になって、そしてそれを素直にぶつけてくれたからこそと思います。演出、アクター、衣装、舞台美術、照明・音響、ライブラリー、オーケストラ、コーラスのすべての力が融合して一つになっていることを強く感じました。これまで力を入れて取り組んできた英語、弦楽器、合唱の力とその土台にあるコミュニケーション能力が結びつき、素晴らしい結果が出たということではないでしょうか。どんなことをするにも話し合って、時にはぶつかり合って進めてきたことと思います。いろんなことがあって、その全部が舞台や演奏に出たことでしょう。それが皆に感動を与えたのです!!新しい試みへのチャレンジ、大成功と思います!!本当に楽しいミュージカルをありがとうございました。もう、次回が楽しみで仕方ありません。最後になりましたが、「コットンローズ」とは東京女子学院の校章にもなっている「芙蓉」の英語名です。とてもカワイイ響きですね。

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