|
■ 桜の開花日も迫ったあたたかな土曜の午後、東京女子学院の第1回コットンローズミュージカル『サウンド オブ ミュージック』が華やかに開催されました。
西武新宿線の武蔵関からはほんの3分。線路沿いの桜並木もグラウンドの桜も入学式の頃には満開なのだろうなあ・・と思い描きつつ、通りから校門までの少し坂になったアプローチを進みます。背の高いプラタナスが並び、だんだんと校舎が見えてきました。右手には本日の案内板、左手にはたくさんの花をつけたコブシが、まるで、「ようこそ」と迎えてくれているようにやさしく咲いています。花壇にもたくさんの花があり、「わあ、きれい!春ねえ!」と皆さんひとしきり花を愛でたり噴水を楽しみながら会場へと進んでいきます。正面玄関の大きく印象的な「芙蓉」のタイル画も温かく迎えてくれました。
■ 校舎に入ってまず驚いたのは、ピカピカに磨き上げられた木の床、木の壁でした。「スリッパですと滑りやすいのでお気をつけください」というアナウンスまでいただき、まずはそのまま歩いてみるとなんとなくあったかいのです。壁もさわってみると手に馴染むというか、やはりあたたかな感じがしました。特に床暖房や壁暖房??というわけではないと思うのですが、これが「木のぬくもり」に違いないと思い、すっかり嬉しくなりました。
■ 控え室ではオーケストラ担当の皆さんが最後の練習をしたり、抱き合って励ましあったりしているところでした。「がんばろうねッ!!」「すっごくドキドキしてきた・・」「どうしよう・・」「大丈夫、大丈夫!!」というようなドキドキわくわくが伝わってくる言葉が飛び交っています。なんだかこちらまでドキドキしてきてしまいました。
■ そのころ、会場では開場前の準備、最後の点検などが刻々と進められていました。幕を揚げたり降ろしたり、照明やマイクの調整をしたり、観客席に座ってみて「ちょっと暑いんじゃないかな??」など、担当の生徒さんたちがどんどんと自分から動いているのがわかります。そんななか、楽器たちは静かにその出番を待っているといったところでしょうか。
■さあ、いよいよ開場です。5分もしないうちに1階後ろの階段席がいっぱいになってしまうくらいの盛況ぶりです!!在校生のご家族の皆さんに加え、4月から入学される皆さんや受験を考えている皆さんがご家族連れでたくさんいらしているようです。開演5分前にはほとんどの席がうまってしまいました。そして、オーケストラの皆さんが静かに入場してきました。
■それぞれ、自分の楽器を手にし、軽く音を出したりしていますが、実に静かです。ピリッと引き締まった生徒さんたちの様子につられるかのように、会場全体も自然と静かになりました。
●酒井校長先生より
皆さま、ごきげんよう。
今日は、東京女子学院の第1回目のコットンローズ・ミュージカルということで、本当に「手作りの」と言っていいと思うが、こういう学校なので、多くの方々のご縁によって今日を迎えることができたと思う。生徒は4月にこの企画が決まり、そして暗中模索で本当にどこから手をつけたらいいのかというところから始まったわけだが、その間、多くの方々にご援助いただいた。今日お見えいただいている方全部と言っても差しつかえないと思う。ご案内のところにも書かせていただいたが、生徒が一人ひとり、自分の役割を果たそうということで、それぞれが役割分担をした。見えないところで活躍している子もたくさんいる。オーケストラの子は皆さんの目の前で演奏させていただくわけだが、舞台裏の見えないところで活躍している子どもたちもいて、主役も陰の力で支えられているということを本当にこの行事を通して知ったと思う。
今、さかんに「脳科学」ということが言われ、脳を十分活性化させて能力を開発していこうというものだが、その根底には「助け助けられることによって初めて脳が活性化する」ということも言われている。実は、この行事も本当に「助け助けられて」できあがったものだと思う。そういうことで、今日は各方面からお出ましいただき、はげましをいただき、こんなに幸せなことはない。どうか、素人の集まりで、普通科の中高なので音楽科があるわけでもないが、そういうところから子どもたちがたったの1年間ではあるが、共同作業をすることによってこのような力が出てくるということを見ていただければ幸せと思う。
本当に一人ひとりが素晴らしい能力を持っているとつくづく感じる。ご存知の通り、人間の持っている能力のうち、使っているパーセンテージは3〜5%と言われているが、そのありあまる、ほとんど使っていない能力をどうにか引き出すことができないかということで、東京女子学院では、中学校でも「弦楽器」を指導してみたり、また、日本の伝統文化の一つである「華道」を導入したり、コミュニケーション能力の基本である「礼儀作法」を導入している。また、これからの世界で活躍する子どもたちなので、世界共通語であるところの「英語」もただしゃべるというだけではなく、「英語の文化」をもとにした英語教育をしていきたい。そして、「英語を英語で」ということで今、子どもたちは励んでいる。その一端を今日は『サウンド オブ ミュージック』の中で、皆さまにご披露する。アンケートには、お感じになったことを率直にお書きいただきたい。先程来申し上げているように素晴らしい能力を持った子どもたちが、なお一層能力が発揮できるような教育をしていきたいと思っている。また、今日初めてお出ましくださった方も、「世の中にはこういう学校もあるんだな」ということを知っていただければたいへん幸せだと思う。私立学校というのはご存知の通り、一校一校が特色のある教育を行っており、同じ学校は一校もないはずである。あえて私共はより一層特色を発揮していきたいと思っている。今日を契機に、また東京女子学院をご理解いただき、皆さんとともに次代を担う子どもたちを育てていきたいと思う。

<ここからは、プログラムより引用をさせていただき、ミュージカルの様子をお楽しみいただきたいと思います。>
|