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共栄学園中学校 Kyoei&Honda最先端学習 第4回土曜講座

2003年8月22日
by 平出桃子

■第3回でチームごとに選んだテーマについて、疑問に思ったことなどをリサーチし、さらに考察を深めていきます。生徒の興味関心を引き出し、そこから具体的な問題発見の視点が持てるように、発表の準備を進めていきます。さらに、リサーチの結果で分かったことなどについてチームディスカッションを行い、調べたことに自分たちのアイデアを盛り込み、新たな発見へとつなげていきます。


8:50 前回の振り返り
■ 出席を取り、前回と同じチームに分かれます。「先週なにをやったか覚えていますか?」というSVの質問に「覚えてる!」と大きな声で答える生徒たち。「今日は来週の発表に向けて、前回決めたテーマのリサーチを行います。」SVから今日のスケジュールが伝えられます。「発表はどのように行うのですか?」とリサーチより発表が気になる生徒に「発表は模造紙を使います。身体で表現してもいいですよ!」と笑顔で答えるSV。

■ 「調べたことをただ発表するのではなく、アイデアを盛り込んだ発表をしましょう。そのためにはまず、前回みんなに決めてもらったテーマの絞込みを行います。漠然としたテーマから、調べたい具体的な事柄を考え、リサーチプランを作成します。興味のある事柄について"なぜ?""どうして?"と思うことを調べてみましょう。ではチームでディスカッションを開始してください。」


9:05 テーマ確認・リサーチプラン作成

■SVの合図でディスカッションが始まりました。前回と同じチームメンバーですが、時間が経ってしまったためか、まだ慣れていないようで、男女が離れて座っているチームが目立ちます。「話し合いをするのだから、みんなの意見が聞こえるようにもっと近くに寄ろう。お互い顔が見えるようにね。」とLAが生徒たちに、向かい合って座るように声をかけていました。生徒たちは渋々といった感じながらも、机と椅子を移動します。話し合いがしやすいように移動したら、ディスカッションのスタートです。

■アメリカの人種をテーマに選んだチームでは、前回キーワードを書いた模造紙を囲んで、話し合いをしていました。「先週テーマ決めを行ったとき、地理の授業で勉強しているからこのテーマを選んだと言っていたけれど、具体的にはどんなことを調べたいのかな?」とLAが生徒に話しかけると「人種の種類と宗教についてなんてどうかな?」という意見が出ました。「黒人差別はどう?彼らはもともとアフリカから連れてきた奴隷なんだよね。」「黒人の祖先にあたるわけだ。」「うん、だから白人は黒人を下にしか見れないんだと思う。」「もっと詳しく調べてみようか。」と男子生徒と女子生徒が2人だけで話しを進めはじめてしまいました。

■LAが2人の間に入ります。「ちょっと待って。2人だけで話をするのではなく、チームで発表することだから、他の人の意見も聞こうね。」と声をかけます。「みんなは何を調べてみたい?」とLAが他の生徒たちに問いかけますが、2人だけで話し合いをしていたためか、人任せにしてしまおうと考えている生徒やおしゃべりばかりをして話し合いに積極的に参加していない生徒もいます。「意見を出さないと、後から調べたいことがあると言っても、変更できないよ。話し合いに参加しよう。」全員の意見を聞きながら、テーマを絞っていきました。

■アメリカから連想するもので、一番多く取り上げられたテーマが"ディズニー"でした。このチームでは、全員がバラバラに離れて座っていたため、SVが話し合いができるように場所を移動させていました。LAを取り囲むようにして円を作ったら、話し合いのできる状態になりました。各自調べたい項目が違うため、ひとりずつ意見を出し合うことにしましたが、前回同様、生徒たちは誰も意見を述べようとせず、下を向いてうつむいています。

■「自分の中だけで思っていても、相手には伝わらないよ。みんなそれぞれおもしろい意見を持っているのだから、ぜひ意見を聞かせてほしいです。ひとりずつ順番に、調べたいことを話してくれるかな。じゃあ私の隣りのあなたから。」「えっ?」と隣りに座っていた生徒は一瞬ためらいましたが、「私はディズニーランドのパレードや人気のあるお店について調べたいです。」と自分の意見を発表してくれました。「意見をまとめるために、メモしたほうがいいですか?」と提案する生徒もおり、みんな少しずつ積極的に自分から動くようになりました。

■こちらのチームのテーマも"ディズニー"ですが、少し他のチームとは違います。LAは前回キーワードを書き出した模造紙を広げ、生徒たちと一緒にテーマの再確認をしていました。「前回選んだテーマを覚えているかな?」生徒たちはLAの質問に答えず、友達同士の話に夢中になっています。「みんな話を聞いて。」とLAが注意を促します。「模造紙を見れば思い出すよ。男子チームのテーマは何かな?」「アメフト。」「女子は?」「ディズニーについて。」このチームはテーマが1つに決まらず、男女別々のテーマを選ぶことにしたようです。

■「"アメフト"と"ディズニー"について2つ調べることにしたよね。じゃあ、この2つの"共通点"を調べるのはどうだろう?このチームは他のチームと違って2つテーマがあるから、そこを生かしてみようよ。」LAが投げかけると、「共通点なんかあるかな?」と生徒たち。「"エンターテイメント"としては共通している部分があると思うよ。調べていくうちに、共通点が見つかるかも知れないし。はじめから諦めないで。」とLAが励まします。男子生徒も女子生徒もお互いのテーマにあまり関心がないためか、なかなか意見はまとまらず、その後も話し合いが続けられました。

■ 映画をテーマに選んだチームでは、調べたい項目について意見もまとまり、はやくリサーチに行きたいと話していました。映画に出演した俳優や映画の歴史、種類、使われた道具などをリサーチし、これら4つの関連性についても調べることができればと考えているそうです。「チームワークがいいんだよね。」と自慢そうに女子生徒がLAに話しかけると「女子はね、男子は少し消極的かな。でも無関心なわけではないから、きっと大丈夫。リサーチでは活躍してくれると信じています。」と話してくれました。
■ ここで各チームのリサーチプランについて発表してもらうことになりました。SVはチームが発表してくれた項目を、黒板に書いていきます。「いろいろなリサーチプランが出ましたね。ひとつの項目についてでも、何について調べるかによって違ってくると思います。調べて終わりではつまらないでしょう。発表の時には、調べた事柄について自分の考えも入れて欲しいと思います。これらのことを踏まえてリサーチをしていきましょう。」

9:45 リサーチ開始

■ 休み時間をはさんで、リサーチ開始です。チームごとにマルチメディアルームに移動します。パソコンはチーム内で話し合いができるように、隣同士で使用します。画像やグラフなど書き写すことが困難な場合以外、プリントアウトはできないため、大事なところはメモを取ります。多くの情報の中から、どこが必要なところなのかも、自分達で選択していきます。

■ ディズニーのホームページを見ているチームがありました。「きゃーかわいい!」と女子生徒たちは大騒ぎです。ディズニーの新作映画情報を見ながら「ディズニーの昔の映画情報はどこに載っているのかな?」「でも映画情報だと本当に長編映画しか載っていないかも。」「歴史を調べるのにはどうしたら良いのかな?」と生徒たちは悩みます。「そうだ。"ディズニーの歴史"で検索してみたらどうかな?」とひとりの生徒が提案すると「やってみよう。」とさっそく検索してみることに。

■ そこでミッキーが主演した映画が載っているサイトを発見しました。「ウォルト・ディズニー100周年記念サイトだって。ここなら載っているかもね。」と期待に胸を膨らませながらページを開きます。すると「あれ?さっきと同じホームページだ。」と戸惑う生徒たち。先ほど見ていたディズニーホームページのトップページが出てきてしまったためです。「きっとこの中にあるんだよ。一緒に探してみよう。」と生徒の様子を見にきたLAに励まされ、ひとつずつページを調べていくことにしました。

■ スポーツをテーマに、テニスプレーヤーの練習の仕方やプレースタイルについて調べているチームがありました。テニス部に所属しているため、このテーマを選んだそうです。もうひとりの女子生徒は、テニスを題材にしたマンガが好きで、このテーマに興味を持ったと話してくれました。選手のプロフィールや、大会での順位表などを書き写していましたが、自分たちの思うように調べたいサイトが出てきません。「検索サイトで調べたい項目が出てこないときは、検索するキーワードを変えてみるといいよ。」とLAからアドバイスを受けていました。

■ アメリカのディズニーランドと日本のディズニーランドの違いをテーマにリサーチを行っているチームもありました。このチームは大きなテーマは決まったものの、細かい内容の部分での意見がなかなか1つにまとまらず、調べる内容ごとにいくつかのグループに分かれてリサーチを行っていました。同じディズニーランドという名でも、たくさんの違いがあることに興味を持ったそうです。

■ ディズニーランドのエレクトリカルパレードについて調べている生徒たちは、ひとりの生徒がホームページの内容を読み上げ、もうひとりの生徒がそれを書き写していました。「パレードルートって700mもあるんだね。」「これも書いておく?」「そうだね、あとコスチュームについても調べてみない?」「おもしろそうだね。」と2人で相談しながらリサーチを進めていました。ホームページを見ていくうちに、調べたい項目がどんどん増えてしまったと、少し困った顔をしながら話してくれました。

■ 同じチームでも、こちらはLAと一緒に"くまのプーさん"についてリサーチを行っていました。"クラシックプー"と"ディズニープー"の違いについてリサーチしていました。 "くまのプーさん"の作者はディズニーとは違う人なのに、なぜディズニーキャラクターの中に入っているのか知りたいと思い、この項目を調べることにしたそうです。

10:40 発表準備
■ 休憩をはさんで、3時間目のはじまりです。SVから「あと15分でマルチメディアルームは閉めます!リサーチはそれまでに済ませてください。」と言われると「まだ調べたりないよ。」と満足のいくリサーチができていないのか、不満げな生徒もいました。リサーチの終わったチームから教室に戻り、発表準備に取り掛かりました。

■ リサーチの結果分かったことに加え、自分たちの考え・アイデアなども入れて発表できるようにディスカッションを行います。「みんな納得できるリサーチができたかな?ただリサーチしたことを書き並べるだけではつまらないよね。自分たちの思いを入れながら、楽しい発表にしましょうね!」というLAに「思いって?」と質問する生徒。「テーマについて調べて分かったことや気付いたことなどです。リサーチしながら"おーっ"とか"へー"とか言っていたよね。その時思ったことを発表してみよう!」とLAが笑顔で話していました。

■ 「あくまでも発表するのはみんなだから。みんなのアイデアを工夫した発表ができるといいよね。そのためにはまず、なにをしたら良いか考えてみて。」LAの言葉から生徒たちは再び、話し合いができるように、机をはさんで向かい合います。「模造紙に書く前に、発表する内容をまとめたほうがいいのかな?」「みんな調べたことが違うから、なにをメインに発表するか考えよう!」お互いに調べた内容を見せ合い、まとめることからはじめることにしました。

■ リサーチを終えたチームが、徐々に教室に集まり始めました。アメリカと日本のディズニーランドをテーマにリサーチを行っていたチームも戻ってきました。「ではさっそく発表準備を始めましょう。はじめにみんながどんなことを調べたのか、チームの他の人にも教えてあげてください。」このチームでは、それぞれの生徒が調べたことから関連性を見つけるため、どのようなことを調べたのか、お互いに話していくことになりました。
■ 「この前のようにひとりずつ話してもらおうかな。」前回に比べると成長した生徒たちですが、まだまだ一番に意見を発表する勇気がないようです。「じゃあ、今度は私の右隣りの人からお願いします。」調べた内容について、ひとりずつメモした紙を見ながら発表していきます。ひとりが発表すれば、後の生徒も進んで発表していきますが、全員話し合いの輪の中にいるものの、他の人の意見を聞こうとはしません。「他人の意見を聞くことも大切だよ。そこから新しい発見があるかもしれないし。」とLA。
■ 「はじめにまとめなければ、模造紙に書いてもバラバラの意見になってしまうよ。今まとめておけば、発表準備も順調に進むはずだよ。」話し合いが進まず、意見をまとめることの難しさを実感している生徒たちに、LAはヒントを出します。作業に少し飽きてしまった様子の生徒たちでしたが、来週発表が行われることを聞くと「えっ?来週は準備できないの?」とLAに質問していました。

■ 「そうだね、まだ分からないけれど。」LAは答えます。「もし準備する時間なかったらどうしよう。」「今から順番に準備を進めておけば大丈夫だよ。さっ、内容を決めましょう!」発表に至るまでの時間が残り少なくなってきたことを知ると、チーム全員がやる気をとり戻しはじめました。この後もLAにアドバイスを受けながら話し合いが続けられました。他人の意見を聞くようにはなりましたが、その意見に対して発言することができません。今後の課題になりそうです。

■ SVから模造紙とペンが配られました。今回は模造紙をメインに発表を行います。ディスカッションの終わったチームから、模造紙に発表する内容を書いていきました。アメリカ映画をテーマにリサーチを行ったチームは、人気映画ベスト3やハリウッドスターベスト3などのランキングを書いていました。このチームは他のチームに比べると、発表準備が進んでいるようです。

■ 「このぐらいの字の大きさでいいの?」「みんなに見えるように、できるだけ大きく文字は書いたほうがいいよ。」「もう少し大きく書くか。」と発表のために工夫を重ねていきます。鉛筆の下書きを消しゴムで消しながら「次もこの続き?」とLAに尋ねている生徒がいました。「そうだよ。発表が残っているからね。」「はやく終わりにしたいな。」と女子生徒。「あと1回だから。それにこのチームは良いチームだよ。まとまりもあるし。」「そうかな?」と少し不安そうながらも、LAに誉められ再び文字を書き始めました。

■ 3時間目の残り時間も少なくなり、SVから次回の発表について説明がありました。「みなさん、発表準備はどうですか?次回は各チームごとにテーマに沿って調べた内容を発表してもらいます。発表準備は終わりそう?」と聞かれた生徒たちは「終わらないかも・・。」とうつむきながら答えるチームもあれば、「大丈夫です!」自信たっぷりに答えるチームもあります。その様子に、SVが「次回も発表準備の時間は取るので大丈夫です。」と答えると、生徒たちは少し安心したようでした。

■ 最後に自己評価シートを記入して、机をもとの位置に戻します。学級委員の号令で挨拶をしたら解散です。LAと一緒に模造紙を片付ける生徒の姿が目立ちました。「また次回もよろしくね!」と仲良くなったLAに話かけている生徒もいました。

■ 次回は、いよいよ発表を行います。発表準備を進めるチームもあれば、話し合いだけで終わってしまったチームもありましたが、最後まで諦めずに完成させてくれるでしょう。調べたことに対して、自分たちの思いや考えを取り込み、それぞれのチームの個性ある発表を楽しみにしています。
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