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共栄学園中学校 Kyoei&Honda最先端学習 第3回土曜講座

2003年8月13日
by 平出桃子

■第3回から第6回まで同じテーマ、同じチームで活動を行います。ディスカッション・リサーチ・発表を通して、前回に続きディスカッションの姿勢を身に付けると共に、チームワークの大切さ・リサーチの方法・プレゼンテーション技術などを学びます。楽しいだけのディスカッションではなく、ディスカッションのルールを知り、意味について考えていきます。


8:50 チーム分け発表
■ はじめに出席を取りました。名前を呼ばれると、元気よく返事をしていく生徒たち。この土曜講座にもすっかり慣れたようです。出席を取り終えたら、SVよりチーム分けの発表が行われました。「今日からチームに分かれて活動をします。今までは好きな人同士で組んでいましたが、今回から決められたチームで活動します。チームはこちらで決めてきました。では発表します。」生徒たちからは「え〜っ!」「どういう基準で決めたんですか?」という不満そうな声が聞こえてきました。

■ SVがチームごとに生徒の名前を読み上げていきます。生徒たちは、はじめてのチーム分けに緊張しながらも、どこか楽しみにしている様子。今回は1クラスで男女混合の8人3チームを作ります。いつ自分の名前が呼ばれるか、身を乗り出してSVの声に聞き入っていました。仲の良い友達と同じチームになれた生徒は大喜び。また各チームに付くLAが紹介されると、LAとも仲良しになったようで、「よろしくお願いします!」と挨拶していました。


9:05 ブレインストーミング

■ 「今週から3回に渡って、このチームで活動します。みんな仲良くしてね。ではさっそくチームごとに集まりましょう!」チームごとに机を移動して集まったら、プログラムのスタートです。「では今日の作業について説明します。LAのみなさん、模造紙を取りに来てください。」LAの持ってきた模造紙を、机に広げる生徒たち。「何するの〜?」とLAに聞いている生徒もいます。

■ 「今回もディスカッションをしたいと思います。話し合いをして、意見をひとつにまとめるということを、前回はやったと思います。今回は、ひとつにまとめた意見をリサーチして、発表をします。前回同様楽しいディスカッションを繰り広げてね!」「また話し合いかぁ。」とディスカッションに苦手意識を持っている生徒は、少し嫌そうな顔をしていました。「大丈夫だよ。話し合いだけじゃなく、今回はリサーチもあるし。きっと楽しいよ。」とLAが声を掛けていました。

■はじめのプログラムはブレインストーミングです。自分の頭の中にあるアイデアや発想を文字にして表現し、まとめやすくします。また、話すことが苦手な生徒も、書くことによって意見を出しやすくしていきます。「"アメリカ"という言葉を聞いて、思い浮かべることは何ですか?」というSVの質問に「国旗!」「自由の女神!」「松井!」と様々な答えが出てきました。「そうだね。みんなたくさん思い付きそうですね。では、みんなの目の前にある模造紙に、"アメリカ"から連想するキーワードを書いてみましょう!」

■大きな模造紙を前に、どこから書いていったら良いのか戸惑う生徒たちに、「みんな好きなところから書いていいよ。とにかく思いつくまま書いていこう。」とLAがアドバイスをしていきます。全員が紙に手が届くように、余分な机を外します。「題とかいるのかな?」「真中に"アメリカ"って書いたほうが分かりやすいよね。」と女子生徒は大きな文字で書き始めました。ここのチームは、女子生徒は積極的に活動していますが、男子生徒は少し離れて座っており、参加していませんでした。元気の良い女子生徒に圧倒されているようです。

■箇条書きで、思いつくままにたくさんキーワードを書き続ける生徒もいれば、絵を描いて表現している生徒もいました。一通りキーワードを出し終えると、生徒たちのペンが止まりました。「もう無いよね。」「結構いっぱい出たし。もういいんじゃない?」という生徒に、「まだまだあるよ。そうだなぁ、例えばアメリカっていう国で考えるのではなく、アメリカ人のイメージって日本人と比べてどうかな?」とLAが生徒の想像力を膨らませます。「金髪」「そばかす」と新たなキーワードが再び出てきました。

■ なかなかキーワードの出てこないチームは、社会科の教科書を見ながら、キーワードを書き出していました。「社会科の勉強ではないから、教科書見なくてもいいんだよ。」というLAの言葉に「教科書を見たほうが、たくさん思い付くから。」と生徒たち。ふざけあっていた男子生徒たちも、女子生徒が真面目に考えている様子に影響を受けたのか、少しずつ参加し始めました。全員で考えるようになると、徐々にキーワードが増えてきました。
■ 真中に立派なロゴを書いているチームもありました。こちらのチームでは"五大湖"や"日本の輸入1番の国"など、地理的なキーワードが多く並んでいました。「みんな詳しいんだね。」とLAが感心していると「実は地理の授業で、アメリカの勉強をしたばっかりなんだ。」と秘密を教えてくれました。キーワードがたくさんあり、模造紙は文字でいっぱいになってしまいました。「しょうがない、裏に書くか。」と生徒たちのイメージは、収まることを知りません。模造紙を裏にすると、男子生徒も女子生徒も一緒になって、我先にとキーワードを並べていきました。
休み時間の間も、手を休める生徒はいませんでした。SVから「みんな休み時間だよ。今休まないと、後から疲れてしまうよ。」と言われるまで、気付かなかったようです。「みんな、どれくらい書けているかな?」と他のチームの様子を気にする生徒もいました。

9:45 関係図作り

■ どのチームも書き始めると止まらなくなってしまったようで、真っ白だった模造紙は、裏も表も文字で埋め尽くされていました。「たくさん書きましたね!みんなのイメージが膨らんだことがよく分かります。」とSVも驚いていました。「では次の作業に移ります。今みんなに出してもらったキーワードを、テーマに沿ってカテゴリー別に区切って欲しいと思います。間違いはありません。自分がこれだ!と思ったものを、自由に分けてください。」

■ 「これメチャクチャで、どこを区切っていいか分からない。」と、文字で白い部分が見えない模造紙を見て、やる気をなくしている生徒がいました。「大丈夫だよ。別の紙にまとめていこう。」とLAが励まします。「一番多いカテゴリーは何かな?ペンで色分けをしながら考えよう。」LAのアドバイスに従って、生徒たちもやる気を取り戻します。キーワードが多く、まとめることが困難なチームも多くありましたが、少しずつカテゴリー別に分けていきました。

■ 「みんな、出来ましたか?各チームどのようなカテゴリー分けになったのか、発表してもらいたいと思います。最初のチームはどこですか?」「はい!」と元気よく手を上げる女子生徒。やはりここでも女子生徒のほうが積極的なようです。"食べもの""映画""キャラクター""観光地""スポーツ"などのカテゴリーが多く出ました。"地名"や"産業"といった地理的なカテゴリーや、女子に押され気味だった男子生徒たちも意見を出し始め"武器""バイク"など男の子らしいカテゴリーも発表してくれました。

10:15 チームディスカッション〜テーマ決め〜
■ 「各チーム、独特のものがあるようですね。では、今あるカテゴリーの中から自分がどの分野に興味があるのか考えてみよう。そして自分だったら、どんなことをもっと調べてみたいか考えてみましょう。決まったら、自分の意見をまわりの人に伝えてください。そしてチームでひとつ、調べたいテーマを選んでくださいね。」

■各自調べたいテーマが決まったら、ディスカッション開始です。「調べやすいテーマがいいな。"食べ物"なんてどうかな?」「食べ物にもいろいろあるから、そこから広がりを持たせることも出来るね。」「でしょ、だから"食べ物"にしよう!」とひとりでテーマを決めてしまおうとする女子生徒に、男子生徒は少し不満そう。「他の人の意見も聞いてみよう。みんなどうかな?」とLAが聞いても、誰も答えません。

■不満そうな男子生徒は、隣りに座っているLAに小さな声で話かけていました。「君の意見はいいね。その意見をみんなに伝えたらどうかな?自分の意見を持つことは大切なことだよ。さらに自分の意見を相手に伝えることはもっと大事。」とLAに励まされ、「あのさ、"戦争"っていうテーマはどうかな?」と勇気を持って、自分の意見を伝え始めました。「はぁ?なんで?」と今度は女子生徒が不満そうな顔をしていました。

■LAに「理由も言わなきゃ。」と背中を押されます。「"食べ物"はたしかに調べやすいかも知れないけれど、ありきたりで、他のチームも出しているし。その点、"戦争"はこのチームだけのカテゴリーだった。調べがいのあるテーマだと思うな。」と自分の意見を述べていきました。女子生徒たちは納得したようですが、"戦争"について興味がないようです。みんなが興味のあるテーマが見つかるまで、話し合いが続きました。

■休憩をはさんで、3時間目が始まりました。SVより次回の内容が発表されました。「今日選んだテーマに沿って、リサーチを行います。まだ、テーマが決まっていないチームもあるようですね。調べたいことがあるテーマを選ぶのも良し。今までみんなが知らなかったテーマを選んで紹介するのも良し。テーマ決めのポイントはたくさんあります。テーマの決まっていないチームは話し合いを進めてください。」

■3時間目も引き続き、ディスカッションが行われました。調べるテーマが決まったチームは、そのテーマについて、何を詳しく調べるかを話し合っていました。あるチームのテーマは"映画"。全員一致で即決したそうです。「"映画"と言えば、ディズニーでしょう。」「ディスニーの昔の作品とか調べてみたいな。」「いいかも、今と昔の映画を比較するのはどうかな?」と生徒たちの意見交換は続きます。

■「比較するとしたら、同じ映画とか、キャラクターが出ていないとね。」「ミッキーマウスの作品はどうかな?」「最初の作品は"蒸気船ウィリー"だったかな?」と女子生徒が、突然、話し合いに参加していない男子生徒に質問しました。話し合いに飽きてしまった男子生徒たちは、「うん、そうじゃない。」と興味のない様子でしたが、これをきっかけに再び話し合いに参加するようになりました。

■「ミッキ―の最新作は何かな?」「あっ、魔法使いみたいな格好しているやつ!」「ファンタジアはもう古いよ。」「じゃあ、新しい作品を調べてみたら?」とLAがアドバイスをします。「そうだね、そうしよう!あとは、ロケ地を調べるのはどうかな?」と女子の話し合いは続きます。「ミッキ―マウスじゃなければいけないの?」と男子生徒が意見を出すと、「例えばどんなの?」とリーダー役の女子生徒が聞き返していました。彼は、ディズニーの長編映画に興味があるようで、その旨を伝えていました。

■それぞれのチームに、リーダーシップを発揮する生徒の姿が目立つようになってきました。テーマが決まり、調べる事柄も決まったチームは、役割分担をしていました。「リサーチはどのように行うのですか?」という生徒の質問に「主にインターネットを使って調べます。」とLAが答えていました。「じゃあ、調べる人と調べたことをメモする人に分かれよう!どっちをやりたいか希望を言ってね。」とリーダーシップを取る女子生徒が、ひとりずつチームメイトに希望を聞いていました。


11:00 テーマ発表
■ チームで選んだテーマを発表し、なぜそのテーマを選んだのか、具体的にどんなことを調べたいのか発表していきました。全員が消極的なチームでは、誰が発表するかでもめていました。「俺はカテゴリーの発表したからもう嫌だ。」という男子生徒や「はやく発表しなよ。」と人任せな女子生徒もいます。それでも最後は「しょうがないな。」と言いながらも、男子生徒が進んで発表してくれました。少しずつですが、生徒たちも変わり始めているようです。

■スポーツをテーマに選んだチームは、アメリカではスポーツが盛んに行われていることと、スポーツの大会が開催されることが多いことから、このテーマに決めたそうです。具体的には、サッカーチームのユニフォームや、プロレスのチャンピオンベルト、格闘技選手のプロフィールなどを中心にリサーチを進める予定です。「なぜアメリカでは大会が多く開催されているのか、それを調べるのもおもしろいと思うよ。」というSVからの提案もありました。

■ 映画とアニメをテーマに選んだチームは、アメリカ映画の歴史に魅力を感じ、どんな作品があるのか、どんな音楽が使われているのかなどをリサーチすることに決めました。また、有名人について調べようと思っているチームなどがありました。テーマは決まりましたが、具体的なことが決まらず、もう少し話し合いが必要なチームもありました。SVは「みんなが今まで気付かず、驚いてしまうような発見があるといいですね!」と各チームのリサーチに期待していました。


11:10 ディスカッション振り返り
■ ここで、今日行ったディスカッションについて振り返ることにしました。「みんな、今日のディスカッションはどうでしたか?自分の意見を言うことができたか?参加することができたか?チーム中で、今日のテーマ決めディスカッションの感想を話し合いましょう。」

■「みんな、今日のチームディスカッションはどうだったかな?感想を教えて。」とLAが生徒たちに問い掛けます。「はじめてのチームだったから、自分の意見を言えない時もあったけれど、話し合いはできていたと思うな。」と自信を持って答えてくれました。「意見を言うまで時間がかかったけれど、1度意見を出せば、自然に次も出てくるみたいだ。」とディスカッションに苦手意識を持っていた生徒も、積極的に参加できるようなったと喜んでいました。「そうだね、始めはみんな黙っていたけれど、少しずつ意見も言えるようになってきたね。」とLAも生徒たちの良くなった所を伝えていました。

■別のチームでは、今のチームメイトに不満を持っている生徒がいました。LAに「どうして?」と聞かれると「なんとなく・・。話し合いも進まないし。」という答えが返ってきました。「話し合いを進めることも大切だけれど、中身も大切なんだよ。みんなが納得して決まるまで、話し合いを続けることも大事。話はまとまらなかったけれど、今日は全員が意見を言うことができたはず。」と結論だけではなく、ディスカッションのプロセスの大切さを説明していました。

11:20 今日のまとめ

■ LAが各チームのディスカッションの様子をコメントしていきました。「男女の壁がなく、みんなで話し合いをスムーズに進めることができました。」「話し合いは自分の意見だけに執着していた生徒もいましたが、来週リサーチを行うことを聞いて、チーム内でどのような役割分担をしたらよいか、チーム全体で考えられるようになりました。」など、それぞれのチームの良いところをコメントしていきました。

■ SVよりディスカッションを行う意図について説明がありました。「みなさん、お疲れ様でした。みんながやっているディスカッション。実はとても難しいことなのです。なぜそんな大変なことをやっているのか分かる?」「え〜、話し合うことが大事だから?」という生徒の答えに「そう、話し合うということは大事なことです。でも自分の意見を相手に伝え、みんなの意見をまとめるということは、本当に大変なことです。でもこのディスカッションは、これから大人になっても必要になってきます。だからこそ、今からいろいろなものを吸収して、将来に役立てて欲しいのです。」と笑顔で答えていました。

■最後に自己評価シートを記入して、今日の土曜講座は終了です。「話し合いばかりだったから、疲れちゃったよ。」という生徒や、「でも模造紙にキーワードを書いたときは楽しかったよね。」とLAと話している生徒もいました。LAは模造紙と、カテゴリー分けした紙を回収しながら「来週も楽しみだね。いろいろなこと調べようね。」と次回のリサーチに向けて、気持ちを切り替えていました。
■次回は、選んだテーマについてリサーチを行い、発表の準備に取り掛かります。また今回と同様に、各自で調べた事柄についてディスカッションを行う予定です。はじめてのチーム形成に戸惑いを感じ、ディスカッションに参加できなかった生徒も、チームワークの大切さを学ぶことはできたと思います。次回、チームとしてどのように成長しているかも楽しみです。
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