| ■「各クラス発表会はできたかな?」と司会のSVが生徒たちに尋ねます。「やりました。」「発表もしたよ。」と元気な答えが返ってきます。「発表会はできたけれど、全員が発表することはできなかったようだね。小グループでの発表会は出来たかな?」「出来ました。」と各クラスのLAが答えます。「では、この時間は、各クラスの代表者ひとりずつに、論文を発表してもらいます。みんな心の準備はいいかな?」
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「今まで、チームの中で自分の意見を発表し、チームで協力し合って作業を進める勉強をしてきました。今回は自分ひとりの発表ということで、文句を言う人もいましたが、スムーズにできたと思います。ぜひ自分の意見を聞いて欲しいという人はいませんか?」生徒たちは、誰も手を挙げようとはしません。「イヤ?みんな発表したくない?」「したくありませ〜ん!」「みんなもっと積極的になろうよ!これも勇気だよ。」
■「それでは、各クラスのLAに決めてもらいましょう!誰に発表してもらうか決まっても、恨みっこはなしだよ。」「じゃんけんで決めようよ!」と最後まで発表を拒む生徒たち。「1組のLAさん、誰を推薦しますか?」生徒たちは、ざわめきながら、自分の名前が呼ばれるかもとドキドキしながら待っています。「そうですね、実はもう私の中で決まっています。是非みんなにもこの感動を味わってもらいたいなと思っているんです。」LAが名前を発表すると、ひとりの女子生徒が恥ずかしそうに席を立ち、みんなの前へ移動します。
■SVからマイクを手渡され、緊張がさらに高まります。一番の発表者なので緊張して当然です。同じクラスの生徒たちから「がんばれー!」とたくさん声援が送られます。彼女に笑顔が戻ります。論文を読み始めると会場内は静かになり、みんな彼女の論文に聞き入っていました。
| ● 1組代表 |
『川の汚染』 −要約−
私の家の近くの中川は、生き物が住めないほど汚れている。昔はキレイで生き物も普通に住んでいた川が、どうして現在のようになってしまったか?それは、私達人間のせいである。生活排水・工場排水が川の汚染の大きな理由だ。そこで川の汚染を防ぐために、様々な工夫をした。地下に下水道を通して、直接川に汚い水を流さないようにした。しかし、このような設備はまだ少ない。兵庫県では川の汚染を防ぐために、魚にやさしい石鹸作りを子供に教え、それを家庭で使うようにすすめるという活動をしている。しかし、川はキレイに戻らない。油500ml捨てた場合、浴槽330杯分のキレイな水が必要になる。その大変さを知らないで川にポイ捨てする人がいる。ちょっとしたことをみんなで守れば少しずつキレイになっていく。この問題はひとりでなんとかなる事じゃないので、一人ひとりが自覚して注意していかなければならない。 |
■大きな拍手の中、恥ずかしそうに席へ戻ります。「みんな、彼女の発表はどうだったかな?」とSVが生徒たちへ問い掛けます。「分かりやすくて、奥がふかいなぁと思った。」と感想を述べていきます。「身近なテーマから大きなテーマへと結びついていましたね。文章の流れも良かった。この文章に、汚染された川がキレイな川に戻った成功例を出すともっと良くなるでしょう。」とSVからもコメントを頂きます。続いて2組の代表者の発表が行われました。
| ● 2組代表 |
『商店街の活性化』 −要約−
このテーマに決めた理由は、商店街の活性化についてチームごとに取り組んだが、自分の意見を相手に伝えきれなかったからだ。僕たちのチームでは、大手企業を入れる事と、外国文化の店を入れるという案が出た。僕自身の考えは、たしかに人は来るけれど、あくまで社員しかその会社には来ないし、どこかをつぶして建ててしまうわけだから、繁栄の逆である。仕事から帰るのも遅いため、店なども閉まっている可能性が高い。そして、外国文化の店を建てても外国人が来るわけでもなく、国際化するわけでもない。自分の意見として、国際化のついては、外国人に日本の文化を伝えるためのイベントを開くと良い。毎回いろいろなイベントを行えば、口コミで人は増えると思う。活性化は、お店お店で少しずつ工夫をする。例えば、とうふ屋なら、土曜が休みの小学生に、とうふ作りを見せてあげたり、料理教室を開く。とうふの利用価値を知ってもらうことなどを商店街中で行えば、しらずと人はまた口コミで来るため、商店街も活発になる。 |
■大きな拍手が再び起こります。「テーマについてではなく、どうしてこのテーマを選んだのか切々と語られていたね。君はどこが良かったと思う?」とSVが生徒にマイクを渡します。「よくまとまっていて、うまく言えないけれど、自分の意見をしっかりと持っていると思った。」「そうだね。彼の論文は抽象的だけど、良い見方をしています。」SVや同級生から誉められ、少し照れている様子。次に、3組の発表が行われました。
| ● 3組代表 |
『リサイクルについて』 −要約−
近ごろゴミをポイ捨てする人が多い。日本はゴミの廃棄量が、世界でもトップクラスなのに、リサイクルになると世界ワースト1位で資源の大切さがわかっていない。埼玉県では、ごみは燃えるか燃えないかだけしか分けておらず、魚のトレイなどスーパーで回収しているが、大半の人は捨てている。2001年に「リサイクル法」ができ、それが原因で不法投棄が増えた。その反面、紙や缶、ビンの回収率は増えている。ドイツは、リサイクルについて世界で最も技術と制度が整っている。1991年「包装廃棄物の回避のための規則令」が制定され、企業で売ったものの包装類は、企業で回収するというものだ。缶ジュースを作って売る会社では、缶類は、その会社で回収する。この制度ができて4年後のドイツでは高い効果をあげている。僕は今よりもっとリサイクルが進歩するために、月に一度のリサイクルデー(それぞれの地区で、当番制にしてごみをリサイクルできるもの、できないものに分ける日)を考えた。小さな活動から、大きなものにして、日本を世界一リサイクルの進んだ国にしたいと思う。 |
■「リサイクルについてよく調べてあると思います。自分のアイデアも良かったです。」と同じクラスの生徒が感想を述べてくれました。「そうだね、強烈な主張もあってよかった。発表してもらった3人に共通すること。それは、よく調べてあることと、自分の主張があること。この2つは論文を書くうえでとても大切なことです。」さらにSVは続けます。「今回は、みんな積極的に論文制作に取り組めたと思います。勉強スタイルもとても良かった。本当はここにいる全員に発表をして欲しかったな。」時間の関係もあり、発表会はここまでになりました。
■発表会の後は、土曜講座のまとめです。一年間生徒と共に勉強し、歩んできたLAたち。教室の前へと移動し、生徒たちを見渡します。この15回の土曜講座を通して気付いたことや感想などを順番にコメントしていきました。「1年間で大人になったね。成長と共に仲間も増えたと思います。この経験を大事にしてください。」「みんなから学ぶこともたくさんありました。物事を煮詰めてじっくり考えることも忘れずに。」「みんな一人ひとり良いところがあります。その良いところを大切にして、これからもがんばってください。」各LAのコメントにも熱が入ります。生徒たちも真剣な眼差しで、LAからのコメントに耳を傾けています。短い言葉でしたが、生徒たちにとっては忘れられないメッセージになりました。
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