| ■「地球温暖化の原因を良く調べているね。」LAは女子生徒の論文を読みながら、気付いた点を指摘していきます。「"地球温暖化が起っている。原因はなにか、例を挙げる。それを少しずつ改善させていく。自分ではこう改善していこう"という流れで書いてあり、とても理解しやすいね。原因を書く前に、"昔は無かった地球温暖化が、なぜ今は進行しているのか、それはこういう理由がある"という文章を加えたら、さらに分かりやすくなると思うな。」女子生徒はLAの意見を聞きながら、書き加えていきます。
■「語尾を揃えることも大切だよ。"です・ます調"にするのか、"だ・である調"にするのか、統一したほうが文章もきれいになるから。」「どっちにしたほうがいいのかな?」「そうだね、今回は"です・ます調"にしよう。」「直すところたくさんあるかも。」「読みながらおかしいなと思った時に、一緒に直していこう。」LAの細かな指導にも熱が入ります。「"ゴミを無くすために、今ではゴミを肥料に使える"という文はおかしいよね。"今ではゴミを肥料に使う技術も開発された"のほうが読みやすいし、理解しやすいよ。」「なるほど、そこまで気がつかなかった。」
■ふたりが作業を続けていると、別の生徒が「リンカーンっていつの時代の人ですか?」と質問に来ました。リンカーンの奴隷解放について書いているようです。「18世紀?19世紀?どっちだっけ?」と突然の質問に答えるLA。発表会まで時間はあと少し。みんな、最後の追い込みに大忙しのようです。
■提出人数も多く、1時限目に多くの生徒が論文を完成させた3組では、論文発表会が行われていました。教室内はとても静かで、緊張感に覆われていました。
| ● クラス内論文発表(1) |
『最新の医療事情について』 −要約−
テレビや新聞で、医療関係の事故がよく取り上げられる。なぜこのような事が起こるのだろうか?まず小児科の減少について考えてみる。子ども相手の治療は大変で、ストレスを感じ辞めてしまう医者もいる。しかし、子どもの尊い命を守れる一番身近な存在は小児科である。誤った医薬品の投与などの医療ミスは一番深刻な問題である。解決策として、医薬品の読み間違いは、医薬品の名前を変更することで解消できる。手術ミスについては、ERという運び込まれた患者に適切な処置を施した後に、適切な診療科に連れて行く新しい制度を作る。アメリカでは、ERによって医療ミスの減少に成功している。これらのことから、医者は人の命を今以上に真剣に見つめ、医療技術を見つめなおし、さらに多くの人々を救うための医療技術の進歩を目指すべきだ。 |
■発表が終わると、拍手が起こりました。SVからコメントを頂きます。
| SV |
「力強くかっこよかった。技法にも凝っていて効果的。言葉の組み立てがとても上手でした。他のLAはどう思いましたか?」 |
| LA |
「街の小さな診療所が無くなるのは、時代の流れなのでしょうね。最近では、大病院の小児科が無くなってしまうことも多いです。がんばって続けて欲しいと思います。」 |
| SV |
「基本を忘れずに、良いサービス、良い医療を目指して欲しいです。では、次はだれに読んでもらいましょうか?」 |
■ざわめいていた教室内が一瞬にして静かになります。「次だれ〜?」「はやく読みなよ〜」とみんな自分の発表を拒んでいます。生徒たちからの推薦を受けた男子生徒が読むことになりました。
| ● クラス内論文発表(2) |
『都市とエネルギー環境について』 −要約−
現在、世界中で人口の増大と経済成長に伴い、エネルギー消費量が増加の傾向にある。しかし、資源エネルギーには限界がある。そこで、今注目されているのが、原子燃料リサイクル(プルサーマル計画)である。原子力発電所で使われた燃料の燃え残りのウランなどを再利用するというものだ。だがその反面、危険性の問題がある。エネルギー使用量を減らすことも考えなければならない。電気の節電などは、一人ひとりが意識すれば簡単にできるものだ。理想の都市とは、自然を守り環境を整備し、大切なエネルギー資源を有効に活用して人間と自然が共存する平和な都市である。 |
| SV |
「よく調べたと思います。LAのみなさんどう思いますか?」 |
| LA |
「自分のために節電を行っていたけれど、本当は地球のために節電しなければいけないと、身にしみて思いました。」 |
| SV |
「ゴミを捨てることについて考えさせられる内容でした。」 |
■発表会の時間もあと少しになりました。もう一人発表してもらおうかSVが悩んでいると、女子生徒が前に出て、「時間大丈夫だよ、もう一人発表してもらおう!私が決めてあげる!」とSVに隣りに立ち、「神様の言う通り〜♪」と歌いながら生徒たちを指差していきます。SVがすかさず、「自分も入れてね!」と言うと「わかってます!あっ、私!?」結局最後は自分のところで指が止まってしまいました。少し恥ずかしそうにしながら、自分の席へ論文を取りに戻りました。
|