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共栄学園中学校 最先端学習 第15回土曜講座 [1]

2003年3月17日
by 平出桃子

ついに迎えた土曜講座最終回。前回は、1年間勉強し得た知識を活用し、また新たに、自分と向き合うことを目的とした論文作成を行いました。今回は最終回にふさわしく、1年間の土曜講座を通して自分なりに発見した問題点について考察し、まとめた論文の発表会を行います。チーム発表と違い、一人ひとりの発表のため、緊張している生徒も多いかもしれません。自分と向き合うためにも、たくさんの生徒に発表してもらいたいと思います。


8:50〜9:35 小論文ブラッシュアップ
■1時限目の始まりです。クラス単位で出席を取り、先生方に回収して頂いた小論文とフロッピーを生徒に返却します。2組では、LAが出席を取っている間もペンを走らせる生徒が何人かいました。「論文完成した人はいるかな?今書いている人は、どのくらい書けたのかな?」とLAが論文に夢中になっている生徒たちへ尋ねます。「あとちょっとで終わりまぁーす!」という生徒もいれば、「無理!全然終わらない!」という生徒もいます。土曜講座の前日までに論文を完成させ提出することになっていたのですが、2組では提出できた生徒は3名しかいませんでした。実は前日に合唱祭が行われており、そちらの練習が忙しく、論文まで手のまわらない生徒が多かったそうです。
■「今日のスケジュールを説明します。1時限目は論文作成の続きをしたいと思います。できていない人は、できるところまで書き進めましょう。完成させた人は、できていない人のアドバイザーになってください。2時限目はクラス内で発表会を行います。みんなが発表できるようにしたいと思っています。」発表という言葉を聞くと、途端に生徒たちはざわめき始めます。「やだー発表したくない!」「人前でこれ読むのはずかしー!」自分の意見を他人に発表することを恥ずかしく思う生徒が多いようです。しかし今回は自分で自分に立ち向かうことが目的です。「みんな、チームの時のように堂々と発表すれば大丈夫だよ。自分の意見に自信を持って。」とLAが明るく声を掛けます。
■「3時限目は、多目的教室へ移動して、全体で小論文の発表を行います。2組からも代表で1〜2名に論文発表をしてもらいます。」「それはだれが決めるのですか?」「だれか立候補したい人いるかな?いなければこちらで決めます。」「当たったらいやだなぁ」と論文を書きながら小声で言う生徒もいます。「書かなければ当たらないかも。」と言う生徒には「途中まででも発表してもらうかも!」と笑顔で答えるLA。「書けるところまで書く!さっ、あと少しだから頑張れ!」とLAに励まされ、論文に取り掛かりました。

■ 「論文完成した人はいるかな?もし、論文を書き終えた人がいたら、PCルームを使って印刷してきてください。PCルーム使いたい人いる?」「はい!」と数人の生徒が手を挙げます。「印刷だけだよ!リサーチじゃないからね。作文用紙に書いてきた人も、Wordで入力して完成させてください。PCルームへ移動する時は、必ずLAの許可をもらってからね。」2〜3人の生徒が席を立ち、LAに許可をもらってPCルームへ向かいました。

■「まだ書き終わらない人は、続きを書きましょう!みんな半分くらい書けている人が多いみたいだね。もちろんわからないことがあったら、LAに相談してください!」友達と相談しながら書き進める生徒もいれば、早速LAのもとへ駆け寄る生徒もいます。論文提出が少なく心配していた2組でしたが、生徒のやる気は思っていた以上で、そこにLAの力が加われば、発表会までに論文完成できる生徒が多くいるでしょう。

■1組では、論文提出していた生徒が多かったため、5〜6人のグループに分かれ、お互いの論文を読み合い、意見交換を行っていました。各グループにひとりずつLAが付き、今後の参考になるよう、論文の良い点などを具体的に取り上げてアドバイスしています。また、論文の完成している生徒は、論文未完成の生徒のアドバイザーになるように一緒のグループに入っています。

■クローン人間についての論文を、グループ内で発表している女子生徒がいました。彼女の論文内容は、「テレビや新聞でクローン人間誕生のニュースを見て、私たち人間に及ぼす影響を考えてみた。生活が豊かになり、モノが溢れているため、私たちはモノを大切にしなくなった。モノのように同じ人間=クローン人間が簡単に作られるようになったら"人間の命"もモノのように扱われるだろう。科学を間違えて利用してはいけない。クローン人間誕生に私は反対だ。」というものです。

■LAは、頷きながら聞いています。発表が終わるとLAの一言。「すばらしい!」同じグループ内の女子生徒も「すごい!」とふたりで感動している様子。「深い内容で、とても知性的。論文の組み立てもできているし、具体的な話が入っているのもいいね。」とLAが生徒の良い点を誉めていきます。さらに論文を聞いていた生徒たちも「便利さを利用して、命まで利用してはいけない!言いたいことが、伝わってくる内容だった。」とみんなから誉められていました。

■「論文内容は大丈夫だね。ひとつ残念な事は、タイトル。今のタイトルは"クローン人間について"でしょ。自分の一番言いたいことを、タイトルに持ってくることも効果的だよ。」とLA。「言いたいこと?う〜ん、クローンは作らないこと!」「それはなぜ?」「平和な未来のために。」「では、それをタイトルにしてみたらどうかな?タイトルって結構重要なものなんだよ。」「じゃあ、タイトルは"未来のために"これでどう?」「うん、いいね。」やっと良いタイトルが決まり、生徒もうれしそう。

■「では、次の人お願いします。」と別の女子生徒に声をかけます。「え〜、いやだなぁ。」と言いながらも渋々論文を読み始めました。彼女は東京ディズニーランドについて書いていました。論文の内容は、「ディズニーランドへはなぜ行きたくなるのだろうか?それは来園した人が気持ちよく楽しんでもらうための努力をしているからだ。また、キャラクターの人気に頼ったり、おごったりすることなく、パレードなど季節ごとにイベントを変えるなど工夫している。後の利益のために、お金をかけて魅力あるテーマパークにする努力を怠らないこと。それが、人の気持ちを引きつける。ウォルト・ディズニーの夢の世界がここにある。」というものです。

■「何が言いたかったのかな?他のテーマパークとの違い?」「ううん、なぜディズニーランドが一番人気なのか。」「そうだなぁ、後の利益のために運営しているのだと思う?」「うん。」「私は利益のためより、ゲストが喜んでくれるサービスのためだと思うけど。どう?」「え〜、やっぱり利益のためでしょ。」「ディズニーランドは好きなの?」「もちろん、大好き!」「なら、自分も好きだということを書かなくちゃ。それから、ウォルトの夢の世界と書いてあるけど、具体的な内容を書いてみたらどうだろう?ウォルトの言葉を付け加えてみたらどう?」「これ以上長くなるのイヤなんだよね。」と生徒。やっと書き終えた論文を、書き直すことが面倒臭いようです。一緒に聞いていた生徒も「内容的に問題ないと思うよ。」と書き直す必要はないと言っていました。夢のあるディズニーランドが好きなふたりのようですが、考え方は現実的なようです。

■1時限目の終わりに、PCルームの様子を見に行きました。PCルームを使って作業している生徒は数名いました。Wordを使って論文作成をするために開放していたのですが、中にはネットでリサーチの続きをしている生徒もいました。書き進めていくうちに、調べたいことが出てきたようです。また、PCルームへ論文を印刷するために来た男子生徒は、LAを見つけると「2枚印刷してください。」とお願いしています。「えっ、2枚?」と聞き返すと、「1枚は提出用、もう1枚は自分用にします。」と言っていました。自分の論文に満足している証拠でしょう。


9:45〜10:30 小論文発表会

■10分間の休憩時間をはさみ、2時限目の始まりです。休憩時間の間も、論文を書き続ける生徒が多くいました。この時間は、小論文発表会を行う予定でしたが、完成人数の少ない2組では、20分ほど論文作成の時間を与えていました。

■ Wordでの論文作成を終えた女子生徒が、LAと一緒に最後のチェックをしていました。彼女のテーマは"地球温暖化"について。論文内容は、「地球の温度がどうなっているのか興味を持った。地球温暖化を防ぐ為には、エアコンを使わないことだ。フロンガスは使用中止になり、光化学スモックなどの大気汚染も良くない。人間の出すゴミも問題で、生ゴミを肥料にしたり、リサイクル活動をするべきだ。私達が身近なところから気をつけ、地球の環境や状態を知り、温暖化を防ぐ方法を考えるべきだ。」というものです。

■「地球温暖化の原因を良く調べているね。」LAは女子生徒の論文を読みながら、気付いた点を指摘していきます。「"地球温暖化が起っている。原因はなにか、例を挙げる。それを少しずつ改善させていく。自分ではこう改善していこう"という流れで書いてあり、とても理解しやすいね。原因を書く前に、"昔は無かった地球温暖化が、なぜ今は進行しているのか、それはこういう理由がある"という文章を加えたら、さらに分かりやすくなると思うな。」女子生徒はLAの意見を聞きながら、書き加えていきます。

■「語尾を揃えることも大切だよ。"です・ます調"にするのか、"だ・である調"にするのか、統一したほうが文章もきれいになるから。」「どっちにしたほうがいいのかな?」「そうだね、今回は"です・ます調"にしよう。」「直すところたくさんあるかも。」「読みながらおかしいなと思った時に、一緒に直していこう。」LAの細かな指導にも熱が入ります。「"ゴミを無くすために、今ではゴミを肥料に使える"という文はおかしいよね。"今ではゴミを肥料に使う技術も開発された"のほうが読みやすいし、理解しやすいよ。」「なるほど、そこまで気がつかなかった。」

■ふたりが作業を続けていると、別の生徒が「リンカーンっていつの時代の人ですか?」と質問に来ました。リンカーンの奴隷解放について書いているようです。「18世紀?19世紀?どっちだっけ?」と突然の質問に答えるLA。発表会まで時間はあと少し。みんな、最後の追い込みに大忙しのようです。

 

■提出人数も多く、1時限目に多くの生徒が論文を完成させた3組では、論文発表会が行われていました。教室内はとても静かで、緊張感に覆われていました。

● クラス内論文発表(1)
『最新の医療事情について』 −要約−
テレビや新聞で、医療関係の事故がよく取り上げられる。なぜこのような事が起こるのだろうか?まず小児科の減少について考えてみる。子ども相手の治療は大変で、ストレスを感じ辞めてしまう医者もいる。しかし、子どもの尊い命を守れる一番身近な存在は小児科である。誤った医薬品の投与などの医療ミスは一番深刻な問題である。解決策として、医薬品の読み間違いは、医薬品の名前を変更することで解消できる。手術ミスについては、ERという運び込まれた患者に適切な処置を施した後に、適切な診療科に連れて行く新しい制度を作る。アメリカでは、ERによって医療ミスの減少に成功している。これらのことから、医者は人の命を今以上に真剣に見つめ、医療技術を見つめなおし、さらに多くの人々を救うための医療技術の進歩を目指すべきだ。

■発表が終わると、拍手が起こりました。SVからコメントを頂きます。
SV 「力強くかっこよかった。技法にも凝っていて効果的。言葉の組み立てがとても上手でした。他のLAはどう思いましたか?」
LA 「街の小さな診療所が無くなるのは、時代の流れなのでしょうね。最近では、大病院の小児科が無くなってしまうことも多いです。がんばって続けて欲しいと思います。」
SV 「基本を忘れずに、良いサービス、良い医療を目指して欲しいです。では、次はだれに読んでもらいましょうか?」

■ざわめいていた教室内が一瞬にして静かになります。「次だれ〜?」「はやく読みなよ〜」とみんな自分の発表を拒んでいます。生徒たちからの推薦を受けた男子生徒が読むことになりました。

● クラス内論文発表(2)
『都市とエネルギー環境について』 −要約−
現在、世界中で人口の増大と経済成長に伴い、エネルギー消費量が増加の傾向にある。しかし、資源エネルギーには限界がある。そこで、今注目されているのが、原子燃料リサイクル(プルサーマル計画)である。原子力発電所で使われた燃料の燃え残りのウランなどを再利用するというものだ。だがその反面、危険性の問題がある。エネルギー使用量を減らすことも考えなければならない。電気の節電などは、一人ひとりが意識すれば簡単にできるものだ。理想の都市とは、自然を守り環境を整備し、大切なエネルギー資源を有効に活用して人間と自然が共存する平和な都市である。

SV 「よく調べたと思います。LAのみなさんどう思いますか?」
LA 「自分のために節電を行っていたけれど、本当は地球のために節電しなければいけないと、身にしみて思いました。」
SV 「ゴミを捨てることについて考えさせられる内容でした。」

■発表会の時間もあと少しになりました。もう一人発表してもらおうかSVが悩んでいると、女子生徒が前に出て、「時間大丈夫だよ、もう一人発表してもらおう!私が決めてあげる!」とSVに隣りに立ち、「神様の言う通り〜♪」と歌いながら生徒たちを指差していきます。SVがすかさず、「自分も入れてね!」と言うと「わかってます!あっ、私!?」結局最後は自分のところで指が止まってしまいました。少し恥ずかしそうにしながら、自分の席へ論文を取りに戻りました。

● クラス内論文発表(3)
『田舎開発』 −要約−
私の住んでいる所が田舎であることと、茂木で勉強した都市について興味を持ち、このテーマを選んだ。田舎が都市のように発達していないのは、交通の便が悪いために人が田舎に住まないからだ。千葉市にあるモノレールでは、駅の近くに公共施設があり、乗換えも便利である。しかし田舎の電車は住宅地ばかりで、車を使ったほうが早い。モノレールのように発展させるためには、公共施設を駅に近づけたり、都心へ行きやすくするための電車同士連絡をすると良い。また、田舎は欲しいものが手に入りにくい点から、大きな駅をつくり、そこにスーパーをつくる。こうして田舎は開発され、立派な都市になるだろう。

SV 「私が住んでいた所も田舎だったので、気持ちがよく分かります。」
LA 「デパートが無くても、お花茶屋商店街のような地元の商店街を大事にすることも大切だと思います。リアリティのあるテーマでしたね。」
SV 「自分の住みたい理想の都市を書いたのかな?交通の便が良くなるといいですね。」

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