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共栄学園中学校 最先端学習 第10回土曜講座 [1]

2003年2月2日
by 吉井千花

■ 第10回土曜講座は、いよいよ1年間の学習のまとめの段階に入る。これまでお花茶屋商店街について学習してきたことや、ツインリンクもてぎでの都市づくりの集大成として、「お花茶屋商店街をもっと魅力的な街にするには?」というテーマに取り組む。第10回から13回まで続く大プロジェクト。

■ 5月・6月のお花茶屋商店街リサーチや第9回の商店街シンボルマーク作成でも、それぞれのチームがいろんな角度から商店街像というものを考察してきたが、今回はもう一歩学習を進め、実際にお花茶屋を活性化させるための現実的な提案を行う。良いものができれば、商店街の方々に採用され、生徒達の提案どおりに街が変わるかもしれない。

9:00〜 課題の発表
■ 出席を取りおわったクラスから、マルチメディアルームに集まってくる。ここでスーパーバイザー(SV)から今回のプロジェクトについての説明がある。
■ 「今回からの土曜講座では、『お花茶屋商店街をもっと魅力的な街にするにはどうしたらいいか』というテーマでチームで話し合い、提案をして下さい。」とのSVの言葉に、生徒からは「ええ〜〜〜また商店街?」と不満げな声がちらほら聞かれる。これまで何度も商店街を素材に学習をしてきたこともあり、ちょっと飽きてきた生徒もいるようだ。
■ 今回の提案には、約束ごとが2つある。まず、ただ漠然とした理想の街づくりをするのではなく、現実味があり実現可能な提案をすること。お客を呼べるような大きな施設をポンと作るだけではなく、今ある商店街を大切にしながらさらに魅力ある街づくりをするにはどうしたらいいのか。「経済効果」というキーワードを頭に置き、手間や費用など現実的な面もシミュレートしながら、できる範囲で最高の活性化案を出してもらう。
■ 2つ目のキーワードは「国際化」。お花茶屋を通る京成線は、成田空港につながっている。外国人が利用する成田空港のアクセス圏内にある街ということに目を向け、国際的な街づくりを目指す。「国際化」という言葉をどのレベルで解釈するかはチームの自由。お花茶屋を独立させて考えるのではなく、日本の他の街や世界との関係を意識しながら街づくりを進めてほしい。
■ また、今回は表現方法にもこだわってもらう。これまでは調べたことを模造紙かパワーポイントにまとめ、発表では書いてあることをそのまま読むというスタイルが多かったのだが、今回は模造紙などの他にも歌をつくったり劇仕立てにしたり、パフォーマンスにも工夫させることにした。前回のお花茶屋商店街シンボルマーク作りでは、考えたことを文字や文章ではなくイラストというビジュアルイメージで表現することを体験したばかり。生徒たちの自由な発想でどんなプレゼンテーションが出来上がるのか楽しみだ。

9:20 チームでの振り返り

■ マルチメディアルームでの説明が終わり、チームに分かれて教室に集まる。マルチメディアルームでの全体説明では、おしゃべりをしていて話を聞いていない生徒もいたので、各教室で再度SVから課題の趣旨とポイント、スケジュールなどについて説明を受ける。簡単に説明が終わったらいよいよチームでの話し合いに入る。

■ 生徒たちは「商店街はもう飽きたよ〜〜〜」とブツブツ言いながらも、LAのまわりに集まり始める。「チームは変えないの?」「この前は1回きりだと思ってこのチームで我慢したのに・・・・・」と、チーム編成に不満がある生徒もいるようだ。これまでの学園生活で、クラスを超えたチーム編成で何かをすることが少なかったためか、今のチーム分けにまだ抵抗がある様子。男子と女子とちょっと距離を置いて座っている。
■ 話し合いを始める前に、これまで商店街について学習したことをそれぞれのチームごとに振り返る時間を持つ。5月6月の商店街リサーチは今とは違うチームで行ったため、自分のチームがどんなことを調べたのかをメンバーに伝えたり、前回商店街のシンボルマークを考える時にどんなディスカッションをしたかを振り返ったりしながらだんだんとチームのコミュニケーションがとれ始める。

9:45 チームで商店街活性化計画案をつくる
■ ディスカッションを進めるにあたって、各チームにワークシートが配られる。
(1) 活力のあるお花茶屋商店街にするにはどうしたらいいでしょう?
(2) 活力ある商店街にするため、現在の商店街のどんな点を変えるといいでしょうか?
(3) 自分たちの考えを確かめるためにどんなリサーチをする必要がありますか?
(4) 誰がどんなリサーチをしますか?役割分担とスケジュールを書いてみよう
(5) どんな方法で発表しますか?(歌う・踊る・劇にする・模造紙を使うなど)

これらのポイントに沿って、チームの方針とスケジュールを具体化させていく。

■ チーム9では、生徒たちはまだ「活性化」という言葉がピンと来ないらしい。ワークシートに取り掛かる前に机を寄せ合って話し合い。「活性化っていうのは、一言でいうと元気になることかな。人間が元気っていうのは分かると思うけど、街が元気ってどういうことだろう?」とLAが問い掛ける。「人がいっぱい来る!」「楽しい店がいっぱいある!」「デパートがあるといいんじゃない?」など、自由に思ったことを発言する生徒たち。

■ 「そうだね。明るく楽しい雰囲気の街になることも大切だけど、もうひとつ、商店街の場合はお金がたくさん入ってくるということも大事です。お花茶屋に来る人と地元の人の両方が喜ぶ街づくりを考えましょう。」とLAが言うと、「じゃあやっぱりお店だよ!駅ビルをたててデパートを作ろう!」どこのチームでも、デパートを建てるという案が最初に浮かんでくるようだ。「でもデパートを作ってしまったら、わざわざ商店街で買い物する人がいなくなっちゃうじゃん。それじゃダメでしょ?」という反対意見があがる。活性化ということのイメージが掴めていないのか、自分の意見に自信が持てずに何も発言しない生徒も。

■ それなら、ということでLAが机に模造紙を広げ、一人ずつマーカーを持たせる。初めからチームで共通のイメージを持つのが難しいなら、まずは一人一人が自分の考えを表現することから始めてみる。「みんな、自分の好きな街ってあるでしょう?お花茶屋がこの街みたいになったらいいなあと思う場所の名前を挙げて、その街の特徴を書いてみよう。」1枚の紙にメンバー7人が意見を書き込むことで、互いの考えを知ることができる。ディスカッションに加わるのが苦手な生徒も、黙々と意見を書き込んでいる。

■ 女の子の一人はお台場が好きだと話してくれた。「お台場って名前聞いただけでなんかオシャレな感じがするでしょ。デートスポットだし。」なんとなく気に入ってはいるが、行ったことはないらしい。「行ったことがないのになんとなく気に入ってるっていうのはすごいことだよね。それだけ良いイメージが広がっている原因はなんだろう?」とLAに尋ねられて、模造紙に思いついたことを色々と書き始めた。「お台場に行くと、楽しいことがたくさんありそうな気がするの。建物が新しくて綺麗だし、海もあるし、テレビ局があってイベントとかもやってるし・・・・。」

■ 他の女の子2人は、紙に書く前に相談をしている。「商店街っていう名前が悪いよね。『渋谷』とか『原宿』って名前を聞いただけでカッコいいと思うもんね。」「『お花茶屋』っていうのもちょっと渋すぎない?若者があんまり来なさそう。」「名前を変えてもいいですか?」とLAに尋ねる。「そうだなー…、『お花茶屋』っていうのはみんなが調べてくれたように由緒のある名前だからこれは変えないでおこう。でも『商店街』っていう言い方は変えてみてもいいんじゃない?」

■ その他にも、女の子達からは「一生想い出に残る街」「中華街のように食べ歩きができる街」「いつも何か新しいことができている街」「きれいなレストランがある街」などが挙げられた。

■ 電車の好きな男の子は、お花茶屋に京成線の特急を止まらせるという案を思いついた。駅自体が大きくなって乗換駅になれば、自然と人がたくさん住むようになって活性化されるというのだ。「やっぱさー、商店街だけが変わってもダメだって!今のままだとわざわざお花茶屋で降りる人が少ないじゃん。こういうのはまわりから変えなきゃ!」自分の趣味を生かした面白い意見である。都市と交通手段という切り離せない問題に迫る良い提案なのだが、他のメンバーは「また電車か・・・・」という雰囲気。でも彼は気にせず「例えば東北のある駅ではね・・・・・」ともう一人のLAをつかまえて電車談義に花を咲かせている。

■ その他にも、東京ドームみたいな野球場を作ってスポーツイベントをするという案、学校の近くにあるお花茶屋公園に噴水や池、花壇を作ってドラマの舞台のようにロマンチックな雰囲気のある公園にする、近くの川にタマちゃんを呼ぶなどのユニークな意見がたくさん出された。「多摩川の周りでは、タマちゃんが来てから見物人が買い物をすることが増えて、アイスクリーム屋さんとかコンビニの売上が急に上がったんだって!」とそれなりに説得力のある意見を述べる。「この辺の川っていったら江戸川か。じゃあタマちゃんじゃなくてエドちゃんだ!」果たしてタマちゃんは招待に応じてくれるのだろうか?

■ メンバーが思い思いに自分の好きな街について語ったら、いよいよこれをチームの意見としてまとめ、お花茶屋商店街活性化の提案を練る。

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