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共栄学園中学校 最先端学習 第9回土曜講座 [2]

2003年1月27日
by 吉井千花

シンボルマークのコンセプトを話し合う 続き

■ お花茶屋商店街のシンボルが決まったら、次は商店街の特徴・歴史について考える。「お花茶屋商店街は、老舗が多いよね。はじっこのほうにファーストフードのチェーン店もあるけど、商店街の真ん中にあるのはずっと前からありそうな古いお店ばっかり。」「建物から歴史を感じる。」「あと、食べ物屋さんが多い。服とかカバンとか、おしゃれな買い物はあまりできないけど、食べ物だったら何でも揃う。庶民の街って感じ。」

■ お花茶屋の歴史については、「昔、お花さんという娘のいるお茶屋さんがあって、そこに来た殿様がおいしいお茶に感動して、ごほうびに『お花茶屋』っていう名前をつけたんだよ。」とのこと。どのチームを見ても、この逸話が挙げられている。

10:20 シンボルマーク作成
■ チームで話し合った「お花茶屋商店街の未来像・シンボル・特徴・歴史」をもとに、シンボルマークの作成にとりかかる。材料は画用紙とマーカー、色鉛筆、クレヨン、折り紙が用意されている。クレヨンなどで絵を描いても、折り紙を貼ってにぎやかにしても良い。表現方法も生徒たちに任されている。
■ 画用紙に描く前に、まずはそれぞれ自分のイメージを下書きすることにしたチーム9。やっぱり犬のラッキーがモチーフとして扱いやすいのか、ほとんどの生徒が「犬」に関係した絵から書き始めている。「どの絵もあんまりラッキーに似てないけど、かわいいね。でもシンボルマークは見る人にメッセージを伝えるものだから、ただかわいいだけじゃなくその絵の意味をちゃんと説明できることが条件です。」とLAが声を掛ける。
■ ある生徒は、下書きの紙を真っ黒に塗りつぶしている。「それはどんな意味なの?」とLAに尋ねられ、「この商店街の未来はあんまり明るくない!そのうち無くなるかもしれないから真っ暗なの!」とちょっと悲観的な答え。「そうか、でもシンボルマークには『将来こうなりたい』っていう希望も込めてほしいなあ。それと、ただ黒いだけだと『マーク』じゃなくて『イメージカラー』だよね。色は黒でいいから、何か形にしてみて?」と言われ、渋々消しゴムを持つ。
■ 他の生徒は、「お」の字に犬の耳をつけ、その周りには花とツタが絡まっている。「『お』はお花茶屋の頭文字で、犬の耳は商店街のアイドル犬ラッキーを意味してるの。花を描いたのは、これを見ればみんなが『お花茶屋』を想像できるから。この商店街はちょっと古いから、さびれた感じを出そうと思ってツタを絡ませたの。」と、彼なりのイメージを絵で表現してくれている。
■ だいたいみんな描き終わったところで、それぞれのイメージを持ち寄ってチームのシンボルマークを作る作業に移る。互いの描いたものを見比べて、「何これ〜〜?」「意味が分からないよ〜」と盛り上がる生徒たち。「みんな形は違うけどラッキーとお花を描いてるね。さて、みんなの描いたものをどうやって1つのマークにしていこうか?」とLAが言うと、「私、Mくんの描いた花がいいと思う」「Yちゃんの色がいい」と、お互いの良い所を指摘しはじめた。
■ 「真ん中はラッキーの手にしよう。耳とか尻尾とかじゃなくて、『手』っていうのがいい。みんなで手をつないで仲良くしようっていう感じがするから。」という意見が出る。「じゃあ、その周りを花びらで囲もう。赤い花でいい?」とクレヨンを持った生徒にLAからストップがかかる。「色もシンボルマークのメッセージの1つになるから、どうしてその色がいいのか、みんなで話し合ってみて。」
■ 「う〜ん、赤だとなんだか派手な感じがするね。お花茶屋商店街って何色のイメージ?」とメンバーに問い掛けると、「ちょっと暗めじゃない?」「古い感じの色がいいと思う」「じゃあ、灰色とか茶色がいいかな。」「2色使ってもいいんだよね?」女の子が中心となって下書きをした後、それぞれがクレヨンを持って色塗りをし、マークが完成。
■ 発表の時は、なぜこのマークにしたのかもプレゼンテーションしなければいけない。男の子が1人黙々と、発表の原稿を書いている。「なんでラッキーの手をピンクにしたんだっけ?」「だからぁ〜〜…」ちゃんと理由も説明できるようにみんなでマークの意味を確認して、チームのシンボルマークが完成。

10:50 シンボルマーク発表会

■2組と3組の教室に5チームずつ集まり、シンボルマークのお披露目。メンバーが全員前に出て黒板にマークを貼り、デザインに隠された理由を発表する。

チーム1の発表

 
「私たちは商店街の明るく活気があるところが好きです。シンボルマークには、お花茶屋を表す『親切』『円満』『活気』というキーワードを考えてそれを円で表現し、それぞれのイメージあったオレンジ・緑・ピンクを当てはめました。そしてこの3つの円が重なった部分の黄色は、『明るい未来』を表しています。親切・円満・活気の3つがあってこそ魅力ある商店街だと思うので、この3つをいつまでもたやさないで欲しいという願いを込めました。」
チーム1の作品
これらのキーワードは、生徒たちが日頃の商店街の方々とのふれ合いの中で感じた言葉なのだろう。形はシンプルだが、色の持つイメージで訴えるという発想が面白い。

チーム2の発表

 
「これは『スマイルお花』さんです。昔ここでお茶屋さんをしていた女性で、お花茶屋の名前の由来にもなった人です。この明るい笑顔で、お花茶屋商店街をいつかパラダイスにしていく予定です。」
チーム2の作品
画用紙からはみ出しそうな笑顔の『スマイルお花』。お花茶屋商店街の新しいマスコットキャラクターという発想でマークを考えたのはこのチームだけだった。キャラクターグッズにしたら売れるかも?

チーム3の発表

 
「私たちのチームは、『お花茶屋』にちなんで花をモチーフにしました。3枚の花びらが『動物』『野菜』『緑』を表現しています。花の茎の部分が商店街のメインストリートの一本道で、根の部分が共栄学園です。これは、共栄学園が花びら(商店街)を変えられる可能性を秘めていることを意味しています。」
チーム3の作品
学園と商店街をひとつの花に見立て、根としての共栄学園の役割について考えられていることにLAたちからも思わず感嘆の声があがった。

チーム4の発表

 
「お花茶屋は将来、便利でなおかつ自然もある商店街になっているといいと思います。シンボルマークは、自然と科学が結び合っていることを表しています。このように、自然と科学が上手に融合した街づくりをしていくといいと思います。」
チーム4の作品
今後の発展に必要と思われる要素がたくさん盛り込まれていた。

チーム5の発表

 
「私たちが考えたのは『おっとマーク』です。このマークは、未来のお花茶屋商店街を象徴しています。今よりもっとにぎやかで活気に満ちていて、カードなど最新式のものを使ったハイテク近未来型の商店街になっていると思います。色は、共栄学園の校章に使われているえんじ色にしました。」
チーム5の作品
今コンピューターで使われる@(アットマーク)をひねり、お花茶屋の頭文字をとった『おっとマーク』。近未来型の商店街をうまく表しているその着想とネーミングに脱帽。

チーム6の発表

 
「マークの全体は、お花茶屋の歴史の『お茶屋』から取ってお団子を表し、『お花』からイメージされる桜を使いました。お団子状に串にささった3つの桜にはKの文字が書かれています。一番上のKは「KYOEI」、二番目は「コンビニ」、三番目は「KEISEI」の頭文字のKです。お団子の串は、商店街がこれから進むべきまっすぐな道も表現しています。」
チーム6の作品
一見何げなく見える串にもちゃんと願いが込められている。このチームのワークシートには、お花茶屋商店街の魅力として「コンビニがいっぱいで寄り道したくなる商店街」が挙げられていた。

チーム7の発表

 
「「私たちのチームは、葛飾や柴又のような下町の雰囲気を出せるようなマークを考えました。お花茶屋の『花』と『茶』の文字を合体させ、この街の名前をイメージしやすくしました。」
チーム7の作品
鮮やかな緑とピンクの配色のシンプルで分かりやすいシンボルマークになった。ただ漠然とお花茶屋商店街をイメージするのではなく、「下町っぽさ」に着目し、アピールポイントをしぼってディスカッションをしたようだ。

チーム8の発表

 
「お花茶屋商店街にはラッキーがいてお花がいっぱいあって、お年よりが多いというイメージを絵にしました。明るい商店街ということが伝わるようなマークになるよう工夫しました。」
画像準備中です。
かわいらしいおばあちゃんのイラストが真ん中に描かれている。このおばあちゃんが、地名のもとにもなったお花さん。まわりをにぎやかにデコレーションして、明るくきれいな商店街をイメージしている。

チーム9の発表

 
「僕達のチームは、シンボルのラッキーの手を真ん中にして、その周りにお花茶屋商店街が広がっているイメージで描きました。中の緑色は自然を表しています。」
チーム9の作品
ラッキーの手形のイラストに、他チームから「かわいい〜」という声が上がっていた。

チーム10の発表

 
「チーム10は、お花茶屋の名前の由来となった物語をシンボルマークにしました。湯のみからハートが出ているのは、お花さんがおいしいお茶を出し、それを飲んだ人がお花さんに恋をしたというエピソードをもとに考えました。湯のみに書かれている文字は、お花のO、お花のH、お茶のCをアレンジしたものです。」
チーム10の作品
お花茶屋命名の由来をふまえた、キュートでシンプルなデザインのシンボルマーク。真ん中にはお茶を表す緑色が配色されている。

■ それぞれチームで工夫を凝らしたシンボルマークが発表された。想像以上に個性的で楽しいマークができたことに、LAたちも驚いた様子。最初は「お花茶屋商店街の未来なんて・・・・」と消極的だった生徒たちだが、完成したシンボルマークはお花茶屋への思いと期待の込められたものが多かった。また、生徒たちの通う共栄学園とお花茶屋商店街を関連させているチームがあったのも印象的だった。
■ この授業で、生徒たちは普段何気なく通っている商店街の新たな面を考えることができたようだ。お花茶屋商店街というひとつの街がどのような要素から成り立っているのか、またそこには自分たちも含めてどのように人間が関わっているのかを、シンボルマーク作りを通して学ぶことができた。
■ 次回も引き続きお花茶屋商店街を素材として「都市」についての考察を深めていく。
第9回土曜講座 [1] [2]
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