|
■ 教室に戻ってチームに分かれ、さっそく「身近にある差別」について話し合う生徒たち。差別という言葉はよく聞くが、「身近な差別」というといまいちピンとこないようだ。「人種差別はどう?昔アメリカでは黒人が奴隷として使われていたりしたんだよね。」「そうだね。奴隷じゃないけど、今でも色の違いとかで差別されるんでしょ?日本人って外国で差別されるのかなあ?」人種差別というキーワードには気が付いたものの、生徒たちの実生活においてあまり現実的な問題ではないためにディスカッションが途切れがちになる。
■ LAから、「人種差別は世界中で起こっている重大な問題だけど、みんなの身の回りであまり実感として感じたことがないんじゃないかな。チームで話し合いをするんだったら、みんなが体験として感じたことのある差別について考えてみたらどう?」とアドバイスされると、みんな黙って考え始める。
■ 「僕は学校でいつも差別されてると思うな。だってこの学校って女子が強いんだもん!」と男の子が発言。「確かに元気な女の子は多いけど、それは差別なの?」とLAに問い掛けられると「だって、制服だって違うでしょ!男子はズボンで女子はスカートっていうのも差別だと思う。」「それはさっき言ってた『区別』だよ!」と女子から反対意見が挙がる。
■ ここでしばらく、一般的には男と女とどっちが損をしているのかで話が盛り上がる。「学校だけじゃなくて社会でも男女の差ってたくさんあるよね。発表のテーマは男女差別にしよう!」さっそく模造紙を持ってきてタイトルを書き込む。このチームは普段は男子3人と女子4人だが、男子の1人が欠席、もう1人が発表メンバーでチームに加わらないので、今日は男女比が1:4。たった一人の男の子にはちょっと厳しい状況だ。
■ 「学校ではあまり差別されないけど、社会人になったら絶対男のほうが有利!」と主張する女子たち。「男性のほうがたくさん仕事の選択ができるし、お給料もいいから」「結婚しても男性は仕事を続けられるけど、女性は専業主婦になる人が多い。子供ができたら仕事を辞めなくちゃいけない」「結婚するとき女性は名前が変わってしまう」など、女性に不利な点がたくさん挙がる。男の子に反対意見を促すと、「でも男性はずっと働いて家族を養わないといけないでしょ。家にいるほうがいいよ。」
■ やはりディスカッションは女性が差別されているという方向に進んでいく。「さっき男性のほうが仕事の選択の幅が広いって言ったけど、最近まで女性が圧倒的に多かった仕事もあるよ」とLAがヒントを出す。「仕事の名前に女の人を表す言葉のついた仕事って何があるかな?」しばらくじっと考えるが、答えが浮かんでこない。「ヒントは病院に関係ある仕事です。」「あっ分かった!看護婦さん!」「そうだよね。他にも、幼稚園の先生のことを何て呼ぶ?」「保母さん!そういえば男の人を保母さんって呼ぶのはおかしいね。」
■ 「最近は看護婦や保母の仕事につく男の人も増えているから、呼び方も変わってきています。どういう名前に変わったのかは宿題にするので調べてみてね。」次は男性だけに限定されている職業を考えようとしたが、残念ながらここで時間切れ。各チームでディスカッションした内容の発表にうつる。
|