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共栄学園中学校 最先端学習 第8回土曜講座 [2]

2002年11月1日
by 吉井千花


9:25 クイズのヒントを作成する

■ 10文字以内の言葉3つをヒントに、「献血」というキーワードを当ててもらうクイズを作る。「血・注射・あげる!」「血・O型・病院はどう?」と、直接的なヒントが出てくる。まだ献血についての表面的なイメージだけをもとに考えているために、ひねったヒントが作成できない。ヒント作りはしばらく忘れて、まずは献血についてもっとよく知る必要がある。

■ 「献血って、誰もができることなのかな?」とLAが質問すると、「痩せてる人はダメなんだって」「じゃあ、太ってる赤ちゃんは献血できるの?」「えー、かわいそうだよ」。「どれぐらい痩せてる人がダメなのかな」という質問に、「献血には、年齢によって体重制限があります。詳しいことは、本やインターネットで調べてみてね」とLAから宿題が出る。「確か、16歳以上しか献血できないんだよ。僕、前に一回協力しようと思ったけどできなかったんだ」

■ その他にも、献血された血液の保存方法や、献血車の中はどうなっているのかなど、話していくうちにどんどん疑問が出てくる。今回はインターネット等での調査の時間がないので、分かる範囲のことはLAが話しながらディスカッションが進められていく。次第にチームのメンバー全員が献血について理解し始めたところで、ヒント作成に移る。

■ディスカッションの内容から、キーワードをいくつか抜き出す。もうこれだけでも、十分ヒントになりそうなものばかりだ。「ジュース・手帳・検査・病院・車・体重・16歳以上・・・」ここからまず車と16歳以上を選ぶ。「これだけじゃ絶対にバレないよな」と自信満々。だが、あと一つが決まらない。

■ 「じゃあ、献血した後ってどうなると思う?そのイメージを書いてみたら?」とLAが助け舟を出す。「すがすがしい気持ち!」「あったかい気持ち」など、いい事をした後の気持ちを表現する生徒たち。しかし、自分の意見にいまいち納得できていないようで、また考え込む。「自分が注射した後のことを思い出してごらん」というLAに、「しんどい」「腕が痛い」「クラクラする」「あ、そのクラクラするっていうの、使えるよ!」これでめでたく3つ目のヒントが決定。


9:45 クイズ大会

■ 休み時間をはさんで、1組の教室にいる3チームでクイズ発表会。ジャンケンで順番を決め、チーム全員が黒板の前に出て3つのヒントを読み上げる。

1チーム目の発表
「16歳以上」一つ目のヒントを読み上げる。「えーー何それ」と教室がザワザワするが、後ろの方で女子が「献血じゃない?」とささやく声も聞こえる。「チームで答えを相談して、分かったら手をあげてね」とSVから指示があるが、献血だとささやいていた女子チームは、自信がないのかまだ手をあげない。「二つ目のヒントは、『車』です」と言ったところで、「やっぱり献血だ!」ここで先ほどの女子チームから手があがり、正解。答えられてしまったが、3つ目のヒント「くらくら」も発表する。

■ 当てられてしまったチームの生徒はちょっと悔しそうな表情。後から、「ヒントを出す順番をもっと工夫すればよかった」との反省が出た。

2チーム目の発表
男子チームのヒントは、一つ目が「不必要なもの」。これを見て、「リサイクルかな?」とあちこちのチームからつぶやく声が聞こえる。でもやはり、確信が持てないのかどこからも手があがらない。2つ目が「道から拾う」。これはどうもリサイクルには当てはまらないようで、混乱したのかどのチームも答えが分からなくなってしまったようだ。一つのチームから手があがり、「リサイクル」と答えたが不正解。最後のヒントは、「現在問題になっていることを解決する」。どのチームも、分かったような分からないような・・・といった空気。手が挙がらなかったので、発表チームが正解を教える。「答えは、『ゴミ拾い』です。」なるほど、確かにゴミは「不必要なもの」だし、「道から拾う」ことができるもの。そしてゴミ拾いをすることで、景観問題や自然の汚染など「現在問題になっていることを解決する」ことができる。「ゴミ拾い」というボランティアを色々な視点から考えて組み立てた、上手なヒントだった。
3チーム目の発表
最後のチームのヒントは、「地球を救います」。どこかで聞いたようなフレーズに、さっそく「24時間テレビ!」とフライングして答える生徒も。でも残念ながら不正解。「次のヒントはコンサートです。」ここで生徒たちは、始めにSVから配られたボランティア活動のリストを見始める。「あ、きっと『チャリティー活動だよ』」ここでいくつかのチームから手があがり、みごと正解。最後のヒントは「貧しい人たちを救います」。今回は予めリストが配られていたので答えが分かった生徒が多かった。「チャリティーコンサート」など、言葉は聞いたことがあっても「チャリティー」の意味はあまり理解できていないようで、LAに「で、チャリティーって何?」。ボランティアとは基本的には無償の行動であり、チャリティーとはコンサートやバザーなどの報酬・対価として代金を回収し、その売上を社会活動に寄付することだという説明で生徒たちは納得していた。

■ 最初、あまりボランティア活動について知らなかった生徒たちも、自分たちのチームでのディスカッションと他チームのクイズで少しボランティアを身近に感じ始めたようだ。

■ 今回はインターネットという情報源を使わなかったが、自分自身やチームメンバーとの対話をとおして課題を達成できたことで、生徒たちは自分の持つ情報を活用することの大切さや、一つの事柄についてよく調べたり考えたりすることの面白さに気づいたのではないだろうか。

■ 今回SV役に初挑戦した共栄大学生は、ボランティア活動について学ぶ意味について、生徒たちに次のように話した。「ボランティアとは、辞書で引いてみると人のやらないようなことをすると書かれている。お金はもちろん、自分の大切な時間を使ってまでこの活動をするということは、それらの活動を行うことによって自分が今まで知らなかった社会を知ることができるからではないか。また、ボランティアをすることによって多くの人たちが救われている。その人たちの喜ぶ姿を見ることができるのも一つの魅力である。ボランティアとは行動することに力点がある。自立をしていないとできるものではない。最後までやり通す責任感が強くなければ出来るものではない。相手を第一に思いやる気持ちが重要。ほんの小さな思いやりの一つ一つがやがて大きなものになっていくのを忘れてはならない。」

■ 目標にあげていた思考・表現力のトレーニングもさることながら、この授業を通して生徒たちがボランティア活動に興味を持ち、自分の世界を広げるきっかけとなってくれることを願う。

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