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共栄学園中学校 最先端学習 第8回土曜講座 [1]

2002年10月31日
by 吉井千花


8:50 授業開始

■ 前回から1ヶ月ぶりの最先端学習。この間に、新校舎が完成し、新しい教室での最初の土曜講座。明るく開放的な教室のせいか、生徒たちの顔もいつもより楽しそうに見える。「教室のドアに大きな窓があるから、廊下からよく見えるんだよ」「廊下も広いでしょう」「トイレも綺麗になったんだよ。入ってみて!」とさっそくラーニングアドバイザー(LA)たちに新校舎の自慢を始める。

■ 土曜講座では、スーパーバイザー(SV)から問題提起があり、その課題についてチームでディスカッションや調査を行うという学習の流れがある。いつもはスタッフがSVを務めるのだが、今回はLAや生徒の中からSVを選び、課題となる問題提起をしてもらう。初めての試みに、SVとしてプレゼンテーションをするLA・生徒たちはちょっぴり緊張気味。

■ 前半は、いつもはLAとして参加している大学生3人がSV役。生徒たちの先輩にあたる共栄大学の学生が、自分たちの持っている疑問を生徒に投げかける。後半は、生徒の中から仲良し男子6人グループがSVとなって問題提起のためのプレゼンテーションを行う。特に生徒たちは、間に中間テスト・文化祭をはさんでの準備となって忙しかったようだが、学年全体の前で発表するというせっかくのチャンスに、「みんなにも問題意識を持って考えてもらいたい」という思いを込めて熱心に準備をしていた様子。発表の内容は直前まで先生にも内緒にしていた。

■出席をとり、7月のツインリンクもてぎでのチームに分かれる。普段の学校生活ではこのチームで活動することがないため、「チームでまとまって座ってね」というLAの指示にも、メンバー同士ちょっと距離を置いて席についているチームもある。


9:00 課題発表

■ 1、2、3組の教室に、今日のスーパーバイザー役である共栄大学生が一人ずつ入ってさっそく課題が発表された。今までLAとして接していた共栄大学生のいつもと違う雰囲気に、生徒たちは今から何が始まるのか、興味津々の様子で前を向いている。「今日は、みんなに『ボランティア』について考えてもらいます。」

■ 「ボランティアってみんな知っているかな?」SVの問いかけに「知ってるよ!」「いいことをするんでしょ!」という意見が返ってくる。そこで更に「じゃあ、一言でボランティアと言うけれど、ボランティアって具体的にはどんな活動をすることかな?」と問いかけると、生徒たちは一瞬きょとんとした様子。「ボランティアってボランティアじゃないの?」とそばにいるLAに小声で尋ねる。言葉を聞いたことはあるけれど、漠然としたイメージしか持っていない生徒が多いようだ。

■ 「みんな、知っているボランティア活動を挙げてみて」とSVが言うと、「ごみ拾い」「木を植える」「募金」「海外で人助けをする」と、ちらほら意見が飛び出す。「もっと他にもあるかな?」と聞かれると、みんな無言になる。テレビのニュースなどでよく見る活動は知っているが、身近にあるボランティアとなると少し難しいようだ。予定では、ここで20ほど具体的な活動を挙げてもらうはずだったが、あまり出ないようなのでここからチーム活動に切り替える。

■ 「では、今からチームに分かれて考えて下さい。今日は、チームで一つ具体的なボランティア活動を選んで、自分たちのチームが何を選んだかをクイズにしてみんなに当ててもらいます。」一見簡単な課題のようだが、1:どんなボランティア活動があるのかを話し合う(社会的知識)、 2:チームで選んだ活動にはどのような要素が含まれているのか、背景なども知る(思考) 3:それを的確な言葉で表現し、ヒントを作成する(言語・表現力)といった学習が含まれている。

■ また、今回は「プレゼンテーション力を養う」ことも目的の一つである。土曜講座では、チームディスカッション→インターネットや本で自分たちの意見を裏付ける資料を探す→チームの意見や調べた内容を編集→発表という流れをひとつのサイクルとして学習を進めている。

■ これまでの7回の授業で、様々な課題に対してディスカッションをしたりインターネットを使って情報収集を行うことにはだいぶ慣れてきた生徒たちだが、発表の段階になると模造紙に書いてある通りに読んだり、インターネットから取った情報をそのまま読んだりすることが多く、「調べたことを自分の言葉で話せる」までに至っていない生徒が多い。

■ この第8回目の講座では、ひとつのボランティア活動という事象に含まれる要素・背景をヒントという「言葉」で表現することで、これからのプレゼンテーションのための「伝える力」を磨くことも大切なポイントとなる。「なるべく、簡単には当てられないようなヒントを作って下さい。ただ難しいだけじゃなくて、答えを聞いたときに『なるほど!』と思わせるようなものを話し合って下さいね。」


9:15 チームでひとつボランティア活動を選ぶ

■ 全体ではあまり具体的なボランティア活動が挙がらなかったので、SVから各チームに参考資料として、どんなボランティアがあるか書かれた紙が配られた。チャリティー活動・リサイクル・手話、点訳・地域活動・災害支援・国際協力など、20項目ほど並んでいる。「リサイクルって知ってるよ」「災害支援も見たことがある」「僕は阪神大震災の時に関西にいたんだけど、ボランティアのことはあまり覚えてないな」。LAから、「クイズを作るためには、まず自分たちがそのボランティアについてよく知っていないといけないよね。リストから、知ってるものを選んでみたら?」と言われると、勢いよくリストに○×印をつけ始める。

■ 「地域活動」という項目を見て、「そういえば、家の近所に福祉会館っていうのがあるの。障害のある人が通ってきて、時々お祭りをやったりしてるよ」「そこに行ってみたことはある?」とLAが尋ねると、「いつも前を通るけど、よく知らないなあ・・・。でもあそこにもボランティアの人がいるのかも知れない」。チームで話し合いながら、身近にあるボランティアの存在にだんだん気がついてきたようだ。

■ それでもなかなか具体的な活動を選べずにいるので、LAがアドバイス。「このリストに載っているものでなくてもいいよ。助けを必要とする人のために、お金や利益を求めないで自分がしてあげられることを考えてごらん。」すると、「電車やバスで席をゆずる」「車椅子が来たら道をあける」「献血!」と、だんだん活発に意見が出るようになってきた。「献血ってボランティアなの?」「だってお金をもらわないし、痛いのをガマンするんだからボランティアに決まってるよ」この意見でみんな納得した様子。そこでLAが「でも、献血した後はジュースがもらえるんだよ。それでもボランティアかな?」とちょっとひっかけ問題を出すと、しばらく考えて「でもやっぱり、献血することで困っている人を助けられるんだからボランティアだと思うなあ」「じゃあ、『献血』でクイズを作ろう!」

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