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共栄学園中学校 最先端学習 第7回土曜講座 [1]

2002年9月26日
by 前田恭子


8:50 授業開始

■ 最先端学習、2学期の第1回目の授業。教室に一歩入ると、日焼け顔の生徒たちがなんだかひとまわり大きくなったように感じられた。

■ ツインリンクもてぎでのKyoei&Honda最先端学習の後は夏休みを経ており、少々気が緩んでいるのか、L A たちが教室に入ってきてもなかなか学習の体勢に入れない。

■ 1学期の間は各クラスの中でいくつかのチームを作って作業してきたが、ツインリンクもてぎでは3クラスを混合してチームを作った。この混合チームでの作業には、普段クラス内では見られなかったような話し合いの形や役割分担がみられたようだ。

■ LAが今日の説明を始める。「今日はツインリンクもてぎの時のチーム分けで作業します。」するとすかさず「えー!」と元気な声が教室に響く。賛成反対入り乱れての反応だが、少々反対側が優勢のようだ。何人かはしぶしぶながらも教室移動を始めた。


9:00 課題発表

■ 各チームが1、2、3組の教室に分かれて、チームとLAがあらためて集った。LAから今日の課題のイントロデュース。「今からいくつかのキーワードを言いますので、キーワードから連想することを教えてください。」

■ 「羊、遺伝子、パーマン。」とLAが言うと、途端に「パーマンって何?」と何人かが声をあげた。ちょっとだけビックリしてしまったLAに、男子から「アニメでしょ。」とフォローの声が入ったが、若干のジェネレーションギャップに戸惑いがあったようだ。

■ 生徒たちは3つの言葉が指し示すものは一体何だろうと首をかしげている。「未来ですか?」とひとりが応えると、「羊が未来なの?」ともうひとりが疑問を投げかけてさらに連想が広がっていく。

■ 「ちょっと難しいかな?では羊、遺伝子、パーマン、それにスターウォーズでは?」、ここで「クローン?」と男子が発言。「お!出たね。」とLAが待ってましたの声をあげると、今度は「クローンって何?」と聞き始める生徒たち。「クローンって何か分かる人?」とLA。

「そっくりさんでしょ?」
「パーマンもクローンなの?」
「コピーロボットのことでしょ?」
「あそっか。」
「でも羊は何?」

■ 「クローン羊って聞いた事ないかな?」とLAが声をかける。羊のドリーのことはまだみんなは知らないようで、『羊⇒クローン羊』という風には結びつかないようだ。「今日はクローンの中でもクローン人間がテーマです。みんなには『クローン人間を認めることができる』という立場でプレゼンをしてもらいます。」


9:15 クローン人間を認める?

■ 「認めることなんかできないよ。分かんないんだから。」とさっそく声を荒げる女子。反対にひとりの男子はあっさりと「俺はクローンがいたら宿題やらせたり、身代わりに学校行かせたりする!」とクローン人間と共存する未来を予言し始めた。どの生徒にとっても『クローン』という存在は未だ想像の世界にある。しかしひとりひとりが持っている情報によって、考え方、反応の仕方も違っているようだ。

■ 「クローンがいたら面白いと思うけどな。」と先ほどの男子が言うと、「『面白い』とか言ってる人って信じらんない。」と女子がたしなめる。この段階でLAが挙手を募ってみると、この教室では『クローンを認めることができない』という印象をもった生徒の方が圧倒的に多かった。

■ 「では資料としてみんなにプリントを配ります。クローン人間について書かれたこの文章をまずは読んでみてください。」とLAはクローンに関する新たな情報を生徒たちに提供した。黙々と読みふける生徒たち。読み進んだ生徒から順にぼちぼちと意見が湧き出てくる。


9:30 クローンを知る

■ 「俺のクローン作ったらやっぱり俺とそっくりなのかな?」という質問にLAは、「どんなにそっくりな双子でも全く同じということはないよね?遺伝子の伝える情報もそうだし、生まれて育った環境が違ったり、右に寝ていたり左利きだったり、きっとそういう意味では何もかも全く同じってコトではないんじゃないかな?」

■ 「それじゃ身代わりに学校行ったらバレるなぁ。」と自分の説に自信をなくしだした生徒に、別の生徒は「学校行けるかどうかも分かんないよ。」と声をかけた。「なんで?」とLAが問い返すと、「だって同じ身体で生まれても同じだけ勉強してるってことないじゃん。一緒に育ったんなら別だけど。」

■ 「そうだね、知識や性格の面でもどうなってるのかが気になるところだよね。」いろいろな意見がでてきたので、LAはここで相槌を打つに留める。「病気の時に臓器移植にクローンを使って治すこともできるから、クローンを作ること自体は必要だと思う。」とまた別の意見をひとりの男子が出す。「ゾーキイショクって何?」と周りの生徒が警戒して聞くが、説明を聞くうちにチンプンカンプンになったようで雑談へと脱線してしまう。

■ 「羊のクローンができるんですか?」と別の生徒からもLAに質問が出ていた。「プリントにも書いてある通り、もう羊のクローンはできちゃったんだよ。」とLAが答えると、生徒は「えっ!」とだけ言い、何か聞いてはいけないことを聞いたかのように黙りこくってしまった。もう何年も前に羊のドリーが作られ世間に突然発表されたことをLAが説明すると、生徒の顔がさらに複雑な表情に変わっていった。「もしかして人間ももうあるの・・・?」

■ 他の教室を覗いてみるとこちらも活発に議論を交わしている最中で、ひとりひとりが自分の持っている知識をフルに活用しながら喋っている様子が飛び込んで来た。

■ 「クローンを作るってことは、卵の黄身を飲むってことと同じ?」「なんで!」「黄身なの?白身なの?」「んー。『未受精卵にヒトの細胞を組み込むと、そのヒトのクローンが作れる』というところまで技術的には可能になったということなんだけどね。タマゴで引っかかったのかな?」


知るためのディスカッション

「先生、卵をあげちゃったら、あげた人は死んじゃうんですか?」
「大丈夫、未受精卵を提供しただけなら死んだりしません。」
「細胞をあげちゃった人は?」
「細胞も大丈夫。献血しただけでは死なないでしょ?皮膚も髪の毛も血液も細胞でできていて、細胞の中にはその人の遺伝子がある。その人特有の遺伝子情報を未受精卵に移植することが出来ればクローンが作れるということなので大丈夫だよね?」
「そのやり方なら自分の細胞で自分のクローンを自分のお腹で育てることも考えられる?」
「キモ〜イ!」
と想像をフル回転させる生徒たち。

■椅子を寄せ集め円陣を作って議論しているチームでは、特に活発な質問やディスカッションができたようだ。逆に、机の上に授業と関係ないノートや道具が出ているチームでは、ひとりが情報をたくさん持って喋っていてもなかなかそちらに注目できず机の上で違う作業をしている姿が見られる。けれどもLAが「聞いてる?」とたずねると聞き耳だけは立てているようで興味のレベルは測れない。

■クローンに関しては中学2年生の現時点で持っている情報に格差がある。そのものに興味を抱いたことがあるか?日常の何かがきっかけでクローンというものを意識したことがあるかがその差異を生んでいるので、SF小説や映画好きの生徒の方がより多くの知識や情報を持っているようだ。

「身代わりに学校行かせるなんて言ってるけど、クローンを今から作っても私達と同い年にはならないでしょ?お互いクローン同士なら同い年かもしれないけど。」
「クローンにも勉強させないといけないんじゃないかな?」

■クローンについてチームの各人が持っている情報を共有し、それについてディスカッションをした後は、チームの中から何人かがMMルームへ向かう。インターネットの検索機能を使って新しい情報を手に入れるのだ。

第7回土曜講座 [1] [2]

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