NTS教育研究所NTS教育研究所
ホーム学校リサーチ:学校レポート私立中高一貫校レポート:共栄学園中学校 最先端学習 第6回土曜講座 [1]


共栄学園中学校 最先端学習 第6回土曜講座 [1]

2002年7月18日
by 前田恭子


8:50 自分の魅力発見シート

■ 今回は「自分の魅力を発見する」という大きなテーマの中で、いくつかの課題に取り組む。今までのようなチーム学習ではなく個人で取り組む作業である。

■ まずは『自分の魅力発見シート』が配布されると、ラーニングアドバイザー(LA)から「自分の魅力って一体何なのかを考えながら、それぞれの欄に記入してみてください。」と声が掛けられる。

■ このワークシートには7つのクエスチョンが用意された。

『自分の魅力発見シート』
(1) 次の中から将来あなたが活躍したい業界や職種を下記から選択し、「もし私が○○(業界)に入ったら、」という出だしで文章を書いてみましょう。【自動車、建築、IT、金融、流通(デパート、コンビニなど)、マスコミ、アミューズメント(ゲーム・映画・音楽・テーマパークなど)、旅行、フードサービス、介護サービス、研究、芸術、学校、政治、法律】
(2) 将来自分が活躍してサインを求められた時、どういうサインを書きますか?文字やキャラクターなど、いろいろ使って「自分のオリジナルサイン」をつくってみましょう。
(3) あなたが下記のどれかの会社を選んだと仮定します。「私が創りたいものは」という書き出しで文章を書き、絵や図を使って説明してみましょう。【ゲームソフトを創る会社、ブランド商品を創る会社、出版社】
(4) 「今私が一番興味をもっていることは、」という書き出しで文章をつくり、絵や図などを使って理由まで詳しく説明してみましょう。
(5) 「今私が一番心配していることは、」という書き出しで文章をつくり、絵や図などを使って理由まで詳しく説明してみましょう。
(6) 人や国について「今私が一番助けたいと思っているのは」という書き出しで文章をつくりましょう。その理由も書いてみてください。
(7) 「今私が一番助けてもらいたいことは」という書き出しで文章をつくりましょう。その理由も書いてみてください。

■ 1組では(1)〜(4)の中から好きな2問を選んでワークシートに記入することになった。2組では全7問中から好きなもの4つを選んで取り組む。3組では(2)、(3)、(5)、(7)に挑戦するようにLAからの指示が出された。

■ 2組では生徒が「○○先生はまだなの?」と担当するLAの到着を待っている。プリクラを眺めている生徒もいて、まだ作業に向かうための弾みがつかない様子だ。「このプリクラもみんなの個性が出ていて面白いよね。ワークシートも、同じように自己紹介をするような気持ちで取り組んでみてください。」と他のLAが声を掛けて作業を促すが、遅れているLAの到着が気になってまだ作業を始める態勢に入れない。

■ しかし徐々に課題に向かう生徒が増えていったん教室が静まり返ると、次はあちこちから質問が上がり始め、また賑やかになった。「先生、業界って何ですか?」「ITって何?」「出版社って?」「何を書いたらいいんですか?」「フードサービスって何ですか?」2組を担当するLAたちは、それぞれの質問に具体的な会社名や業種名などをいくつも挙げて答えていた。「分かったかな?」「何となく分かりました。」

■ 1組の教室をのぞいてみると、仲の良い2〜3人で集まってワークシートを囲んでいる姿が多い。個人作業をしているはずなのだが、シートへの記入の仕方や問題に対する考え方などを、お互いに確かめながら作業をしているようである。

■ (1)の職業に関する問いに、「保育士になって、小さな子どもたちと遊んであげたい。」と記している女子。「なぜその職業を選んだのか、何のためにやりたいのかを具体的に書いてみて。」とLAからアドバイスがあり、「子供が好きなので・・・」と続きを書き始めた。また、スポーツが盛んな共栄らしく、 「スポーツ業界に入って、スポーツトレーナーになる。」「中学まではバレーボール選手になりたかった。」など体育会系の職業を想定する生徒が多いようだ。

■ 「どんな組み合わせでもいいから、必ず2つは仕上げてみてください。」とLAたちはそれぞれに、教室をぐるぐる回ってひとりひとりに声を掛け、少しずつ具体的な反応を引き出していく。興味を持って取り組む姿勢が徐々に生まれてきたようで、「先生、オレ全問やるよ!」と元気な声も出てきた。

■ 「契約の人と正社員やアルバイトの人では違うからね・・・」とLAと生徒が輪になって話している。 (1)の問で職業について考えているうちに話が発展し、今はLAから雇用形態についての説明を受けているところだった。

■ 考えに考えた挙句、「先生、私のなりたい職業がありません!」と訴える生徒も出てきたが、LAは「そうだね、具体的に何になりたいのかな?」と希望する仕事についてたずね、その仕事に関する記述をさせていたようだ。具体的に目標がある生徒は思い入れが違うようで、次々と書きたいことが湧き上がっていく。逆に全然書き出せない生徒もいて、横からのぞくと「見ないでください。」と恥ずかしがっている。「自分の魅力なんだから自慢しよう。自信を持って頑張って!」

■ (4)の興味についての問いに、将棋への興味を「勝つと嬉しい、負けるとくやしい。」と綴っている男子に、LAが「どうして興味があるのか理由が分かるようにしたいね。勝つと何で嬉しいのか、負けるとどうして悔しいのかっていう気持ちを明らかにして書いてみては?」と声を掛けると、生徒は「なんか単純だったなぁ。」と言いながら記述を続けた。「絵も描けるようだったら描いてみてね。」

■ 同じ(4)に「プラモデルを作っているときには気が紛れる。」と記入している生徒がいた。「『気持ちが落ち着く』とかじゃなくて、『気が紛れる』なんだね。」とLAが言葉を掛け、会話でそのワケを探っていく。ワークシートに書き込まれた内容を見ながらマンツーマンで深いやり取りをすることで、今までのグループ作業では分からなかった個人の考え方がだんだんと顔を出してきた。

■ 「お前が興味ある職業って何?オレが助けてやるよ。」と男子同士がお互いのワークシートを交換している。「自分で自分の事を発見して欲しいから、書くのは自分でやろう。でもアドバイスしてもらうのはいいかも。」とLA。


9:20 意見の交換

■ 2組では、同じテーマに取り組んだ人たちが一緒に自分の答えを発表して共有する。ワークシートを口頭で読みあったり、黙読で回し読みしているグループもある。「いいと思います。」「オッケーです。」との反応に、「ただ発表し合うだけじゃなくて、『どうして?』とか『私はこう思う』とか、意見を出し合ってください。」とLA。見解の相違などを明らかにして議論や討論につなげたい考えだ。

■ デパートの広報や運営をやりたいと漠然と考えていたひとりの女子は、自分のことを上手くワークシートにまとめることができなかった。意見を共有した相手は「テーマパークを創ってみんなに楽しく遊んでもらいたい」と書いており、自分の想定した職業と目的が似ているところもあったということで、少しヒントになったようだ。相手の意見に「ふ〜ん。」と、最初は薄い反応を見せていた生徒たちも、相手が考えた『理由』に触れることで、「それってどういうこと?」など、違った形での受け止め方を始めた様子。

■ いくつかの課題に挑戦し、普段とは違う角度で自分のことを考え、周りの友だちの考えにも触れることができた。さらに自分自身を深く知るために次の課題にチャレンジする。


9:50 エジソン★クエスチョン

■ 休み時間を挟んで次の課題が配布された。

『エジソン★クエスチョン』
次の問題はあの発明王エジソンが、エジソン奨学金を与える高校生を選ぶときに出題した問題です。『自分が成功するためなら、犠牲にしても構わないと思うものは、次のうちのどれか。その理由も述べよ。』【幸福、快適な生活、評判、誇り、名誉、健康、お金、愛情】さて、あなたならどう回答しますか?

「名誉はいらない。」
「なぜ名誉はいらないと考えたのかな?」
「意見文を書くんですか?」
「そうだね、自分の考えをバンバン書いてみて。」

■ 「これって複数回答でもいいですか?」手元を見てみると、たくさんの項目に○が付けられている。「そうだね、どうしてたくさん出てきたのかも一緒に書いてみようか?」

■ 「快適な生活・・・犠牲にすれば戻ってくるから。」「お金・・・成功したらまたもうかるから。」のように、後で取り返しの効くものとして「今」犠牲にすべきものを導き出している生徒が多いが、「成功っていうのはお金持ちになること?」とLAが問うと、また首をかしげる。人によって問題自体の受け取り方も答え方や考え方も違っており、人の意見に耳を傾けるとまた新しい考え方に気付かされていく。

「うわぁ、いっぱいあるね。犠牲にして構わないものがこんなにたくさんあるのはどうして?」
「・・・・・・。」
「何を基準に考えたのかな?」
「目標と関係がないから・・・。」
「そうか、具体的に自分の目標が定まっているから、こんなに要らないものが多くなったんだね。ではどんなことが目標で、どういう風に考えたのかがみんなに分かるように書いてみては?」

第6回土曜講座 [1] [2]

このページのトップへ▲
ホーム学校リサーチ:学校レポート私立中高一貫校レポート:共栄学園中学校 最先端学習 第6回土曜講座 [1]