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■ 「良く見てもらうといいものではないけれども」と紹介するが、全く見劣りしない堂々たる校舎だ。富士見丘は商業高校としてスタートしたこともあって今まで寄付をとったことがなく、建築費用と環境設備に関しても並々ならぬ努力があったそうだ。この校舎の景観はCD-ROMの360度見回せるパノラマ画像での解説もあり、講堂と体育館を兼ねるメモリアルアリーナなどの様子にも驚かされたが、後から見学してみると校舎のあちこちに花壇や観察池や木の質感を取り入れた場所など、環境を意識した様々な味付けがあることも分かった。
このように学校一丸となって取り組んでいる環境教育について、「ISOを取得したことによってより具体性が出てきた。」と吉田晋校長先生は振り返る。環境問題を総合学習などに取り入れる学校は多いが、富士見丘では自らISOを学習してきた先生方の多大な努力によって、ゴミの減量や丁寧な分別、節電・騒音への配慮など、生徒の環境に対する認識が大きく変わってきたそうだ。
■ 「学校は学力向上だけでなく『人としての基礎』を作ることを大切にしています。学校を自分たちが生活する場所として考えてもらい、生徒ひとりひとりが人間として人間らしく生きられるように、その生活の中に環境への配慮や地球と共生していくことを盛り込んで、より多くの『感動する機会』を提供しているのです。子どもたちには、学校でたくさんの感動を味わいながら、うそ偽りなく常に相手の立場に立ってものを考えられるような思いやりのある人間に成長して欲しいと願っています。」
■ 土曜日には5×2学習といって1年間通してひとつのテーマを探求しながら『自調自学』の姿勢を培うことを目指している。1週間のうち5日を通常授業、2日を自己探求の日と区別しているのだ。この5×2学習では環境に関連したテーマを挙げる生徒も増えており、年を追うごとに追求したテーマが生徒の最終進路へと結び付く例も増えているそうだ。中高のみで大学を持たないため特別に進路を限ることがなく、何をやりたい生徒に対しても柔軟に道を開くことができるのも特徴のひとつとなっている。
■ 「近年は女子校から共学校に変えるという流れも見られますが、富士見丘は『女子』にこだわってきました。60年間やってきた『女子だからこそできる教育』というものをこれからも徹底的に探求し、貫いていきます。」
■ 富士見丘では、昨年まで特別選抜としていた推薦入試を『WILL推薦入試』という枠へと広げて入学機会を拡充した。「WILL」とは意志、意欲のことで、目標や意欲を持って自分の力を発揮できるような人材を求めているということだ。この推薦基準にもつながる私学の統一テストについて吉田校長先生は、「絶対評価を導入する良さももちろんある。」と認めた上で、「それだけでは学力を判断する指針にならない。」と意見を述べた。
■ 学内で良い成績をもらっていたが、希望校に入学してみると実際は学力が追いつかない、という状態では生徒にとっても不安がつのる。そのために都教委側が共通テストを実施することも検討していたのだが、結局、都は共通テストを実施しないことを表明した。私学協会としては「独自に実施する」という方向で打ち出そうとしていた矢先であったが、方針の決まらないうちに早々と新聞紙上に出てしまったという経緯が説明された。
■ 「何のために統一テストをやって、どう活用するのか」、「統一テストをやらないとしたらどういう判定方法があるのか」、「絶対評価とはいかにあるべきなのか」、「他に学力を判定できるような資料の提示はできないものか」など、生徒たちが自分の学力に見合った学校を選択できるようにするために私学協会は何度も討論を重ねているそうだ。また、公立の中高一貫校が設置されることについて、「上位校ばかりを統合する必要性があるのかどうか」と疑問を覗かせたうえで、私学が良い教育をしているので公立も真似をし始め、教育現場全体がそれぞれ変革に向かっていることを語った。
■ 創設以来、富士見丘では、孔子の言葉である「忠恕」(ちゅうじょ)を教育の基本として掲げている。「忠」はまごころ、「恕」は思いやりを意味する言葉であり、近年では環境に対しても思いやりを持ち、実生活へ結び付けて考えられるようにと説いている。
■ 在校生から学校紹介のスピーチがあり、朝の読書や5×2学習、スタディ7など、様々な学習への取り組みや部活動の内容が紹介された。
■ 学校での環境学習の機会を通して、世の中がグルグル回っていること、どこかで切れると無駄が出てしまうことに気付いたり、温暖化などの国際的な環境問題へも思いやりをもって取り組むことが出来るようになったり、学校生活をそのまま家庭へ投影して家族と共に環境に配慮した生活を送るなど、応用のできる本当の学習を身に付けて欲しいという先生方の願いが感じられた。
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