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東京女学館中学高等学校 オープンスクール
メニュー豊富な体験学習

2002年7月11日
by 前田恭子

■ 東京女学館のオープンスクールを拝見した。一般の見学者と共に、東京女学館小学校からも見学者が訪れ、クラブ活動や模擬授業を通して学校生活の一端を紹介する。

■ 始めに記念講堂で説明会が行われる。イントロダクションとして在校生によるピアノ演奏が披露された後、田甫校長先生からは「学校のことをもっと良く知って理解してから入学して欲しい。」との言葉があった。続いてステージには在校生が5人現れ、生徒会長が1、2年の在校生にインタビューする形で学校のことを紹介する。

■ 「なぜ女学館に入学したのですか?」と生徒会長が質問をすると、「記念祭やオープンスクールで頑張ってと声を掛けてもらったので入学を決めました。」と答える生徒。ひとりひとりから、クラブに入って友達をたくさん作ろうと思ったから、家族が卒業生でだったからなど、素直な意見が聞こえてきた。「校舎がキレイだったから」「制服が可愛いから」など、事前に調査した在校生のアンケート結果と、「クーラーがいっぱいあって恵まれているなと思いました。」と入学してからの感想も紹介する。

■ みんな入学前には女学館小学校から上がってくる生徒たちと仲良くできるかどうか心配だったりと、不安を抱えて込んでいた様子だが、行事やクラブ活動を通して友情を育むことができ、今ではときどき階を間違えて大笑いしたり、不安もすっかり吹き飛んでしまうほど楽しく学校生活を送っている様子が語られた。

■ 「面白い授業は何ですか?」との質問には、名物の先生のモノ真似を披露してノリの良いところを見せながらも、「実験がたくさんあるので理科が面白いと思います。」「少人数でコミュニケーションが取れるので英語が好きです。」など、好きな教科や授業内容のこと、「毎日予習しないと追いつかないときもあります。」「小テストがたくさんあって、自分が分からない所をすぐに確認することができます。」と、勉強の面でもそれぞれの観点からの紹介をする。

■ クラブについては、運動部に入って毎日マラソンを頑張ったおかげで体力が上がったことや、掛け持ちしている部活のこと、筝曲部、染色部、奇術研究部などめずらしいクラブがたくさんあり、部活によって上下関係は様々であることを紹介した。今年、テニス部では新入生がたくさん入部したため、全部で100人近くの部員を抱えてひとりひとりがラケットを持つ時間が少なくなってしまったのが嬉しい悩みだそうだ。逆にバスケ部では今年の新入部員が10人しか入らなかったので、「後輩を大事にしていきたい。」と言う。

■ 「規則が厳しいけれど女子校の中では普通だし、品性を守るためには規則は必要だと思います。」「私は小学校から女学館で、高3までだと12年間も女子校にいることになるので、たまには共学がいいかなと思うこともありますが、女学館の建学の精神はとても素晴らしいものでとても気に入っています。以上でご理解いただけましたでしょうか?」
と生徒会長が結ぶと、会場からは拍手が贈られた。続いて中学生と高校生による創作ダンスの発表を観賞すると、その後、自由に校内見学となった。


■ 校内案内図と体験プログラムの時間割を見ながら、参加者はそれぞれの興味のある方向へと移動を開始する。講堂を出て「何見たい?」「どこに行くの?」「ミニエンカウンターって何のこと?」と家族で熱心に相談したり、一目散に飛び出して目当ての教室に向かう子どもたち。

■ 希望者には「場内案内」の腕章を付けた在校生が、エスコート役となって細かな説明を加えてくれる。「エンカウンターというのは体験学習のことで、新入生のオリエンテーションでも同じように、お互いが知り合うための楽しいゲームをやって過ごすんです。1回目は11時からですね。面白いので参加してみますか?」

■ ミニエンカウンターや英会話などの体験授業は、時間を区切って何回も行われている。「ためそう!理科入試問題」と題して理科の実験も行なわれていた。在校生によるクラブ活動も校内のあちこちでいつも通りに行われ、クラブによっては子どもたちが体験できるような工夫を凝らして見学を歓迎していた。テニス部では試し打ちをさせてくれるので、見学者がこぞって参加する。家庭部ではマドレーヌを作っており、試食ができるようだ。


■ 理科の実験教室に行ってみると、2月の入試問題に出題された理科の実験を、子どもたちの目の前で理科の先生が実演していた。3つのペットボトルに3通りの穴を開け、中にロウソクを灯してどれが一番燃えやすいかを試す実験だ。「(ア)、(イ)、(ウ)のどのペットボトルのロウソクが一番勢い良く燃えるでしょう?」と先生が子どもたちに質問しながら実験を進める。

■ これは実際にキャンプを行ったとき、薪になかなか火が点かなかった経験から、「なぜだろう?」と考えて気づいた内容を問題にしたそうだ。今回の実験では空気の流れがポイントなので、空気の通り方が見やすいように透明なペットボトルを使い、中にはロウソクの他にお線香を入れて、煙の流れる様子を観察する。

■ 「良く燃えるために必要なのは何かな?」と先生が問い掛けると、保護者に尋ねながら「酸素!」と答える子どもたち。続いての実験でもこの『酸素』の実験を行う。「いくつかの薬品を使って酸素を発生させることが出来ます。それは次のどの組み合わせでしょうか?」先生がいくつかの薬品の名前を挙げると、後ろのお母さんたちから「分かる?」「どれだったかしら。」と声が聞こえていた。

  1. 過酸化水素+石灰水
  2. 塩酸+石灰水
  3. 二酸化マンガン+水酸化ナトリウム
  4. 過酸化水素+二酸化マンガン

■ 「さぁ、うまく酸素が出てくるでしょうか?」と子どもたちに語りかけながら、用意した4本の試験管にそれぞれの液体や粉を混ぜ、試験管の中で起こる化学変化の様子や、火の点いた線香が烈しく燃える様子を、TVモニターも使ってできるだけ分かりやすく見せていた。


■ ミニエンカウンター体験の教室では、保護者や在校生も一緒になって椅子を丸く並べて体験ゲームに参加している。先生の指導で、初めにジャンケンで1分間に何人に勝てるかというゲームを行なった。「始め!」の合図で一斉にどんどん違う相手とジャンケンをしていき、1分経ったところで先生が終了をかける。「はい、終わり!10回以上勝った人はいますか?」と先生が尋ねると、一番たくさん勝ったお母さんはひとりで11回も勝っていた。2番目は8回なので、よほど強運を持っているようだ。

■ 続いて後出しジャンケン。先生は「後から出していいので、必ず私に勝ってくださいね。」と念を押す。「ジャンケンポン!、いいですね。ジャンケンポン!あれれ?大丈夫ですか?もっと早くなりますよ。」どんどんテンポを上げていくと、「次は負けてください、はい、ジャンケンポン!」「ん?分かんなくなっちゃった。」と会場から笑いが漏れる。

■ ジャンケンで勝ったり負けたりした後はフルーツバスケット。「ただのフルーツバスケットではなく、みんながお互いに知り合うための題目を掲げてください。では最初は今日、日比谷線で来た人!」ワッ!っと半分ぐらいの参加者が席を立って走り回る。席からあぶれてしまった女の子はちょっと考えて「渋谷区に住んでいる人!」と声を掛けた。続いて「A型の人!」「名前が3文字以上の人!」と、お互いのことを知るためのお題が並んでいく。

■ エンカウンター(Encounter)とは元々出会いや遭遇を意味する単語だが、現在は学術用語として用いられることが多いようだ。東京女学館では、個人やグループが出会い親密に知り合うための体験としてこの「エンカウンター」を学校に取り入れており、中学1年生のオリエンテーションの場でもこのようなゲーム感覚の「エンカウンター体験」を行っている。


■ 英会話の体験授業では、訪れた小学生を相手に普段と変わらない英語のみのコミュニケーションで授業を行っていた。「Good morning, everyone ! My name is Eck, Mr. Eck.」ネイティブスピーカーの先生が自己紹介から英語で行う。

■ Eckというのはラストネームだということを説明して先生は「What is my first name?」と小学生たちに尋ねる。一瞬の間があって父母と在校生から笑いが出てきた。ファーストネームはまだ教えていない。「私の名前はハリーポッターで主役のハリーをやっている男の子と同じ名前なんだよ。」と先生が英語で説明すると、在校生から「ダニエル?」と声が上がった。

■ フルネームを紹介すると、先生は子どもたちに「What is your first name?」と質問する。参加したどの子も臆せず英語で答えていたが、ラストネーム?ファーストネーム?と交互に聞いているうちに、どちらがどちらだか分からなくなってしまう子もいる。子どもたちの名前の後は、教室の中にあるモノを手にとってその名前を英語で発音。Desk, Chair, Window, Calendar, ・・・ 「Everybody have good name!」と笑顔の先生。

■ サポート役の中学生たちとの掛け合いで挨拶の会話を実演し、席に座っている子どもたちにも2人組になって自己紹介の会話を体験してもらったり、red, blue, yellowなど色の名前をみんなで発音したりと楽しく授業が進む。

■ ユニークなイラストを見ながら動物の名前を発音した後は2つのチームを作ってゲームを行う。先生が動物のカードを見せるとまずは名前を当てると1点ポイント。次にその動物に関する英語の質問に答えるとまたポイントがもらえる。2チームでポイントを競うゲームだ。英語だけを理解するのは大変でもゲームを理解するのはそう難しくない様子で、こうしてテンポ良く進む英語の授業をどの子も楽しむことができたようだ。


■ 東京女学館は都心にある学校ではめずらしく「学校ビオトープ」を実践している。「ビオトープ」とは「生物」を意味するBioと「場所」を意味するTopを合成したドイツ語で、元々は「生物の生息空間」の意味。学校の中に自然を生かした場所を設けて、意欲的に自然の力や環境、生態系を学ぼうとする試みだ。

■ 小川が流れ込む小さな池にはビオトープのために用意したメダカとともに、ヤゴなどの生物が自然に住み着いている。田んぼに赤米を植えたり畑を耕して農作物を栽培しながらも、出来得る限り自然に近い状態を維持し、生徒が主導となって植物や生物を管理して環境学習に役立てている。手作りの梅ジャムを試食した参加者にも、ここが単なる学校農園ではないことが伝わっただろうか?

■ 案内役の在校生に「みなさんは普段の休み時間は何をやって過ごしてますか?」とお母さんが尋ねている。「昼休みは食堂でずっと喋ってることが多いですね。授業の移動とか着替えがないときも教室でずっと喋ってます。授業が6時間目まであるからHRの後はあんまり喋らずにすぐに部活に行っちゃいます。」と生徒は自分自身の言葉で質問に対応していた。

■ 間もなくオープンスクール終了の13時を迎えるが、食堂では発券機の前から長い行列が伸びていた。楽しげに食事する家族の姿があり、姉妹はこの後テニスをする時間がないことを残念がりながらも、美味しそうにハヤシライスを食べていた。

*理科の体験授業での実験結果は(イ)と(4)が正解。


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