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共栄学園中学校 最先端学習 第2回土曜講座 [3]

2002年5月31日
by 前田恭子


10:40 マルチメディアルーム

■ 課題について調査を進める階下のマルチメディアルームでは、「『てぃ』ってどうやって出すんですか?」とキーボードやPC操作に関する質問が出たり、かと思うとブラインドタッチをこなしいる生徒もいる。各クラスからの代表が、思い思いの語句や方法を使って検索やプリントアウトを行っていた。

■ 「現代社会と個人の問題」という課題の解釈には生徒によって違いが出てくるようで、「社会問題」や「現代社会」を検索して地球温暖化や酸性雨、核兵器などを拾い上げる動きもあれば、「社会と個人」「個人と社会」などと検索して、相互の関係性を取り出そうとする生徒もいる。

■ 課題に対して積極的な興味を持ってやってきた生徒が多いようだ。中には普段討論にはあまり参加してこない生徒の姿も見られるが、作業自体を面白がりながら課題に取り組んでいる様子である。


11:15 合同発表

■ 調査編集にかなりの時間を要し、少々時間がずれ込んで合同発表が始まる。発表の準備が整っているクラスから順に発表することになり、まずは3組から。2枚の模造紙を使って代表の女子が発表を行う。

■ 1枚の模造紙には『現代』という大きな括りの中に『社会』と『個人』を別々の円で示し、interval(2つの間)という英単語を用いて対比させ、社会は国際的(international)に頼りあった(interdependent)密接な関係をとっているが、個人の世界は政府によって社会情勢とは隔離されて支配されて(interest)いるため、全く別ものとなっているという見解を、他にも英単語の意味付けをして発表した。もう1枚の模造紙には地球の絵が描かれ、世界が酸性雨・地球温暖化など自然破壊の問題を抱えていることや、日本の問題として政治経済への心配と学校週5日制による学力の心配があることを発表する。

■ また、日本では政府が国民の意見を重視していないことから、社会問題として取り上げられる前の段階では、個人的な問題と捉えられているという意見を述べる。さらに、地球温暖化の要因として一般に二酸化炭素が熱を吸収することが取り上げられることについて、そのメカニズムを簡潔に発表し、事実上はあまり熱を吸収しないという説を論じ、温暖化を防がなければならない理由に挙げられる水面上昇の問題とは別に、永久凍土が太古の細菌を含有しているという意見を紹介するなど多方面からの見解が織り込まれた発表となった。

■ 続いて1組は、選んだ英単語を「人間とは」という言葉で括った文章に折り込み、現代社会について独自の考えをまとめた。「人間とはおもしろい(interesting)生物であり、限りない(interminable)可能性を求めるために親しい(intimate)人と情報を交換し(interchange)、興味(interesting)のあることを心の底から(intimately)説明する(interrelate)ことにより触れ合い(interact)、いずれ人は死ぬ(intestacy)。まとめて言うと、現代社会で人間は他の人と競争し合い、心のゆとりがなくなってきている。だからそのすりへった心を雄大な自然と触れ合えば心のゆとりが持てるようになって、現代社会のギスギスした問題が解決できると思います。」

■ 2組は再び時間内に意見をまとめることができなかった。SVは「現代社会と個人の問題がここにあるなぁ。」と2組の抱える問題を示唆する。「途中まででも良いから発表してみたら。」というアドバイスがあり、しばらくして女子グループがまとめた文章を口頭で発表した。

■ 「社会問題で苦しんでいる人たちが酒におぼれて借金が増えて脅迫されて手におえなくなって遺言を残せずに死んで多数の死者が出る。」選んだ英単語の意味を織り交ぜた短文の後、「結論をまとめて言うと、世の中には『社会問題で苦しんでいる人』と、『社会問題の解決に取り組むべき人』の双方が存在し、少数の人間であっても困っている個人が存在しなければ社会問題は存在しない。その場合、困っている人にとって、それは彼の個人的な問題でもある。」とまとめ、3組の発表にもあったように個人の問題が社会問題となっていく過程を鋭く指摘した。

■ SVは、2組では社会の問題と個人の問題を一生懸命繋げようとする作業がなされ、その部分で意見の集約に時間がかかってしまったのだと診て、発表内容はまとまらなかったが、編集過程でみんなが問題を体感できたことについて評価した。

■ 各教室に分かれての振り返りで、2組は意見がまとまらなかった理由を考える。SVが、他のクラスでは全員が机を囲んだり、前に出てきて意見を交換しやすい態勢を作っていたことを紹介すると、クラスの代表が「次の時間には女子も男子もまとまって意見を出そう。」と提案し、全員がその意見に賛成したことを再度確認して今日の授業を終えた。

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