■ 2002年度の大学入試結果を見ると、早慶上理(早稲田、慶應、上智、東京理科大)への進学が減少している。本郷では今学年に自学自習の習慣が根付かなかったことを深く反省しており、続く学年では強力に自学自習の方向を持たせるための修正をかける決意である。
■ 早慶上理に代わって医歯薬系の合格者数に大きな伸びが見られた。この理由には、併願を抑えて着実に私立医大・歯大・薬大を狙った生徒が多かったことがあげられる。今後、医歯薬系志願者が増える傾向を受け、授業などへのフィードバックも検討しているそうだ。
■ 本郷高校の特進コースの前段階として、今年度新たに中学3年の特進予備クラスが設置された。この中高を跨ぐ特進コースの充実は、ボトムアップを目指す本郷中学の教育にさらに強力な追い風を送り込んだようである。
■ 本年度の中学入学者は定員240名に対して入学者241名となった。全体的に資質と目的意識の高い生徒が多く見られるのも特進予備クラス設置の影響で、中1の段階で特進コースを視野に入れている生徒が非常に多い。2科目受験者数は減ったが、他校の2科目受験が廃止となった影響もあり、優秀な生徒を多数採用することができた。
■ 中学1、2年は学力均等の6クラス40〜41名編成で、2年間のうちに宿題や小テストを多く出すことで自学自習の習慣を付けさせている。現在75名の専任教員が指導にあたっているが、このうち30代が28名を占めている。これは即戦力となる人材を採用したためであり、英語科では高校卒業までに英検準1級取得を目標として学力向上を図っていることなどから、今後も英語科や理数系を中心に増員を検討している。
■ 中学3年からは34名編成の特進予備クラスを2クラス設置。英語と数学では習熟度別同時限授業を実施し、普通クラスを二部に分けたα、βクラスと、特進予備クラスの3段階で対応している。αは応用クラスで、βは基礎クラス。いくつかのクラスの同レベルグループを一緒にして同時限授業を行う。習熟度の高いαクラスは25名前後で授業を行い、βクラスでは15名以内の少人数制でじっくりと指導して理解度を引き上げている。
■ 本年度の高校入学者については見込み以上の歩留まりがあったため定員を大幅に上回ってしまったが、「キツイ授業をやるぞ!」という掛け声に賛同を得たものと理解する。このキツイ授業が目指すように、高校の特進コースでは東大京大を必ず受験することを原則としており、今年の高1特進クラスでは3年後に東大合格者20名を輩出することを目標に掲げている。
■ ただ学力を付けさせるのではなく中高を通じて文武両道を掲げているのが本郷の大きな特徴で、いかにして運動しながら学習にも取り組むのかを考え、身に付けさせることを重要視している。高校特進コースへの準備段階である中3特進予備クラスでも、現在クラスの全員が何らかの部活動に所属して文武両道を目指しているのだ。
■ 高校1年次のクラス編成では、特進コース、一貫生の普通科進学Aコース、高校時入学生の普通科進学Bコースと3種に分けるが、高1の間に英数国の先取り授業内容に追いつかせた後は、高校2年次に全クラスを混合して本編成することになる。高2までですべての高校課程を終了するため、高3では進路別にクラスを編成し、受験科目を絞り込んだ授業を行うことができる。
■ 来年度の入試に関して、中学入試内容には特に変更点はなく、高校でも旧課程を含む入試問題を採用する点で変更はない。但し中学の成績に絶対評価制が導入されることから高校のAコース1種推薦(校長推薦)とBコース推薦(スポーツ推薦)は廃止となり、Aコース2種推薦枠についてはテストの形式を検討中である。
■ 本年度より学校6日制かつ正規授業5日制を実施した本郷中高。中学では身体を鍛え協調性を養うことに重きをおいており、土曜日は個性を磨くことや幅広い視野を身につけるための時間として、教養講座や情操面を補う特別講座など基礎教科以外の授業を行う。一方高校では土曜日を自分の目的に対応するための時間と位置づけ、予備校講師を招いて進学講座を開設するなど多彩な選択講座の受講にあてている。平日の授業が凝縮されて7時間授業を隔日で取り入れたため、中学生と高校生がお互いの授業数の少ない日に部活動を設定し、隔日でグランドを使用するようになった。
■ 土曜日には、午前中に授業のない中学生がグランドを使用し、高校生は授業終了後にグランドを使用する。現在スポーツ推薦で入学した生徒以外はクラブ活動が週3日となり、1日2時間から2時間半を原則として無理なく運動し、学習と両立できるような態勢が整ったことになる。
■ その他の試みとしては、今年度から早朝の10分読書を取り入れたことがあげられた。始めてまだ間もないが、遅刻者が減少し通常の休み時間にも本を広げていたり、通学時にも本を片手にという姿が見られるようになったそうだ。
■また、4月からは校長先生の講和を聞くようになった。隔週で朝10分間ではあるが、生徒にとっては大きな意識改革となった。朝読書との相乗効果もあり、授業前の全体の雰囲気が落ち着いてきている。学年集会などの際に再度校長先生から講話を聞くことで、さらに考えを深めることができ、モチベーションを上げることにつながっているようだ。
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