■ 数学では、もうすっかり授業内容が進んでいた。前回の授業で習った証明を、別問題で復習している。平行四辺形ABCDを用いて、点Aから辺BC、辺CDへそれぞれ垂線を引き、三角形ABEと三角形ADFが相似であることを証明するという課題だ。
■ 「どうやって証明した?」と最前列の生徒を指名する。うまく答えられないのを見ると、「ノート見ていいから、書いてないのかな?じゃ、教科書見て。」と助け舟を出し、次の生徒を指名する。順に指名された生徒が同位角などを指摘して相似条件を整えると、「他のやり方で証明した人いる?」と先生。
■ 「図より、じゃダメですか?」との質問に、「それだけじゃ、図のどこを見て証明しているのかが分からないなぁ。どこ見たの?」と詳細をたずね、式を綴る。「仮定で証明してもいいですか?」との質問もあり、活発な意見交換が展開された。「角Cを使って証明した人はいなかったかな?」と先生から別の証明方法が提示され、式を綴ってこの課題を終える。
■ 新しい問題では、校舎の高さ(X)を測るために、校舎から伸びた影の長さと自分の身長と自分の影の長さを使って割り出す。校舎と校舎の影が作る三角形と、自分の身長と影が作る三角形が相似であることを利用すれば簡単に答えが導き出せた。「最初から相似だと分かったかな?相似条件のどれに当てはまったの?」と答えを導き出した理由も尋ねる。
■ 「2組の角がそれぞれ等しいから。」と答える生徒に、「普通は建物も人も垂直に立っているよね。じゃ、もうひとつの角は何で等しいの?」と尋ねると、別の生徒が「太陽光線が平行だから」と答え、先生は「そうだね、ライトを使ってできた影では、この求め方は使えないね。」と補足。このようにして基礎を学ぶと徹底的に応用を重ね、徐々に理解を深めていく。
■ 次はプリントを配布し、類似問題を生徒たちが同じように相似を利用して解いていくと、先生はさらに応用編として鏡を使った相似の問題を上げる。日常の様々な事象から生まれた数学という学問が、こうして生徒たちの日常の知恵として授業を通して還元されていく。指名された生徒が頭をひねって解くと、熱心に聞いていた生徒から「すごーい!そういうこともできるのかぁ!」と感嘆の声が出ていた。
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