■ 1年生の美術の時間。先生は黒板に名前を書いて自己紹介する。自分の名前にある旧漢字へのこだわりを語ると、小学校の図画工作とは違う3年間の流れを説明する。まずは昨年の作品を黒板に掲げた。円錐などの立体物に頭蓋骨を組み合わせた静物画である。「みんなの身体に『ある』が実際に見たことの『ない』もの、『人間の頭蓋骨』をモチーフに、絵の描き方、物の見方をじっくり学んでいく。」
■ 頭蓋骨と組み合わせるモチーフは野生動物の骨である。本物の牛やインパラの骨、レプリカのマウンテンゴリラの骨などを各班に割り振ってみんなで描くそうだ。始めは色彩を使わずに明暗を見分けて表現する学習となるこの「頭蓋骨のある静物画」を、来週から1年生が制作する。「野生動物は保護されているから骨も手に入りにくいんだよ。」と、準備中の骨のことを語る先生に熱いものを感じた。
■ 中学を終え高校に入るとほとんどの学校で芸術は、美術、音楽、書道、工芸などからの選択科目となってしまう。「多くのみんなにとってはこの中学3年間が最後の美術の授業です。そのために中学美術のカリキュラムは多彩でとても忙しいけれど、頑張れば楽しいはず。これは保証します。」
■ その後美術の授業では先生が美術史にも言い及んでピカソの絵が分かるかどうか生徒に尋ね、「ピカソが分からないということは、ピカソ以前の人々と君達は物の見方が同じだということ。君達の考え方がそれ以前だってことだよ。」といった興味深い講義をしていたそうだ。
■ こうやって美術の時間に様々な表現を学び幅広い講義を受けることが、共立女子全体の知性と感性を高めることとなり、美術科作品集である共立ギャラリー「ぱれっと」はもちろん、国語科文集「ともだち」の中にもその芸術的感性の高さをのぞかせる。
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