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共立女子中学 授業見学レポート[3] 芸術から学ぶものの見かた、考え方

2002年5月13日
by 前田恭子


美術

■ 1年生の美術の時間。先生は黒板に名前を書いて自己紹介する。自分の名前にある旧漢字へのこだわりを語ると、小学校の図画工作とは違う3年間の流れを説明する。まずは昨年の作品を黒板に掲げた。円錐などの立体物に頭蓋骨を組み合わせた静物画である。「みんなの身体に『ある』が実際に見たことの『ない』もの、『人間の頭蓋骨』をモチーフに、絵の描き方、物の見方をじっくり学んでいく。」

■ 頭蓋骨と組み合わせるモチーフは野生動物の骨である。本物の牛やインパラの骨、レプリカのマウンテンゴリラの骨などを各班に割り振ってみんなで描くそうだ。始めは色彩を使わずに明暗を見分けて表現する学習となるこの「頭蓋骨のある静物画」を、来週から1年生が制作する。「野生動物は保護されているから骨も手に入りにくいんだよ。」と、準備中の骨のことを語る先生に熱いものを感じた。

■ 中学を終え高校に入るとほとんどの学校で芸術は、美術、音楽、書道、工芸などからの選択科目となってしまう。「多くのみんなにとってはこの中学3年間が最後の美術の授業です。そのために中学美術のカリキュラムは多彩でとても忙しいけれど、頑張れば楽しいはず。これは保証します。」

■ その後美術の授業では先生が美術史にも言い及んでピカソの絵が分かるかどうか生徒に尋ね、「ピカソが分からないということは、ピカソ以前の人々と君達は物の見方が同じだということ。君達の考え方がそれ以前だってことだよ。」といった興味深い講義をしていたそうだ。

■ こうやって美術の時間に様々な表現を学び幅広い講義を受けることが、共立女子全体の知性と感性を高めることとなり、美術科作品集である共立ギャラリー「ぱれっと」はもちろん、国語科文集「ともだち」の中にもその芸術的感性の高さをのぞかせる。


音楽

■ 美術の授業を中座して音楽室へと移動した。2年生の音楽の授業だ。

■ 「音楽という科目には、特に大事なテスト勉強があるワケでも、宿題がたくさん出るワケでもないけれど、他の教科に負担を掛けないためにも50分間の授業を無駄にしないことが一番大切なんです。必要な勉強は授業時間内にできるはず。」と先生は語る。

■ 2年生で習うのは、リコーダー、歌、音楽理論、鑑賞。中でも音楽理論については、今年1年間で、高校生で習う範囲までをすべて終了してしまう。「高校に入ると芸術は選択学習となってしまうから、この中学3年間で習うのが最後の音楽の授業になる人も多いはず。もし音楽を選択しなくても、中学でちゃんと理解していれば音楽理論だけはずっと分かる。これは他の教科とも違って、一度覚えるとなかなか忘れません。2年生は中だるみの学年と言われますが、決して甘えに走らないように。」と厳しい言葉で語ると、ざっと楽譜を見てリコーダーの準備を促した。

■ イギリスのバロック式リコーダーでザルツブルグ民謡の「しずかにしずかに」を演奏する。演奏前に臨時記号を手早く確認して「初めてだから少しゆっくりいきましょう。」と先生のピアノに合わせて演奏を始める。合図に合わせて楽譜通りにブレスも入り、一度演奏を終えると注意点を聞いて今度はテンポアップして再度演奏する。初めてとは思えないほどきれいに全員の音やリズムが合っているのは、音楽理論に力を入れているということで楽譜の見方も1年生の時に大方マスターしているのだと分かった。

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