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■ 共立女子中学校の授業は、始めと終わりにこの言葉であいさつをする。
「ごきげんよう。」
■ 「起立」「礼」などの号令はかけず、先生が教壇に立つと生徒が立ち上がる。週番の生徒が「ごきげんよう」と先導し、全員一斉に「ごきげんよう」とあいさつ、一礼する。「もう一度しっかりあいさつを」と、今日は先生から注意を受け、礼をやり直した。
■ 1時間目に拝見したのは「礼法」の授業。共立女子では開校以来この「礼法」の指導を行っている。校訓の「誠実・勤勉・友愛」を基礎として、専門の先生とクラス担任の指導により、人間として守らなければならない心の持ち方、考え方や、現代の生活様式にあった礼儀正しい言語・動作・社会生活上の常識を身につけていく。
■ 起立は椅子の右側に、礼は腰をしっかり折って一寸停止。たいへん美しい光景である。始業の礼を終えると、次に先生が注意を促したのは準備態勢について。「これから始まる授業の準備は整っていますか?」とたずねる。休み時間を次の授業の準備として使うこと、鐘が鳴ったら準備を終えて席に着くこと、姿勢を正して授業のあいさつを行うこと、礼を終えたら先生の顔を見てから席に着くこと。学校生活を円滑に進めるための心の持ち方や礼儀が、生徒に向けて丁寧な言葉で語られる。
■ 「みんなの気持ちが揃っていれば美しいあいさつができます。美しいあいさつを交わすと先生も気持ち良く授業に入ることができるのです。学校は自分だけのものではないので、みんなで行う事柄は優先して進め、お互い協力して気持ちよく学校生活を送りましょう。」
■ 1学期の礼法では神仏への礼について学ぶ。今日は「神社の礼儀正しい参拝のしかた」。各列にザラ半紙のプリントが配られる。プリントには、分かりやすいイラストで手水の取り方、礼の仕方や拍の回数などが解説されていた。
■ まずは先生が、用意した柄杓の柄をハンカチで包んで手にとる。プリントに沿って手水の取り方を実演してみせると、柄杓を各列にひとつずつ配る。手付きの良い生徒もいるが、プリントを確かめながら見よう見まねで演習している姿もある。
■ 「このような作法は何のためにあるのでしょう?」先生は、参拝前に指先や口元を清める「形」をとることで心を静かにするために「作法」が存在することを教える。そして、前列の生徒が後ろに柄杓を回す際にも、「物の受け渡しはどうでしたか?」と声を掛けると、生徒は相手が柄を取りやすいように柄杓を持ち直していた。この受け渡しの形も、今までに礼法で習ってきた人間尊重の表現として、受け取る相手の身になって考えることを教えている。
■ 神前での「二礼二拍一礼」の形を説明する際には、「コンサートでの拍手はどんな拍手?」「誰かを送るときの拍手は?」「では神様を拝むときは?」と拍手の種類や方法にまで話を広げ、礼法というものを噛み砕いて教えていた。亡くなった方に贈る「偲び手」や玉櫛榊の木の枝についての説明を受け、全員でゆっくり礼をしたり拍手をしたり、ペンを榊の枝に見立てて八足台に捧げる仕草を行うと、次は「合掌、仏拝のしかた」に移る。
■ 「神様と仏様は別物なので、仏様の前では合掌礼を行います。」今までに習った礼は、会釈、目礼、普通礼、合掌礼、座礼などたくさんの種類があるそうだ。それらには決まった美しい形と意味がある。「仏様に手を合わせるときは指を閉じて合わせます。ではまず一礼。」座ったまま手を合わせる仕草には日本女性らしい礼儀正しさや美しさを感じる。焼香などの作法についても、意味や謂れなど丁寧に説明しながらの演習が続いた。
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