NTS教育研究所NTS教育研究所
ホーム学校リサーチ:学校レポート私立中高一貫校レポート:東京女学館中学校 <新入生の絆をつくるエンカウンター>


東京女学館中学校 <新入生の絆をつくるエンカウンター>

2002年4月30日
by 前田恭子

■ 「さそり座の人!」「女学館小学校からきた人!」生徒たちが声にあわせてイスを立っては、円陣を組んだイスの間を所せましと駆け回る。次の鬼が「フルーツバスケット!」と唱えると一斉に、クラス担任の先生を含めた全員が立ち上がった。「キャー!!」




■ この春、東京女学館中学校に入学した新1年生たちは、午前中に教頭先生の指導で創立史やスクールアイデンティティーについて学んだ後、午後からは打って変わって楽しいエンカウンター授業を体験する。

■ 机を後方に片付けておき、教室の空いた半分を使ってゲームを行っていく。ひとつ足りないイスからあぶれて鬼となったひとりが題目を上げると、ものすごい瞬発力で立ち上がり笑顔で駆け回る新1年生たち。

■ 1年C組ではクラス担任の先生もフルーツバスケットの輪の中に入っていた。イスからあぶれて鬼になってしまった先生は「生活に関することを聞いてみましょう!」と生徒に指導して「おじいちゃんおばあちゃんと一緒に住んでいる人!」と声をかける。

■ 続いて鬼になった生徒は「犬を飼っている人!」「海外旅行に行ったことがある人!」。その都度どっと立ち上がる人数の多さに圧倒される。かと思うとイスを取り合うのではなく、目の前にひとつしかないイスを譲り合う姿もあって、イスに掛けた生徒が「ありがとう!」と声をかけ、「あっちあっち!」と空いているイスを教えている。こうしてまだ入学して間もない生徒たちの間にコミュニケーションの輪が広がっていった。

■ この時間は他のクラスでも同じようにフルーツバスケットを行って、クラスの親交を深めている。1年D組では、鬼はみんなの前で名乗ってからお題を上げる。「○○です。よろしくお願いします。えっと、TVが好きな人!」途端にテレビ好きの生徒は席を立って次のイスを探す。クラスのほとんどはTVが大好きなようだ。

■「血液型がA型の人」「弟がいる人」「家がマンションじゃない人」「コゲパンを愛している人」たくさんの題目が飛び交い、個性が飛び出して、みんなの心が少しずつ溶け合っていく。

■ 時おり生徒がお題に詰まると先生は「まだ鬼になってない人は?」とチェックを入れ、手をあげた生徒を「はい!ドン!」とシャッフルさせて、おまけに軽くプレッシャーを入れたりもする。「掃除当番にはまだ多すぎるかな。」

■ 何度も鬼になって自己紹介する生徒もいて「また私が鬼〜!?」と生徒が嘆くと「みんなは彼女の下の名前も覚えたかな?覚えてない人?」と先生がたずねる。正直言えば四十数名の下の名前まで覚えられない生徒も多く、再度自己紹介。

■ それぞれの心に残るように楽しい仕掛けを詰め込んだフルーツバスケットが終了すると、今度はジェスチャーゲーム。「言葉を使わすに、ジェスチャーだけで背の順に並んでみましょう。」

■ 指を使って1、5、5、と表し合う生徒もいれば、背中を合わせて背比べをする生徒もいて、ジャッジ役の生徒は微妙な判定を笑顔で下している。寄り合った2人組3人組がそれぞれの方法で順番を見極めると、他のグループともジェスチャーですり合わせていく。

■ 順番どおりにイスに座りなおすと「背の順で行動することも多いので、両隣の人を良く覚えておきましょう!」と先生が指導し、なぜだか輪になっての肩叩き合戦が始まった。

■ 他にもクラスごとに、通学で利用する路線別に別れて自分たちの路線をクラスに紹介したり、誕生日の順に並んでみたり、担任の先生によって様々な趣向でお互いを知り触れ合う機会がつくられた。

■ 「今日、一度も主役にならなかった人?」D組では最後に先生が、鬼にならなかった生徒の人数を確認すると、「はい、掃除当番お願いします!」と任命。「え〜!」と生徒からは悲鳴があがるが、自己紹介が少なかった分、交流の機会が増えたというところかもしれない。

■ こうして新1年生たちは、東京女学館の学校生活へどっと流れるように入り込んできた。午前中のオリエンテーションから振り返ると、日本の女性史を学び、楽しいゲームを通して趣味の合う友だちを見つけ、同級生の名前も覚えて、今日一日で学校や同級生について必要な様々なことを知ることができたようだ。

関連記事:東京女学館中学校 <伝統の継承と、未来への扉>


このページのトップへ▲
ホーム学校リサーチ:学校レポート私立中高一貫校レポート:東京女学館中学校 <新入生の絆をつくるエンカウンター>