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■ 日本の音楽校にはギター科がないため普通科の女子聖学院で学んだ村治さんは、本人たっての希望で通常の課題を欠席もなく修了し1997年に卒業した。在学中から数々のコンクールで喝采を浴びており、卒業後はスペイン色を増して更にギターの修練に取り組んでいる。
■ チャペルのステージに現れた村冶さんの堂々たる姿が拍手で迎えられると、"バロックから近代への『音楽の流れ』"と題したプログラムが、ヘンデルのソナタから始まった。高校3年生の時にリリースした第3弾アルバム「シンフォニア」に収録されていた曲で、村冶さんは「前より上手くなった表現と、今はできなくなった表現がある」と語った。
■ バッハ、ソルと続き、一曲弾き終わるごとにギターを手に持ち立ち上がって会釈をすると、赤いセーターに裾の長い黒のパンツスーツ姿がひときわ大きく舞台に生える。ソルの「ラルゴとメヌエット」は中学の頃から好きな曲。「在学中はみんなと同じようにに授業を受けました。今は音楽仲間との交流が多いのですが、旧友に逢うと大学のことだったり会社のことだったりと環境は違っていても共感できる同世代の悩みが聞けて嬉しく感じます。先生方の協力もあり変わらず接してくださったことに感謝しています。」
■ 続いてデ・ラ・マーサの暁の鐘。リサイタルは終始マイクを通さずにチャペルの反響を利用した演奏で、夜明け前から段々明るくなっていくトレモロの振動に同調して、客席も深く息を吸い込んでいくように感じられた。ファリヤの粉屋の踊りでは、故意に狂わせた調弦と楽器を叩くことで情熱的な踊りを表現する。力強い演奏に盛大な拍手が贈られ、ここで休憩を挟む。
■ 後半の演奏を前に小倉校長先生のご挨拶が入る。過去15年間の実行委員や歴代事業部員の方々にご起立をお願いし、みんなで拍手を贈って謝意を表した。続けて感謝のスピーチを重ねる校長先生だが、村冶さんがスタンバイ済みで、「そうですか、時間ですか」とステージを下りると、客席から笑いと拍手がこぼれた。
■ 後半は衣装も変わって、黒いシースルーのブラウスに真っ赤なロングスカート。"スペインの心『ロドリーゴの世界』"と題した演奏を展開する。「丘を下りつつ」、から始まり、羊飼いたちは行ってしまう、サンティアゴへの道にて、小セビジャーナからなる「3つの小品」、大背戸亜紀子さんのピアノを伴っての「アランフェス協奏曲」が演奏された。生前に一度逢ったというマエストロへの敬愛に溢れる演奏で、聖学院のチャペルという場にも相応しく思える。盛大な拍手に応えて、アンコールにはマルコム・アーノルドのセレナードが演奏され、リサイタルが終了した。
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