●広田教頭先生より教育活動について
本校は1学年が3学級あり、1年生から6年生まで700名あまりの児童が在籍している。児童ひとりひとりに全教師が関わり、きめ細かい指導を心がけ、建学の精神の実践に努めている。校長からの説明からもわかるように、本校の教育活動は、宗教教育を基盤とした心の教育を中心としている。これは創立以来変わることなく、それぞれの時代のニーズに応えながら、また、家庭の協力のもとに受け継がれてきたものと思っている。
そこで、この教育活動について2つの視点から述べさせていただきたい。
【1】宗教教育にのっとった教育活動
まず、学校生活の一日は朝礼から始まる。全校生が声を合わせて神様をたたえ、児童が毎朝捧げる祈りにみんなの気持ちもひとつになっていく。その時、校長からは、自然や人との関わりを通して児童にわかりやすく神の存在が語られる。また、季節の行事や社会にも目を向け、豊かな日本の伝統や文化にも触れるような話がなされている。同時に、教師からも毎週金曜日の「先生のお話の時間」を使って、日常生活の具体的な出来事を通して、児童自身が学校生活をより良くしていくため、示唆に富んだ話をしている。
授業では、週1時間の宗教の時間(これは道徳の時間に代わるもの)に、聖書を通して自分また家族、身近な人や世界にも目を向け、神の前に誠実に生きることを学ぶ。多くの方々のお世話になって生きている自分ということに気づき、感謝する心、奉仕の心を育てていけるよう進めている。その活動の一部として、宗教委員会という活動があるが、ここでは自分たちにできることとして「花ふきん」というものを作り、乳児院などを訪問している。また、友愛委員会では、身体の不自由な方のお手伝いや古切手の回収作業など、無理なく実践できる奉仕活動を続けている。
また、宗教行事にも子どもたちは本当に喜んで参加しており、5月にはマリア様とともに捧げるミサ、秋には一輪の花に自分の想いを託して祈るロザリオの集いがある。さらに、子どもたちの大好きなクリスマスや復活祭の前には、まず親切な行い、がまんすること、世界の人々のために祈ったりすることなどで喜びの日を迎える準備をしている。このような体験を通して喜びを味わう子どもたちの顔は本当に満足したうれしそうな表情なので、私たちもさらなる教育への熱意が増していくのを感じる。
こうして、学校生活の中に流れている宗教教育は、児童と教師が作り上げていく実践教育のひとつであり、そこから自ずと身についていくものもある。それが、命の尊さに気づいた思いやりであり、生かされている感謝であると思う。こうした自分の心にある喜びの表れが礼儀としての形になると考えているため、私たちは時間をかけ、繰り返し指導をしている。
【2】自立的で実践力のある子どもを育てる教育
こちらについては主に教科面から話をしたいと思う。
児童の個性と限りない可能性を認め、同時に学習の基礎となる力を児童の自主的な取り組みによって伸ばすようにしている。
例えば、「国語教育」では、楽しく書くことを通して表現力を高めるよう、あるいは豊かにするよう、日記や作文の指導にも力を入れ、年間計画の中に組み入れている。書くことだけではなく、日常生活の中での話すこと・聞くことを大事にし、まずよく聞いて、考えて、行動する、ということなどの指導も大切にしている。また、読書にも力を入れており、1年生から週1時間の読書の時間を設け、1〜4年生には学年に合った本を紹介したり、それらの本が手に取りやすいようなセッティングをしたりすることで大いに本に接するようにしている。5・6年になると、自分たちの調べ学習などで図書を有効に利用できるよう環境を整えている。このような積極的な読書教育により、本が身近にある状況となっているため、子どもたちの中からは「本が大好き!」という言葉も度々聞かれる。また、いくつかの限られたコンクールではあるが、授業の中で書いた作文や個人の自由研究などで出品した作品が良い成果を収めている。
「算数教育」においては、教科書のほかに、本校で作成した白百合算数という教材を使って自分で理解できるまで取り組めるようにしている。
社会科のレポートや理科の実験などでは、児童の発見、考え方、いろいろな見方を大切にしているが、そこにはやはり教師の適切な助言も必要と考え、指導にあたっている。
「音楽・図工・体育などの教科」では、子どもたちが意欲的に取り組み、表現力や思考力、想像力などが発揮できるようにしている。
次に、「語学教育」について話すと、本校ではフランス人教師と日本人教師による少人数クラスでのフランス語教育を行っている。フランス語は本校の長い歴史の中に位置している馴染みの言語ということもあり、学園の精神を伝えている言葉でもあると思う。この言語を通して、国際的感覚、教養を身につけるようにとの願いのもとに、小学生の興味・関心に沿ったテキストを作成し、教材の開発にも努めながら指導にあたっている。
「情報教育」については、早々に図書室の方にコンピュータを導入し、その後校内のネットワークを利用した機能を高めるべく、研究・整備を重ねた。パソコン教室、機器の設備も整ったため、3年生からではあるが、情報教育のカリキュラムに従って楽しくパソコンの授業に取り組んでいる。
<その他の場面での児童の実践的な活動>
「10月の運動会」は、6年生が中心となって教師と細かく打ち合わせをし、準備の段階から意見を交換しながら進めている。当日は自分たちの競技にも全力をつくし、運動会全体も役割分担をして支障のないように運動会を作り上げていく。このような6年生全員が責任を持って行動し、活躍している場面を目にすると、本当に児童の成長を感じるとともに、6年生なりに身についた実践的な姿により大きな喜びを感じる。
「総合的な学習の時間」では、児童ひとりひとりがお互いの関わり合いを大切にしながら、友だちとの違いにも気づき、思いやりをもって活動できるようにしている。この学習の中に、5・6年生を中心とした縦割りのグループ活動があり、「白百合タイム」と呼んでいる。この白百合タイムでは、なかよし交流会、奉仕活動、感謝の会などを開き、異なる学年の理解を深めたりしているが、たまには意見の衝突も経験しているようである。他には、学年ごとにテーマを決め、国際理解、福祉の分野にも積極的に取り組んでいる。
「校外学習」もいろいろあるが、それらは児童がお互いに協力しながら集団生活を安全に送れるよう時間をかけて準備している。特に、校外学習に出かける時には楽しい気持ちが先に立つため、準備の段階での話し合いでのまとめは大変だが、各学年の年齢に応じた約束ごとや活動範囲などを確認し合っている。自然の中に出かけて学習する活動としては、6年生の高原学校(奥日光:3泊4日)、5年生の海の学校(銚子:2泊3日)、4年生の林間学校(精進湖:2泊3日)がある。3年生は7月に上智大学のプールを借りて水泳教室を実施する。
「委員会活動」も学校生活の中で大事なもの。5・6年生が学校生活をより良くしていくために、いろいろな計画や考えを出し合って全児童に呼びかける活動を毎週行っている。
「クラブ活動」は、4年生以上が自分たちの選択のもとに参加している。
このように、宗教教育にのっとった心の教育と確実な基礎学力の定着のための自立的な取り組みを目指している本校では、3年生からは宗教、音楽、体育、図工、理科、社会は専科制をとっている。それによって子どもの持っている可能性を多方面からより良く引き出していけるよう、担任と専科教師が連絡を取りながら研鑚している。
児童の安全教育、学校の安全管理については、日頃よりまず児童の安全を第一に対応している。広範囲の通学圏のために交通機関ごとの方面別の班を編成し、安全な通学ができるよう自分たちの行動や態度、危険な箇所などについて話し合い、どうしたら安全な通学ができるかをお互いに確認し合っている。また、教師は集団下校の引率などにより通学路を確認し、児童の通学状況の把握にも努めている。昨今の社会情勢に対応するものとしては、学校には以前より防犯カメラを設置し、不審者の出入りがないように注意を払っている。警備員による警護、見回りも強化しているが、まずは教職員児童ひとりひとりが安全への意識をしっかり持つことが大事なことと思っている。忘れたころにやってくるといわれる自然災害にも備え、非常食、飲料水、その他非常用品等も児童数分備蓄している。
このような小学校生活のあとの進学についていうと、中学校へはほとんど進学できるが、本人の特性を考慮したうえで内部テストに臨むようにしている。小学校で身につけた自学自習の習慣は、中学、高等学校生活を十分楽しみながらも失われることなく学ぶことの意義を保ち続けていっているようである。また、宗教行事などを通して培った精神的な豊かさも大きなよりどころとなって、のびのびとした学校生活を送っている。そして、高校を卒業するまでには自分の希望する大学を目指し、目標を達成する確実な力をつけ、社会に出ても多方面での活躍を耳にすることがあり、私たちも大変喜ばしく思っている。
最後に、入学試験では公平に選考させていただいているため、無理をせず、落ち着いて子どもらしく答えられるよう、体調を整えて入学試験に臨んでいただければと思う。
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