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早稲田大学系属 早稲田実業学校初等部
施設見学会
2002年9月7日(土)10:00〜13:00

スケジュール
10:00〜13:00 自由見学

配布物
なし
展示物
制服

販売品
学校案内一式(1000円)

受付記入
なし

 新学期が始まって最初の土曜日、いよいよ施設見学会の日がやってきました!!
 先日の説明会レポートにてご紹介した通り、4回開催された説明会の会場はいずれも大隈講堂でしたので、皆さんこの国分寺校舎の施設見学会〈9月7日(土)・8日(日)の2日間〉を心待ちにされてきたことと思います。あいにくの小雨模様のなか、ワクワク顔のご家族がどんどんとつめかけてきました。
 まず、国分寺駅から徒歩10分とありましたが、それほどの距離を感じませんでした。それはきっと、中・高等部の校舎が通りから見えるため、すっかり到着した気持ちになって安心し、奥の初等部までのすてきなアプローチを歩く時間を所要時間と思わなかったからかもしれません・・。きっとお子さんたちもそんな思いでここを歩いていることでしょう。この緑に囲まれたアプローチは、まっすぐの平坦な道をつくることもできたでしょうに、あえてクネクネと変化を持たせ、こんもりとした丘もあったりするところがとても楽しいと思いました。校舎にたどり着く前にすっかり感動です!!






 校舎に入ったらもっとビックリでした。いきなり広がる明るい吹き抜けは、雨模様とは思えないほどの明るさです。そして、その天井までの大きなガラス窓の向こうに広がる中庭は、なんと丸いのです!!えっ、お庭が丸いの??というくらいの驚きでした。その円形の中庭をぐるりと囲むかたちで校舎が建っているのです。これは、すごい!!と言うほかはありません。中・高等部のグラウンドに面したところもありますので、鳥瞰図的に見ると、アルファベットのCかUの字を思わせるような校舎と言えばおわかりいただけるでしょうか。思わずグルグル回ってみたくなるような楽しい空間に、すっかり嬉しくなってしまいました。




 では、驚きの連続、すてきな校舎体験をごいっしょにどうぞ。
 なお、普通教室と特別教室は、全室床暖房&空調設備完備とのことです。


広い廊下の右手が中庭、左手に教室が並びます。手洗い場も低い位置にありました。


制服も明るい校舎にピッタリの清潔感あふれるもの。着心地もよさそうです。


それぞれのお部屋には木製の案内がありました!クラスごとに違う鳥が描かれています。


廊下から教室を見ると、引き戸部分が大きく、すべて壁の中にしまえるようになっていることがおわかりいただけると思います。(先程の手洗い場の写真は引き戸が閉まった状態)
 教室内でまず驚いたのは天井です!普通の天井板等でふさがずに、木製の格子を使うことによって圧迫感をなくし、より高さを感じさせる工夫をされたとのこと。圧巻です。また、その格子を利用して数字の札をさげたりして活用しているところもお見事です。


机もイスも全部木製で、イスは座ってみるとわかるのですが、平らではなく座りやすい
ように座面が少しカーブしています。サイズも1〜6まであり、学年ではなく身長に合わせて使用していくとのこと。実際、ひとつだけ背の高い机とイスのある教室がありました。みんな同じサイズである必要のないことを改めて知らされた思いがしました。右の写真は高学年用の大きなサイズとなります。


教室には先生用の机もあります。イスの背にかけられている早稲田カラーのものは、防災頭巾とのことです。


黒板脇の棚で超特大のカブトムシ(ヘラクレス)の模型を発見!!生徒さんたちの作品と思われます。隣りの青いかごでは虫が飼われている様子でした。


教室の後ろには、それぞれの道具入れやハンガーがあり、たくさんの作品も飾ってありました。分別ゴミ箱もわかりやすく、トイレも明るく清潔です。


明るい玄関の様子。背の低い傘立てにもきちんと名前シールが貼ってありました。これなら間違えることもありませんね。水飲み場にも踏み台がありました。

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第1音楽室には、説明会でもお話があった早大OBから寄贈していただいたというスタインウェイのピアノがありました。黒いピアノを想像していたため、アイボリーカラーのやわらかい色合いと気品を感じさせるそのやさしい形にすっかり魅了されてしまいました。イスも含めてとても古くて貴重なものだそうです。生徒さんももちろん弾いているそうですが、きっとやさしい音色を奏でていることでしょう。室内も広く、演奏会や発表会もできるそうです。


理科室と図書室と家庭科室・・・広い図書室にはコンピュータを1人1台使えるように40台入れることになっているとのこと(現在準備中)。家庭科室を見てオヤッ?と思わなかったでしょうか。調理台にコンロが組み込まれているのではなく、教室の壁面に家庭と同じようなシステムキッチンが並んでいるのです!これには本当に驚きました。できるだけ家庭に近いかたちを目指した結果とのことですが、これこそが本当の「家庭科室」なのかもしれません。まさに、目からウロコという感じです。


前述の中庭だけでなく、正面玄関左手には芝生のグラウンドがあり、その奥には土の広いグラウンドもあります!


床暖房完備の体育館となんと水深が調節できる25mプール(五右衛門風呂のようにすのこのような底板が上下するのだそうです)。右の写真は校舎から体育館へとつづく廊下脇の自然観察園(観察のために開校以来ずっと手を入れずに放ってある場所)となっています。


にぎわう教室前の廊下には、説明会でもお話があった、切り倒した木でつくったイスがならべられていました。そのことを書いた建築雑誌の記事も紹介されており、皆さん真剣に読んだり実際に座ったりされていました。


技術室には、同じく切り倒した木でつくった大きな机やイスがありました。それぞれ、机にもイスにも木の名前が記してあります。「これは何の木かな?」というお母さんに、得意げにクンクンとにおいをかいだり、手で感触を確かめたりしているお子さんの姿がありました。「みんな色がちがうよ!」という大きな声も聞こえます。すてきな自然体験がこんなところにも用意されていたのですね。


技術室で依田校長先生のお話が始まりました。10分弱のお話を参加者の集まり具合を見て何度もしてくださっていました。以下、校長先生のお話の内容を記します。

 この上の階の大きな図書室にパソコンコーナーを作り、パソコンを40台入れる予定になっているが、現在準備中でご覧いただけないのが残念。
 これから世の中がますます機械化され、さらに便利になっていくと思う。ところが、一面、子どもたちのからだが弱くなってしまった。手先も不器用で、箸やエンピツがきちんと持てない子もいる。五感がひじょうに鈍くなってしまっている。これは、お子さんたちのせいではなく、私たち大人がこんな狂った日本にしてしまったから。子どもが生まれながらにして持っている活動力、好奇心、あるいはものをつくりだしていく力をダメにしてしまったのは大人の責任。
 こらからの時代、コンピュータ化が進み、科学技術も進歩していくだろう。それに対応した勉強は1人1台のパソコンでやっていくが、しかし、パソコンができるという程度のことであれば1ヶ月もあればすぐにできるようになる。大事なことはパソコンの使い方を覚えるのではなく、それを使ってお勉強をするということ。頭だけを使って勉強しても意味がない。からだを使って、こういう場所(技術室)で実際にものをつくっていくことも大事。時には指をケガすることもあるだろうが、頭とからだの両方を使っていかなければならないと思っている。
 そのようなわけで、この厚さ60ミリの机をつくってもらった。これならば100年くらいはもつと思う。色もほとんどつけていないので、もとの木の木目や木肌をそのまま感じてもらえるはず。木のお勉強もできるようになっている。
 どうぞ、ごゆっくり。




最後はお子さんたちに大人気の中庭の遊具です。雨にぬれて誰もいないさびしそうな遊具。砂場の向こうには、板を渡したようなつくりの長いイスなのか平均台なのか??不思議なものもあります!


遊具を丸く囲んだ茶色く見えるものは、土ではなくなんと木のチップです!!やわらかいため、転んでもたいていは大丈夫とか。ぜひ、感触を確かめてみてくださいと言われ、歩いてみたところ、ほんとうにふんわりとしていてビックリ!!とっても気持ちのよいクッションのようでした。その外周の肌色に見えている部分も触ってみると、コルクのようなやわらかい素材でできていました。安全を第一に考えるとともに、自然素材を生かした素材選びが徹底されていることを体感することができました。ついでに、上からの景色を少しかがんで撮ってみました。お子さんたちの目線だとこんな感じでぐるりと校舎を見渡すことができます。


時おり小雨が降るなか、お子さんたちが自然と遊具に集まってきました!!ちょっとくらいの雨なんてヘッチャラと言わんばかりに、ぬれた縄をつかんだりよじ登ったりと元気いっぱいです!!
「小学校に入ったら、ひとりで遊ぶんだぞ!」とお子さんの背中をポンと押してやっているお父さんを見かけました。最初はもじもじしていたその子もすぐに遊具によじ登り、みんなと楽しく遊んでいます。お父さんはチョッピリ心配そうに、そして誇らしげに見守っていました。遊具も喜んでいるように見えました。



 10時から13時まで、好きな時間に好きなだけどうぞというこの施設見学会は、参加者にとってとてもありがたい催しであると思いました。「ゆっくり、じっくり、しっかり」の精神がここにも表れていることを感じます。
 写真でもご紹介した大きなヘラクレスの模型の前で、ひとりの男の子が「ぼく、ここで勉強したい!!」と元気よくお母さんにうったえていました。まだ見学を始めたばかりの様子なのに、きっと何か直感的なものを感じたのでしょう。小さなお子さんに入りたいと言わせてしまう学校の凄さを見せつけられたような気がしました。そして、とても嬉しくなりました。大人が感じるような設備面の凄さだけでなく、何か目に見えない雰囲気や力を感じ取り、自然と出てきた言葉のように思えたからです。
 切り倒した木でつくった机の色やにおいや手触りを、子どもたちは誰に言われるでもなく、見て、かいで、触って、感じ取っていました。これが、子どもたちが本来もっている自然性というものなのでしょう。そんな子どもたちの本来の力を引き出してくれる「もの」や「こと」がたくさん用意されていることを、参加者の皆さん自身が五感を使うことで理解されたのではないでしょうか。木のにおい、久しぶりに嗅いだような気がします。

早稲田実業学校のホームページは… http://www.wasedajg.ed.jp

NTS教育研究所 山本真美

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