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聖学院小学校 国語科研究授業
「犯人さがしゲーム」研究授業と振り返り [2]

2002年7月25日
by 前田恭子


先生方の振り返り

■「犯人さがしゲーム」の研究授業後は先生方の振り返りが行なわれた。初めに授業を担当した先生が感想を述べる。

  • 予定時間内に終わらなかったことが今日の一番の反省点。黒板へ回答を貼り出す際に要領が悪かったこと、ルールなど説明の方法に問題があったことなど、理由を上げればいろいろ出てくる。通常授業ではなく研究授業だったため最後まで通して、結局10分もオーバーしてしまった。
  • 7班のメガネの描写については、私自身が「メガネを掛けているのはこの人しかいないね」と生徒に言っていたと授業後生徒に指摘されて、意識していなかったことだが申し訳なく、これからの授業でフォローしていく必要があると考えている。
  • 今回の席順ではたまたま作文の苦手な班ができてしまい、当初はフォローしながら授業を進めるつもりだったが、実際は手が足りず上手くフォローができなかった。
  • 時間が押してできなかったが、最後にこの授業の中で良かった所を先生からのコメントとして取り上げたかった。授業の始めには『違いを取り上げて表現するんだよ』という指導をしているので、最後に『この辺が良かったね』というまとめで終わると美しい流れだったと思う。

■ 続いて見学した先生方から意見が寄せられ、指導した先生がそれに答えた。速記係の先生が授業の様子をまとめてコピーを作成しており、それを見ながら授業を見学した先生方によって発言や授業の進め方などについてなかなか厳しいチェックが入った。

質問) 普段作文の授業を進めていて、この辺が弱いという苦手部分のフォローのためにこの授業を行なったということだろうか?
返答) 今回は国語表現の第1回目の研究授業として考えたが、これを1年間の流れの中でどのように発展させるかをまた検討していきたい。実際に、指導案のように教科書どおりの進め方でなく、今の4年生の実態を踏まえて弱いところを伸ばす為のプログラムを作った。

質問) 1つだと得点が高いとの設定をしたら、結果的に全班が2つでまとめた。意図的に2つ以内にさせたのか? 
返答) 得点を高く設定したことが結果的に2つ以内の発表に結びついたが、特徴を厳選する文の作成に繋がったと思う。できないようだったら3つ以上の文を使っても良かったが、どの犯人も2つ以内で言い当てられるようにわざと特徴を加えていた。

意見) 人物図が不明瞭だということが一番のネックになったと思う。切り貼りした紙の影が靴ヒモに見えたりと、子供たちにとって判別しにくい材料だった。
返答) 『斜め縞のネクタイをしているのはCだけ』というように、その人にしかない分かりやすい特徴を必ず持たせた。

意見) 「犯人の『格好』は変わります。」と言っていたのが紛らわしかった。『格好』だと『ファッション』の意味にも捉えられるので、ポーズ、仕草などと言い換えた方が良い。この人物図からはファッション以外を汲み取るのは難しく、服装の特徴も見づらいため、ちょっとお金がかかってもカラーコピーを使った方が良かったのでは?
別意見) 色が入ると更に分かり過ぎてしまうので、白黒で難解なものを表現する方が学習にはなると思う。

意見) 作文をみんなで回し読みしてチェックする作業は面白いと思った。
返答) 作文に関して、従来は先生と生徒1対1のやり取りだったが、この方法をとると主観で書いた後、客観で評価しながら自分も新しい表現を取り込める。発表代表を選ぶ作業も、わだかまりなくエンジョイできたと思う。

意見) 発表時に『さぁ、私は誰でしょう?』と言った班があったが、『警察になってみんなに探してもらう』はずだったので犯人のつもりで発表するのはおかしい。ゲームルールは浸透しても物語や場の設定が理解されていないようだ。
別意見) 作文の際に『刑事に扮して』と説明したり、『犯人の特徴は・・・』から発表を始めさせるなどの工夫も出来る。贅沢を言えば、発表の場に緊張感を持たせるような演出が欲しかった。
返答) 班ごとに何かの作業をしてまとめて発表するという流れ自体がいつものパターンとなっていたので、『刑事が犯人を探す』という場の説明は省略してしまった。ワークシート形式にして発表形式を固定しても良かったと思う。

■ その他にも次のような意見が挙げられた。どの先生もなかなか厳しい意見だと思っていたが、後から聞いてみると今回は普段に比べて意見が少なかったそうだ。

  • クラス全体が学習に向かう雰囲気などもとても良かった。
  • 静かに作業をする時間と、発表するところのメリハリも良く、協力し合って良く出来たので、普段の指導も良かったのだと感じた。
  • その人にしかない特徴を見つけて文にするという作業は難しいと感じた。
  • せーの!で代表を選ぶという作業では、普段から出来る子が指名されやすいと思うので、大人しい子でも良く書けていれば選ばれるような配慮が欲しい。
  • 小学校の授業としては、板書が横書きで生徒に縦書きの作文をさせるというのは不親切だと思った。
  • 題材は魅力があるが、自分は最初の説明を聞いてルールの理解が少し及ばず、途中からやっと理解ができた。生徒は似たゲームをやったことがあったので分かったということだが、参観者がいるのでルールの明確な提示をすべきだった。
  • 例えば『靴は黒』でひとつのヒントだとすると、『運動靴は黒』と書いた場合、靴は靴でも運動靴、しかも黒という二重の意味が入ってくる。今日の発表にはその類の文は含まれなかったが、『ひとつの文にひとつのヒント』という括りでは説明不足だと感じた。
  • 途中で「聞こえません。」と子供たちから積極的に関わる場面が見られて良かった。
  • ゲーム学習の締めとしては得点を読み上げて表彰するような形が欲しかった。

■ 最後に小倉校長先生から講評があり、その後は有志の先生方でワークショップが行なわれた。とても研究熱心な先生方の情熱に圧倒された。

同業者である多くの先生の前で大変だったと思います。今日見せてくださった授業が聖学院という教育集団の手がかりとなって、どうしたらより良くなるかを考える材料となります。時間のこと、言葉の選び方、板書内容など完成度はまだまだですが、同じ授業を何度かやって見世物にするわけではないので、上手くいかないこともまた勉強になります。
子供たちの意識を引き出して学習するという授業形態としては成功していると思います。私もルールが理解できないところがありましたが、子供たちはみんな分かっていた様子で、暗黙の約束というか、担任として密接な指導ができていたのだと感じました。
『ゲームを通して国語表現を伸ばす』という授業で、娯楽性が強くゲームの時間とも取れますが、『表現』という学習目標の中では全体の流れのひとコマだということで、今後に期待を寄せたいと思います。昨夜は遅くまでこの授業の準備をしてくださったようで、大変だったと思います。それぞれに啓発される事柄がたくさんあったと思いますので、さらに大事にして良い授業に育てて頂きたいと思います。
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