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聖学院小学校 国語科研究授業
「犯人さがしゲーム」研究授業と振り返り [1]

2002年7月24日
by 前田恭子


犯人探しゲーム 〜違いを詳しく書く〜

■ 「犯人さがしゲームをします。」
聖学院小学校4年生の研究授業が始まった。
「今日はみんなが警察になって、犯人を探してもらいます。」

■ 「各班で犯人の特徴を教えてどんな人だったかを分かってもらい、みんなに犯人を見つけてもらうというゲームです。」と先生は説明する。プリントに用意された8人の人物から、犯人を作文で表現するのだという。

■ この日の研究授業、国語科表現の描写文で目指す単元目標は、次の2点。

(1) 視覚でとらえた物を整理分析し抽象概念化できる。
(2) 秩序ある視点の移動の技術を身に付けることができる。

■ 「この8人はとても似ているんだけれど、それぞれ違った特徴も持っているのでそれを探して、まずはひとつの文にひとつのことだけを入れて文を作ってください。『上着はこん色です。』これは特徴がひとつなのでオッケーです。『上着はポケットが付いていてこん色です。』これは2つ入っているのでダメですね。それから生きてる犯人は動くので、ポケットに手を入れている格好とか、右から何番目とかの順番は犯人探しには使えませんね。他にも顔の特長とかを教えたりすると、すぐに分かってしまうので今日はこれもダメです。」

■ 先生はこのようにして学習ゲームのルールと4つのお約束を説明した。

  1. 1つの文に1つのヒントだけを書きましょう。
  2. 人物のポーズは変わるので、「ポケットに手を入れている」などはヒントにできません。
  3. 犯人が立っている場所も変わるので、「右から2番目」なども書けません。
  4. 顔のことはすぐに分かってしまうので、「髪が長い」や「笑っている」などは書けません。

■ 生徒たちは以前の授業で似た趣向のゲームを経験しているということで、学習ゲームの趣向を素早く飲み込んだ様子。さっそく机を合わせて班をつくると、班長さんが先生にプリントをもらいに行き、自分の班の犯人をこっそりと教えてもらう。
「他の班の人には分からないように、班に戻ってこっそりと自分の班の犯人を教えてあげて下さい。」
「何?どれ?」
「しーっ!静かにしないと聞こえちゃうよ!」

■ 「では今から5分間で、犯人の特徴を、ひとつひとつ作文用紙に書いてみましょう。」

上着の色は白です。
ボタンは3つあります。
くつひもがほどけています。

■ 子供たちはプリントを見ながら犯人の特長を探して考えている。制限がかなりあるためか、服装に関する描写が多いようだ。「あと1分です!」と先生。ひとりにつきだいたい5つぐらいまで文が書けたようだ。「とても静かに書けたから、どの班も秘密はバレていないよね?では、班の中でまわし読みをして、文をチェックしましょう。読んでみて『これは違うよ』と思うものには『?』の印をつけて、いいなと思うものには『○』をつけてまた回してください。」

■ 回して読んでいるうちに、良いヒントや『?』と思うものも出てきたようだ。
「くつひも?くつひもなんて付いてるかなぁ?」
「しっ!聞こえちゃうよ!」

■ 「では、作文用紙を書いた人に戻して、これから本物の問題文を作っていきます。その前に点数の付け方を説明しましょう。少ない手がかりで犯人を当てるほうが難しいので、特徴が1〜2個のときに当たると、当てた班と問題を作った班に2点ずつポイントが入ります。特徴が3個以上の場合はどちらも1点ずつ。何か質問はありますか?」
「当てられなかったらどうするんですか?」
「当てられなかったら0点です。」

■ ひとりひとりが問題文を作ると、また班の中で回し読み。先ほど回し読みをしたことで、班の全員が分かりやすい特徴を共有し、より分かりやすい事柄を取り上げている。「せーのっ!」と先生の掛け声で、班の中で一番良い文だと思う人を指さして代表を決める。みんなが同じ人を指さしてすぐに決まる班や、バラバラに意見が分かれてしまった班、「ズボンのマークの方が分かりやすいよ。」と自分の問題の良さを伝えようとしている生徒もいた。

■ どの班も素早く意見を取りまとめて代表者を決めて、1班から問題文を発表。
「ズボンの色は黒です。背は低いです。」
途端に各班からひそひそ声があがる。
「Bだよ。」
「Hじゃない?」
各班で犯人が誰なのかを相談してカードに記入し、先生に提出した。

■ 続いて2班の発表。
「くつのヒモがほどけています。ネクタイはシマ模様です。さぁ私は誰でしょう?」
犯人になりきっての発表で一気にゲームが面白くなってきた。
「Dだよね?」
「ねぇ、ウチの犯人と一緒じゃないかな?」

■ 続いて3班。
「ネクタイは横のシマシマ模様です。白いTシャツを着ています。」
「え?Tシャツ着てる人なんていないよね?」
「聞き間違いかな?」

■ 4班、「身長は低いです。中のエリは出してあります。」
「Gだよ!」「Gだね?」「Gだ!」

■ 5班、「ネクタイの模様は斜めに線が入っています。ワイシャツは白です。」
小さな声で発表していると、すかさず「聞こえませんでした、もう一回言ってください!」と他の班から声が飛ぶ。みんな聞き逃すまいと真剣だ。

■ 6班、「ズボンは真っ白です。上着の下に黒いシャツを着ています。」

■ 7班、「メガネを掛けています。黒い上着を着ています。」

■ 全部の班の発表が終わり、先生は回収した答えのカードを黒板に貼り付ける。1班から順にもう一度問題を読み返して答えを発表する。
「ズボンの色は黒です。背は低いです。答えはBです。」
「わぁー!当たった!」
「あぁ、違う。」

■ 各班の答えは順にB、C、D、G、C、A、Bだった。3、4、6班は全部の班から当ててもらえたので12点ずつを獲得し、答えも全部当たっていたのでプラス12点の24点。3班とも優勝となったようだ。

■ 7班は残念ながら「顔の特徴は使えない」というルールを破ったので失格となってしまった。
BとCはそれぞれ2班が受け持っており、同じ犯人だということに惑わされた班もあった。

■ 最後に今日の研究授業の感想を書く。「勝ち負けではなく、どういうところが良かったか、難しかったかを書いてください。」各自の感想を見てみると、それぞれに学びを実感しているようだ。

友だちに自分の気持ちをはっきり伝えるのが難しかった。
小さなところを見つけるのが難しかった。
文章を書く勉強になった。

■ 「これで5時限目の表現の授業を終わります。では、見てくださった先生方にご挨拶をしましょう。」
「ありがとうございました!」

 

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