NTS教育研究所NTS教育研究所
ホーム学校リサーチ:学校レポート私立小学校レポート:聖学院小学校 授業見学


聖学院小学校 授業見学

2002年2月25日
by 前田恭子

■ 聖学院小学校の朝は元気な挨拶と、朝の10分間読書から始まる。
先生が教室にいなくても、時間になると進んで思い思いの本を手に読書を始める。それぞれが家から持参したり図書館から借りた本を毎日少しずつ読んでいる。昔ながらの物語や童話、マンガで解説した歴史物を読んでいる生徒も多く、中には"ハム研"を読んでいる生徒もいたが、これはご愛嬌。実際、マンガは歴史モノのみ許可しているそうなので具体的に何年生だったかは内緒にしておこう。懐かしい装丁の民話集や、小説を文庫本で読んでいる生徒もいた。
■ 午前中の授業をクラスごとに少しずつ見学させて頂く。
4年生の英語の授業は、外国人講師により教室の半分程度の人数で教えられていた。コミュニケーション自体が英語で話され、時々理解に合わせて日本語のフォローを入れていく。
6年生の教室が大変盛り上がっており、覗いてみるとグループでトランプゲームをしていた。
数学教育の一環のゲームなのだと担当の先生がご説明される。中学で学ぶことになっている正負の数への理解を高めるために、赤のカードをマイナス、黒のカードをプラスとして点数換算し、勝敗を決めるゲームである。
同じ聖学院中学との連携研究によって開発した要領に、担当の先生が独自の解釈を加えて導入した授業だそうだ。将来、代数や関数を学ぶ段になって、正負の数を感覚的に瞬時に理解できる効果があるそうだ。
■ 3年生の図画工作の授業。
磁石と色紙を使った工作で、自由に創った紙の基盤の上に、画鋲を取り付けたキャラクター達が磁石の力で動き回るという作品だ。
合計4時間を予定している授業の、まだ1時間目なのだが、計画に頭を悩ませている生徒や、色紙に下書き始めたり切って組み立てている生徒の中で、もう既に基盤に障害物を取り付けカニやタコなど大胆なデザインで作成している生徒もいた。

■ 2年生の英語。上級生と同じく、外国人講師による英語環境のコミュニケーション。
こちらは見学中に日本語のフォローはなかった。しかし、生徒は授業開始の挨拶も暦の確認も元気良く、指名された全員がほとんどスムーズに元気よく答え、答えにつまる生徒がいると周りの生徒が手助けをしていた。先生の言った通りに鉛筆を削ったり、教室の照明を消したり、また別の生徒が指名されて点けに行ったりと、賑やかで楽しい授業だった。
体育館ではこちらも2年生の体育、ドッジボールの授業が行われており、生徒たちが元気に飛び跳ねる姿が見られた。

■ 職員室のホワイトボードには各クラスの出欠が書き込まれており、時期的にも各クラス1〜5名程度の休みがある。特に上級生に風邪が多いそうだが、今冬、インフルエンザの届けは今のところないそうだ。
保健では健康管理に力を入れ、毎月身長体重測定を実施して成長記録や異常の発見に役立てているということで、特に体重の多い生徒には栄養や運動の指導や保護者相談を受けている。そういえばズバ抜けて大きな生徒を見かけなかったのも保健指導によるものかもしれないが、特に高学年の女子に体重の指導する際など、精神面の成長にも気を遣い、ご苦労が多いのだとか。

■ 授業見学後、先生方のお話を伺った。
校長先生のご説明によると、聖学院小では全教師が算数、国語の二手の研究班を構成して、授業内容や学習方法、指導の仕方などの研究をしているそうだ。先に紹介したトランプゲームの授業にも象徴されるように、聖学院中学とも連携をとって様々な研究ができる為、テーマ設定や成果にも広範囲な追跡が可能となっている。
報告会や勉強会をたびたび開いて研究してきた成果が、「朝の読書」や、英語教育に取り入れられている「少人数学習」、低学年の集中力の持続可能時間に配慮した「短縮学習」として次々と導入されてきたことを知り、先生方の教育に向ける弛まぬ努力に心打たれた。


このページのトップへ▲
ホーム学校リサーチ:学校レポート私立小学校レポート:聖学院小学校 授業見学