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『大学はどこへ行く』[9]第二章 大学教育のあり方を問う◆大学教育の改革に向けて
(『大学はどこへ行く』石弘光著・講談社現代新書[要約])

2002年8月9日

 大学教育のあり方を追求するうえで、主要な論点となるものを六つの項目に整理してみた。

(1)大学は積極的に第三者評価を受けるべきか
これまでのように入試難易度一つで大学を社会的にランク付けしてしまうというのは無謀なやり方だ。大学の評価とは、その大学の持つ研究内容・レベル、講義内容・方法、各種の施設、キャンパスライフ、卒業生の質など様々な項目について、客観的に第三者による評価に基づくべきである。
(2)学生による授業評価の是非
欧米の大学ではごく普通に行われている、学生による授業評価を日本でも積極的に取り入れるべきだ。大学の講義は決して教師のためにのみ存在するのではなく、受講する学生にも、また授業料を負担する保護者にも、さらには大学の校費が税金で賄われている以上納税者としての国民にも、評価に値する講義が行われているのか知る権利がある。
(3)教授方法をいかに改善すべきか―FD(Faculty Development)の必要性
小・中・高の教師と違い、大学教師になるためには教師免許も必要ないし、そのための訓練も受けておらず、講義は教師個人の才覚にまかせられている。これでは講義の下手な教師はいつまでも上達しない。欧米の大学のような、FDを日本の大学でも本格的に取り入れるべきである。
(4)大学入試はいかにあるべきか
志願者の減少傾向をふまえ、各大学は容易な入試方法を採用しがちであるが、これが学力低下を招いていることは明らかである。私大のセンター試験採用、AO入試、推薦入学なども含め入試の多様化が図られているが、大学入試は大学競争・選別の時代にどうあるべきか、そのあり方が問われている。
(5)講義内容をいかに充実させうるか
教師の教え方の巧拙もさることながら、講義内容を充実させるためには制度的にいくつもの工夫を必要とする。カリキュラム再編、シラバス作成の義務化、履修科目登録の上限設定などもその1つだ。1単位年間45時間とされる単位制度をいかに実質化するかが問われる。TA(Teaching Assistant)あるいはセメスター制の導入も欠かせない。同時に大学間の単位互換制度の長短も検討していくべきだろう。
(6)成績評価及びGPAをどうすべきか
これまでのように講義の成績評価を担当教師に任せっぱなしにするのではなく、成績評価の分布に何らかの客観的な基準を設けるべきであろう。また評点を客観化し、GPAとして学生の教育指導にあたるのも一部の大学では取り入れられている。

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