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§44 21世紀の学習スタイル −DS と Wii そして ネットワーク (3)−

by 岡部憲治
2007/01/29

■アバターの存在は知っていた。だが、なんというか入れ込むことがなかった。オンラインゲームなどで、なんでアイテムを買ってまでただのアイコンを飾り立てたりするのか理解ができなかった。  だが、そんな気持ちもWiiをさわって少しわかったような気がする。

◇ ◇ ◇

■Wiiには「似顔絵」モードがあって自分のアバターを作ることができる。そのアバターがゲームに登場してプレイする。自分だけでなく家族や友人のアバターを創れば一緒にプレイしたり、観客として登場する。これはとても親近感がわく。

◇ ◇ ◇

■おもしろいのはそのアバターをリモコンに記憶させると持ち運びができ、自宅以外のWiiでプレイするときも自分のアバターでプレイできることだ。ここまでくると本当に仮想世界の分身だ。

◇ ◇ ◇

■自分が出かけるのと同様に仮想世界の分身もオンライン機能でどこにでもいける。今のところ、コミュニティはないようだが、話題の「Second Life」のような世界がwiiユーザ間で構築されればコミュニケーションの仕方が一気に変わる可能性も秘めている。

◇ ◇ ◇

■例えば、仮想のコミュニティのなかに学校があり、そこに自分のアバターが出席していれば実際に授業に出席したことになり、行く末は卒業までOKなんてこともあるかもしれない。インターネット上にはオンラインの大学が無数に存在しているし、「Second Life」にも既に60の大学があるとか。
 考えてみれば、大学側は物理的な制約から解かれて世界中から優秀な生徒を獲得できるし、学生側は高い留学費用のコストを抑えることができる。

◇ ◇ ◇

■つまり、

ネットワーク・オンラインが整えば整うほど、ボーダーレス化しグローバルレベルの競争が激しくなる

◇ ◇ ◇

■もっとも国や企業の国際競争は既に激しい。例えば、EU内では労働力の確保に企業が苦労している。個人が条件の良い方へと国を越えて流れていくのだから当然だ。
 そして国を越えての競争は「個人」間にも影響を及ぼす。生き抜くためにはより高いスキルが必要とされ、日本だけではなく世界中で格差が一層開くだろう。

◇ ◇ ◇

■だが、その格差は何も「国」によって決まるわけではない。あくまでも個人に依る。例えば、インドでは海外で成功している先人を見て「自分も頭脳を磨けば成功できる」と多くの若者がとても貪欲だ。そんな多くの若者(25歳以下)が人口の半分を占めているのだから国全体としても勢いがある。
 それに比べて日本は、海外で成功している人に続こうという流れもないし、若者の人口比も低い。英語の重しや同世代間の刺激不足で完全に日本国内で完結している。

◇ ◇ ◇

■要するに、前に進む人はどんどんとコミュニケーションを、ツールを、メディアを利用して進んでいく。つまり、自主的(アクティブ)な人たち。インドの若者はまわりを見渡せばそんな人たちばかりだ。
 それに対して目の前に様々なコミュニケーション、ツール、メディアがあるのに一定の使用方法しか知らない受動的(パッシブ)な人たち。日本の若者はまわりを見てもどんぐりの背比べなのではないだろうか。

◇ ◇ ◇

■2007年は従来、新しいと言われていたメディアやネットワークがバージョンアップしスタンダードとなってくる。DVDに変わってブルーレイやHD- DVD、インターネットもPCだけでなくWiiやPlaystation3を始めとする新たなプラットフォームでアクセスするのが普通となっていく。持ち運びではPSPやDSなど携帯やPDA以外の選択肢も豊富になってきた。

◇ ◇ ◇

■重要なのはそれら多くのモノが、私たちのいる国、日本が発信地となっていることだ。つまり、

はじまりの地(知) 

なのだ。だったら、最重要といわれている教育・人材育成の分野にそれを利用しない手はないだろう。

◇ ◇ ◇

■新しいメディアやプラットフォーム、様々な携帯端末を潤沢なネットワークを活用しながら学びの環境を普及させる。それを蓄積していくことが「日本独自」のユニークな教育方法を築きあげ、パッシブではなくアクティブな人材を育て上げるのではないだろうか。
 言い換えれば、インドのように集団の力によりアクティブな人材を生み出すのではなく、

‐少数精鋭のアクティブな人材を創る教育
‐どこの国よりも早く学習を効率的に行い、優秀な人材を短時間で育成するノウハウ 

これが今の日本には必要とされているのだ("少数"とはインドや中国などの国と比べてという意味で)。

◇ ◇ ◇

■また、少子高齢化が急速に進み、定年年齢の引き上げや女性の労働力まで必要とされる時代に「年齢」や「性別」で考えているようでは「国」としての勢いは衰えていく一方だ。

‐少数精鋭のアクティブな人材を創る教育
‐どこの国よりも早く学習を効率的に行い、優秀な人材を短時間で育成するノウハウ 

はそんな枠を越えるものとしても多様な可能性を秘めている。

◇ ◇ ◇

■他国のマネをしていても日本のもつ古きよき文化性と新しい創造的な独自性の両方を活かせるかは疑問だ。それよりも

自分の育ってきた時代と受けた教育
これからの時代と予測しうる環境の変化

を見つめなおし真摯に受け止めることがカギになってくるのではないだろうか。とにもかくにも、「頭脳立国」インドと「科学技術創造立国」日本のどちらに軍配があがるのか。教育にかかっていることは間違いない。


※アバター:アバター(avatar)とは、2D/3Dのビジュアルチャットやワールドワイドウェブ上の、比較的
 大規模なインターネットコミュニティで用いられる、「自分の分身となるキャラクター」、または
 そのサービスの名称
※Second Life:アメリカサンフランシスコに本社を置く、Linden Labが運営するバーチャル世界のこと。
 World内に存在するコンテンツのほとんどはユーザの手によって作り上げられている。

[参考記事・参考放送・参照URL]
○ウィキペディア




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