| §41 少子化で変わるべき社会 −学力とは何ぞや− |
by 岡部憲治
2006/09/15
■ 「学力重視」へのシフトに伴い
への疑問を投げかけてみたわけだがもう一つ疑問がある。それは「学力」そのもの、つまり
という疑問だ。
◇ ◇ ◇
■一見、「学力重視」という言葉からは
というイメージが強く感じられる。それと符合するかはわからないが、次期学習指導要領で見直されるゆとり教育の要、「総合的な学習の時間」に関しての調査で、中学校の担任の6割が、
と回答しているそうだ。では、なくした代わりに何をその時間にあてるのだろうか。やっぱり、教科学習中心による「基礎学力の定着」ということを連想してしまうのだが。。。
◇ ◇ ◇
■ここで一番、危惧すべきは
と原点回帰しているように取り違えてしまうことだ。つまり、
と昔のイメージを思い起こし単なる反復トレーニングと暗記学習を中心に考え、それが正しいと思い込んでしまうこと、それが罠だ。
◇ ◇ ◇
■総合初等教育研究所の最近の調査結果では、
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式を示されれば計算できるものの、意味の理解や、文章から式を立てるといった"応用"は苦手 |
という傾向が出ている。そして
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「保護者も含めて教育現場では計算力が狭くとらえられ、技能指導だけに陥りがち。計算の意味や使いこなす力も育てるよう見直す改善が必要だ」 |
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「総じて横ばいという印象。学校現場で計算力を高める取り組みが広がっていることもあり、"ゆとり教育"導入前の前回調査と比べても計算技能は落ちていない」 |
と意見している。つまり、具体的に何が学力低下しているのか。
「学力」というニ文字に集約されているコトバをどのように現場の先生や保護者の方や社会が捉えているのか。
を明確にしコンセンサスを持っておく必要があるのではないだろうか。
◇ ◇ ◇
■そうしなければ、最近よく耳にする「格差」によって個々「学力」の捉え方がバラけてしまい、結局は誰にでもわかりやすいは
という時代に逆行するような方向に帰結してしまう可能性も十分に有り得る。
◇ ◇ ◇
■だが、IT革命後なのだ、今は。例えば、携帯電話。誰もが携帯するこのツール。電話はおろか、メール、メモ、アドレス帳、デジカメ、テレビ、音楽プレーヤーなどその機能は年をおうごとに進化している。 信じられないがこれがほんの12,13年前はなかったのだ、日常生活のなかに。
◇ ◇ ◇
■携帯電話がない生活では、当然、電話番号は少なくとも20個くらいは暗記していたし、住所などは手帳に「書」いていた。
だが、今は「打」つだけですべて解決だ。暗記する必要もまったくない。操作方法だけ知っていればそれでいいのだ。今後は「話」すだけで自動で打ち込まれるかもしれないだろうし。
暗記や「書く」という行為は少なくとも「打つ」だけに比べれば脳には刺激になっただろう。
◇ ◇ ◇
■そういう経験があるからこそ今の「脳トレーニング」ブームには頷ける。つまり、昔に比べて
で「退化」したのではという不安が「脳トレしなきゃ」という行動に結びついているような気がする。
若い人は若い人でこういう「退化」の経験をしていないのだが単に楽しく脳トレで一石二鳥なお得感でやっているのではないだろうか(すべては推測でしかないが。。。)
◇ ◇ ◇
■「調べる」という経験も自分の大学時代は学内の図書館を歩き回ったものだが、今はインターネットで「調べる」。時間もかからず便利なことこの上ない。だが、やはり「打つ」だけなのだ。
そして今更、インターネットや携帯電話がない生活なんて考えられないだろうからこの傾向は今後も変わることがないのだろう。
◇ ◇ ◇
■すなわち
によってライフスタイルが変わり、学習のスタイルも変わってしまったのだ。
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■だから、「学力低下」への解決策を昔のスタイルに固執する必要はなく最新のツールをどんどんと組み合わせ効率的に行うことが求められているのではないだろうか。例えば、オカベの目のツボ§11でも触れたゲームの学習への効用は馬場教授を中心に日本デジタルゲーム学会が設立されたので、今後も何らかの形で学習への関与が期待される。
もしもそれで効率があがれば「学力」を定着させる時間が短縮され、余裕が生まれてくる可能性もある。その余裕を「ゆとり教育」で培った時間に充てることにより
という公式が成り立つ可能性があるかもしれない。
◇ ◇ ◇
■過剰な教科学習や暗記重視への幻想回帰をしたとしても既に社会が変わってきている
これが一番、明確にしなくてはならない「学力」というコトバの中身なのかもしれない。
[参考記事・参考放送・参照URL]
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産経新聞:「小中学生の学力、計算問題の“応用”が苦手」より
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| ○ |
日本経済新聞:「小学生、計算の応用苦手 」より
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| ○ |
IT PLUS:「「ゲーム学」の確立を通して人材育成を・日本デジタルゲーム学会設立総会」より
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